本物の箱寿司は卵焼きが甘かった 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(9) ― 2025年08月02日 12:21
大阪の船場、御堂筋線淀屋橋駅と本町駅の中間ぐらいに吉野寿司がある。歩いて20分ぐらいのところに通算4年ぐらい住んでいたのにこんな店があることを知らなかった。
明治時代、三代目が二寸六分の懐石と呼ばれる今の箱寿司の完成形を発明した店だ。しかも、「大坂ずし」というのれんをかけている。天保12年(1841年)の創業時に「大坂ずし」という用語があったはずがないから一体いつごろから「大坂ずし」を名乗りだしたか知りたいところだ。
残念ながら、もうイートインはやっていないとのことなので、新幹線の中で初めて「本物の箱寿司」を食べることにした。
酢飯は酸味をあまり感じさせないやさしい甘さ。今はなき、四谷・ハ竹はこれに近い味だったと思う。東京の志乃多寿司系の大阪寿司はこれと比べるとかなり酸っぱ辛い。
酢飯の味はどのネタでも味は同じはずだが、ネタごとに焼く、蒸す、煮る、酢で締めるなど調理法が違い、味が変わる。
小鯛は酢の酸味が前面に、キクラゲは甘く煮てある。酢飯と酢飯の間にはさんだ具材も味の奥行きを出す。
そして、驚いたのは、ケラ(厚焼き玉子、海老、白身魚)や巻き寿司に使われている卵焼きの味が甘いのだ。ほかの味が移ったのかと思ったが、どう味わってみても卵焼き単体で甘い。関東と違って、関西の寿司に使われる卵焼きは甘くないだし巻き卵だと聞いていたが、本物の箱寿司は違うようだ。
全般的にすごくうまかった。
文化人類学者の石毛直道氏が「別冊サライ大特集鮨」で語っている。
「味覚としても関西の味の方に慣れているのに握りの方が好きなのはなぜかと考えました。それはどうやら美味しい箱ずしを食べさせる店が減ってしまったからのようなんです」。吉野寿司の箱寿司を食べてみて納得した。
この連載の(3)で
「押し寿司がうまいと思ったことがない。というか寿司って名乗るのはいかがなものかと。まだ東京に大阪寿司があるのは地元民ではなく田舎の人(特に関西方面)が東京土産で買っていくからですね。 だいたいかんぴょう巻きは大阪にはないのに入っている.魂うってる寿司なんざ寿司とは言えんよ。ちなみに干瓢巻きってんのは江戸前寿司のしめで食うもんで押した寿司と一緒にしないでほしい」とコメントしていた人がいたが、そんな食わず嫌いなことを言わず、本物を食べてみてほしい。
◆インド名物はインドカレーと言われたような違和感 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/19/9776452
◆大阪のお寿司との違いは? 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/21/9777055
◆いつから使われ出した?「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(3)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/23/9777235
◆残る老舗3店 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(4)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/25/9777405
◆茶巾は東京生まれ 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/26/9778091
◆リトル大阪があった 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(6)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/30/9778999
◆ 消えた名店 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(7)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/03/9779832
◆確かにあった 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(8)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/07/13/9788348
明治時代、三代目が二寸六分の懐石と呼ばれる今の箱寿司の完成形を発明した店だ。しかも、「大坂ずし」というのれんをかけている。天保12年(1841年)の創業時に「大坂ずし」という用語があったはずがないから一体いつごろから「大坂ずし」を名乗りだしたか知りたいところだ。
残念ながら、もうイートインはやっていないとのことなので、新幹線の中で初めて「本物の箱寿司」を食べることにした。
酢飯は酸味をあまり感じさせないやさしい甘さ。今はなき、四谷・ハ竹はこれに近い味だったと思う。東京の志乃多寿司系の大阪寿司はこれと比べるとかなり酸っぱ辛い。
酢飯の味はどのネタでも味は同じはずだが、ネタごとに焼く、蒸す、煮る、酢で締めるなど調理法が違い、味が変わる。
小鯛は酢の酸味が前面に、キクラゲは甘く煮てある。酢飯と酢飯の間にはさんだ具材も味の奥行きを出す。
そして、驚いたのは、ケラ(厚焼き玉子、海老、白身魚)や巻き寿司に使われている卵焼きの味が甘いのだ。ほかの味が移ったのかと思ったが、どう味わってみても卵焼き単体で甘い。関東と違って、関西の寿司に使われる卵焼きは甘くないだし巻き卵だと聞いていたが、本物の箱寿司は違うようだ。
全般的にすごくうまかった。
文化人類学者の石毛直道氏が「別冊サライ大特集鮨」で語っている。
「味覚としても関西の味の方に慣れているのに握りの方が好きなのはなぜかと考えました。それはどうやら美味しい箱ずしを食べさせる店が減ってしまったからのようなんです」。吉野寿司の箱寿司を食べてみて納得した。
この連載の(3)で
「押し寿司がうまいと思ったことがない。というか寿司って名乗るのはいかがなものかと。まだ東京に大阪寿司があるのは地元民ではなく田舎の人(特に関西方面)が東京土産で買っていくからですね。 だいたいかんぴょう巻きは大阪にはないのに入っている.魂うってる寿司なんざ寿司とは言えんよ。ちなみに干瓢巻きってんのは江戸前寿司のしめで食うもんで押した寿司と一緒にしないでほしい」とコメントしていた人がいたが、そんな食わず嫌いなことを言わず、本物を食べてみてほしい。
◆インド名物はインドカレーと言われたような違和感 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/19/9776452
◆大阪のお寿司との違いは? 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/21/9777055
◆いつから使われ出した?「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(3)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/23/9777235
◆残る老舗3店 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(4)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/25/9777405
◆茶巾は東京生まれ 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/26/9778091
◆リトル大阪があった 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(6)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/30/9778999
◆ 消えた名店 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(7)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/03/9779832
◆確かにあった 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(8)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/07/13/9788348
ニシン(鰊、鯡) 青魚は赤の他人のそら似 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(13) ― 2025年08月05日 21:07
ニシンはサバやイワシなどとともに青魚と呼ばれる。似た特徴を持つのでひとまとめにされるが近い親戚関係ではない。
イワシ属はニシン目ニシン科だし、スズキ目のサバ科やアジ科、ダツ目のサンマ科と出自は様々だ。哺乳類で言うと、イヌ科とネコ科は同じ食肉目。目が違うというのは霊長目のヒトとイヌやウシぐらい遠いということだ。
青魚は背中が青く、腹の方が白い。上から見ると深海の色に紛れ、下から見ると空の色に紛れる保護色だ。海面に近いところを回遊する表層魚ゆえの特徴。住んでいる環境が同じなために他人のそら似で同じような姿形になった。収束(収斂)進化という現象だ。
見た目以外にも共通点がある。群れをなす小型の赤身魚。大量に取れることから焼き魚定食に向く手頃な大衆魚。そして、足が速い。
締めてから1、2日たった方がおいしい白身魚と違い、青魚は鮮度が命とされる。
理由はいくつかある。まず、青魚に多く含まれ、健康にいいとされるDHAやEPAは多価不飽和脂肪酸といって酸化しやすい。悪くなるのが速い脂なのだ。
さらに、青魚の身にはヒスチジンというアミノ酸が多い。ヒスチジンは微生物(ヒスタミン産生菌)の持つ酵素でヒスタミンに変わる。このヒスタミンが多くなると、中毒の原因になる。
ヒスタミン産生菌の多いエラや内臓をすぐに取り除き、低温状態にする技術が発達し、ヒスタミン中毒は起きにくくなったとされる。今では青魚よりヒスチジン含有量の多いマグロなどの大型魚も時間をかけて熟成している。
ニシン目ニシン科ニシン属
◆今日の20貫
淡路島の真鯛、千葉のカツオ、茨城の石鯛、福岡のヤリイカ、カスゴ、三重のマゴチ、メカジキ、網走のニシン、メイチダイ、徳島の鯵、いわし、煮アワビ、4尾付シンコ、タチウオ、エボダイ、ミズダコ、東京湾のシロギス、千葉のサゴシ、車海老醤油、奥尻の塩水ムラサキウニ
◆そのほか
お通し カンパチ
帆立の磯辺焼き、令和の怪物、穴子の肝焼き、焼きはまぐり
卵焼き、ねぎり中落ち巻き
◆今日の酒
超辛口純米吟醸大信州、純米吟醸山本
■のぶっこ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/01/20/9748644
■寒鰆(カンザワラ) ピンク色は赤身白身どっち? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/07/9753032
■豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外 曇りSAKE
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/13/9753885
■黒鮪(クロマグロ) 海の可変翼戦闘機 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(3) スズキ目サバ科マグロ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/27/9757648
■アイナメ(鮎魚女)飯泥棒みたいな二つ名 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(4)カサゴ目アイナメ科アイナメ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9757858
■初鰹は本当は旬ではない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9764356
■だいぶ遠い他人のアヤカリタイ 金目鯛 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(6)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/11/9767684
■本鱒(ホンマス) 区別に意味がないサケとマス 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(7)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/26/9771020
■ウッカリカサゴ、ユメカサゴ 仔魚を産むと思われていたのに 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(8)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/10/9774518
■鱚(キス) BSS(僕が先に好きだったのに) 白身は釣りたて締めたてはうまくない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(9)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/25/9778112
■塩も体の膜を通る 鱸(スズキ) 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(10)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/12/9782032
■豊洲一の人気店・寿司大とは 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/26/9784957
■寿司大ってどうやって入る? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/29/9785666
■新子(シンコ) 出世するほど評価が下がる 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(11)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/07/08/9787571
■ワラサ ハマチは禁句 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(12)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/07/26/9791486
イワシ属はニシン目ニシン科だし、スズキ目のサバ科やアジ科、ダツ目のサンマ科と出自は様々だ。哺乳類で言うと、イヌ科とネコ科は同じ食肉目。目が違うというのは霊長目のヒトとイヌやウシぐらい遠いということだ。
青魚は背中が青く、腹の方が白い。上から見ると深海の色に紛れ、下から見ると空の色に紛れる保護色だ。海面に近いところを回遊する表層魚ゆえの特徴。住んでいる環境が同じなために他人のそら似で同じような姿形になった。収束(収斂)進化という現象だ。
見た目以外にも共通点がある。群れをなす小型の赤身魚。大量に取れることから焼き魚定食に向く手頃な大衆魚。そして、足が速い。
締めてから1、2日たった方がおいしい白身魚と違い、青魚は鮮度が命とされる。
理由はいくつかある。まず、青魚に多く含まれ、健康にいいとされるDHAやEPAは多価不飽和脂肪酸といって酸化しやすい。悪くなるのが速い脂なのだ。
さらに、青魚の身にはヒスチジンというアミノ酸が多い。ヒスチジンは微生物(ヒスタミン産生菌)の持つ酵素でヒスタミンに変わる。このヒスタミンが多くなると、中毒の原因になる。
ヒスタミン産生菌の多いエラや内臓をすぐに取り除き、低温状態にする技術が発達し、ヒスタミン中毒は起きにくくなったとされる。今では青魚よりヒスチジン含有量の多いマグロなどの大型魚も時間をかけて熟成している。
ニシン目ニシン科ニシン属
◆今日の20貫
淡路島の真鯛、千葉のカツオ、茨城の石鯛、福岡のヤリイカ、カスゴ、三重のマゴチ、メカジキ、網走のニシン、メイチダイ、徳島の鯵、いわし、煮アワビ、4尾付シンコ、タチウオ、エボダイ、ミズダコ、東京湾のシロギス、千葉のサゴシ、車海老醤油、奥尻の塩水ムラサキウニ
◆そのほか
お通し カンパチ
帆立の磯辺焼き、令和の怪物、穴子の肝焼き、焼きはまぐり
卵焼き、ねぎり中落ち巻き
◆今日の酒
超辛口純米吟醸大信州、純米吟醸山本
■のぶっこ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/01/20/9748644
■寒鰆(カンザワラ) ピンク色は赤身白身どっち? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/07/9753032
■豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外 曇りSAKE
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/13/9753885
■黒鮪(クロマグロ) 海の可変翼戦闘機 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(3) スズキ目サバ科マグロ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/27/9757648
■アイナメ(鮎魚女)飯泥棒みたいな二つ名 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(4)カサゴ目アイナメ科アイナメ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9757858
■初鰹は本当は旬ではない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9764356
■だいぶ遠い他人のアヤカリタイ 金目鯛 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(6)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/11/9767684
■本鱒(ホンマス) 区別に意味がないサケとマス 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(7)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/26/9771020
■ウッカリカサゴ、ユメカサゴ 仔魚を産むと思われていたのに 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(8)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/10/9774518
■鱚(キス) BSS(僕が先に好きだったのに) 白身は釣りたて締めたてはうまくない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(9)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/25/9778112
■塩も体の膜を通る 鱸(スズキ) 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(10)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/12/9782032
■豊洲一の人気店・寿司大とは 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/26/9784957
■寿司大ってどうやって入る? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/29/9785666
■新子(シンコ) 出世するほど評価が下がる 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(11)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/07/08/9787571
■ワラサ ハマチは禁句 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(12)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/07/26/9791486
やはり、あの団体に似ている気が ― 2025年08月11日 13:01
「アナキンに転生しちゃったので絶対パドメにほれないと決めたけど好みすぎて回避できそうにありません」というラノベを誰か書いてほしい ― 2025年08月17日 22:51

こういうパロディーマンガが許されるんだね。
だったら、日本の悪役転生物作家に、アナキン・スカイウォーカーに生まれ変わった社畜日本人がダース・ヴェイダーにならないためにがんばるスター・ウォーズ非正史作品を書いてほしい。
だったら、日本の悪役転生物作家に、アナキン・スカイウォーカーに生まれ変わった社畜日本人がダース・ヴェイダーにならないためにがんばるスター・ウォーズ非正史作品を書いてほしい。
半世紀前から辞書に掲載 大阪寿司は江戸の方言 東京土着民にしか通じない(10) ― 2025年08月18日 12:01
「『関西厚焼工業組合』さんが『大阪すしPR活動』の結果作られた新語のようです」
大阪寿司について、こんなコメントがあった。これはとんでもない誤解だ。
その証拠に、多くの国語事典に「大阪寿司」は普通に載っている。
例えば、広辞苑。最初の版には載っていなかったが、第2版(1969年)には、大阪鮨(おおさかずし)の項があり、「上方で製する押鮨・巻鮨の総称。また、特に押鮨」と語釈されている。その後、「関西風の押鮨・巻鮨の総称。また、特に押鮨」と多少表現は変わっても、最新版までずっとある。
日本大百科全書(1991年)には、「大阪ずし 関西地方で発達した押しずしの形態のすし。箱型の押し器の中にすし飯を入れ、具を上に置き、あるいは中に混ぜたものを何段か重ねて固めたもの。小鯛の姿ずし、バッテラなども包含していう」とより詳しい説明がある。
手当たり次第、辞書、事典を開いてみたが、どれにも載っていた。「大阪鮨 関西風の、甘みを利かせた鮨飯でつくった鮨」「生のたねが少なく、味が長持ちし、つけじょうゆを用いないものが多い」などそれぞれに特徴を捉えている。
広辞苑などが「大阪寿司は東京でだけ使われる言葉で大阪などでは通じない」と認識していたかどうかは怪しい。
なぜそう思うかというと、「しんどい」には「関西方言」、「おおきに」には「②『おおきにありがとう』の略。関西地方などで広く使われる」、「あかん」には(埒あかぬの略。多く関西で使う)などとあるのに、東京を含んだ地域の方言、「ふてる」、「うでる」などにはそのような注釈めいたものはなく、全国区の言葉と同じ扱いだからだ。
辞書をつくっている出版の編集部はほとんどが東京にあり、他府県に赴くこともあるだろうが、言葉集め作業の大半は東京だろう。そして、標準語として全国で使われている言葉と東京のローカル語をあまり区別していないように見える。東京以外で聞かない言葉であっても、東京で使われていれば、ほかにどこで使われているか調べずに標準語として扱っているのではないか。
さて、小学館の日本国語大辞典第2版(2001年)の「大阪鮨」には出典が3つも載っていた。
一番古いのは、 明治・大正時代の風俗研究グラフ誌「風俗画報」の160号(1898年)。「大阪鮨と称するものは酢飯に魚菜を刻み入れ五六寸許の函中に詰めならし圧平(おしひら)め取出し之を適宜に切或は上に葛餡を引て食料に供す」(*)と作り方を説明している。風俗画報は、日本橋区葺屋町(現在の人形町、堀留町)にあった東陽堂が発行していた。またも人形町だ。
2番目は近松秋江の小説「青草」(1914年)。「大きな硝子の箱の中に乾涸(ひから)びたような鯛の切身を張り付けた角(かく)い大阪寿しを二つ三つ並べている家・・・」と描写している。
最後は宮本百合子の自伝的小説「伸子」(1924~26年)。「大阪鮨をたべながら、」とある。
「伸子」に出てくる大阪鮨はどんな寿司か分からないが、風俗画報と青草の描写は箱寿司だ。どちらも箱寿司と書けばすむ、もしくは、箱寿司と書くべき所なのに、わざわざ大阪鮨(寿し)と書いている。まるで、筆者たち当時の東京人が箱寿司という言葉を知らなかったかのようだ。
1889年(明治22年)に「大坂すし」の店名で新聞広告を出していたのは長谷川町(現在の堀留町)の店。大阪から上京した日乃出寿司の創業者が大阪の寿司を盛り込んだ物を大阪ずしと命名して売り出したとされるのは1900年(明治33年)。
「伸子」で「大阪鮨」を食べているのは主人公・伸子の家を訪れた友人。なぜ唐突に大阪寿司が出てくるのかわからない。「チェーンのハンバーガーを食べながら」とか「デリバリーのピザを食べながら」とかごく日常的な風景の描写に過ぎないのかもしれない。
少なくとも、明治時代後半から大正時代の東京では大阪寿司と言えば大阪の箱寿司などを指す普通に誰にでも分かる言葉だったことになる。やはり、明治20年ごろに日本橋人形町辺りで生まれた造語なのだろう。
おもしろいことに、青草は大阪の温泉街を舞台にした小説だ。近松秋江は岡山出身で今の早稲田大学在学時に作家デビューした。例えれば、イラン出身で日本でデビューした作家が住んだこともないインドを舞台にした小説を書き、インド人の登場人物が「インドカレーを食べる」と書いているようなものだ。
この理由はいくつか考えられる。
まず、大学から東京で暮らしている近松秋江自体が東京の大阪寿司店で初めて箱寿司などを見たために、大阪では大阪寿司とは言わないことを知らなかったのかもしれない。
逆に、大阪では箱寿司などと言い、大阪寿司という言葉は大阪にはないと知っていたが、箱寿司と言っても東京の出版社の人間や読者には通じないと思ったから、あえて大阪寿司と書いた(あるいは編集者がダメ出しして直したかもしれない)ということもありうる。
鹿児島出身で、大学進学時に上京し、東京でデビューした作家が、広島を舞台にした小説を書き、登場人物が「広島焼きを食べる」と描写するようなことだ。広島県民がそれを読んだら怒るだろうが、「広島ではお好み焼きのことを広島焼きと言わない」ことを知らない大部分の読者は違和感を覚えないだろう。
(*)「ならし」は、金へんに平という漢字だが、PCでは表示できない。
◆インド名物はインドカレーと言われたような違和感 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/19/9776452
◆大阪のお寿司との違いは? 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/21/9777055
◆いつから使われ出した?「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(3)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/23/9777235
◆残る老舗3店 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(4)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/25/9777405
◆茶巾は東京生まれ 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/26/9778091
◆リトル大阪があった 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(6)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/30/9778999
◆ 消えた名店 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(7)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/03/9779832
◆確かにあった 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(8)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/07/13/9788348
「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(9)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/08/02/9793037
大阪寿司について、こんなコメントがあった。これはとんでもない誤解だ。
その証拠に、多くの国語事典に「大阪寿司」は普通に載っている。
例えば、広辞苑。最初の版には載っていなかったが、第2版(1969年)には、大阪鮨(おおさかずし)の項があり、「上方で製する押鮨・巻鮨の総称。また、特に押鮨」と語釈されている。その後、「関西風の押鮨・巻鮨の総称。また、特に押鮨」と多少表現は変わっても、最新版までずっとある。
日本大百科全書(1991年)には、「大阪ずし 関西地方で発達した押しずしの形態のすし。箱型の押し器の中にすし飯を入れ、具を上に置き、あるいは中に混ぜたものを何段か重ねて固めたもの。小鯛の姿ずし、バッテラなども包含していう」とより詳しい説明がある。
手当たり次第、辞書、事典を開いてみたが、どれにも載っていた。「大阪鮨 関西風の、甘みを利かせた鮨飯でつくった鮨」「生のたねが少なく、味が長持ちし、つけじょうゆを用いないものが多い」などそれぞれに特徴を捉えている。
広辞苑などが「大阪寿司は東京でだけ使われる言葉で大阪などでは通じない」と認識していたかどうかは怪しい。
なぜそう思うかというと、「しんどい」には「関西方言」、「おおきに」には「②『おおきにありがとう』の略。関西地方などで広く使われる」、「あかん」には(埒あかぬの略。多く関西で使う)などとあるのに、東京を含んだ地域の方言、「ふてる」、「うでる」などにはそのような注釈めいたものはなく、全国区の言葉と同じ扱いだからだ。
辞書をつくっている出版の編集部はほとんどが東京にあり、他府県に赴くこともあるだろうが、言葉集め作業の大半は東京だろう。そして、標準語として全国で使われている言葉と東京のローカル語をあまり区別していないように見える。東京以外で聞かない言葉であっても、東京で使われていれば、ほかにどこで使われているか調べずに標準語として扱っているのではないか。
さて、小学館の日本国語大辞典第2版(2001年)の「大阪鮨」には出典が3つも載っていた。
一番古いのは、 明治・大正時代の風俗研究グラフ誌「風俗画報」の160号(1898年)。「大阪鮨と称するものは酢飯に魚菜を刻み入れ五六寸許の函中に詰めならし圧平(おしひら)め取出し之を適宜に切或は上に葛餡を引て食料に供す」(*)と作り方を説明している。風俗画報は、日本橋区葺屋町(現在の人形町、堀留町)にあった東陽堂が発行していた。またも人形町だ。
2番目は近松秋江の小説「青草」(1914年)。「大きな硝子の箱の中に乾涸(ひから)びたような鯛の切身を張り付けた角(かく)い大阪寿しを二つ三つ並べている家・・・」と描写している。
最後は宮本百合子の自伝的小説「伸子」(1924~26年)。「大阪鮨をたべながら、」とある。
「伸子」に出てくる大阪鮨はどんな寿司か分からないが、風俗画報と青草の描写は箱寿司だ。どちらも箱寿司と書けばすむ、もしくは、箱寿司と書くべき所なのに、わざわざ大阪鮨(寿し)と書いている。まるで、筆者たち当時の東京人が箱寿司という言葉を知らなかったかのようだ。
1889年(明治22年)に「大坂すし」の店名で新聞広告を出していたのは長谷川町(現在の堀留町)の店。大阪から上京した日乃出寿司の創業者が大阪の寿司を盛り込んだ物を大阪ずしと命名して売り出したとされるのは1900年(明治33年)。
「伸子」で「大阪鮨」を食べているのは主人公・伸子の家を訪れた友人。なぜ唐突に大阪寿司が出てくるのかわからない。「チェーンのハンバーガーを食べながら」とか「デリバリーのピザを食べながら」とかごく日常的な風景の描写に過ぎないのかもしれない。
少なくとも、明治時代後半から大正時代の東京では大阪寿司と言えば大阪の箱寿司などを指す普通に誰にでも分かる言葉だったことになる。やはり、明治20年ごろに日本橋人形町辺りで生まれた造語なのだろう。
おもしろいことに、青草は大阪の温泉街を舞台にした小説だ。近松秋江は岡山出身で今の早稲田大学在学時に作家デビューした。例えれば、イラン出身で日本でデビューした作家が住んだこともないインドを舞台にした小説を書き、インド人の登場人物が「インドカレーを食べる」と書いているようなものだ。
この理由はいくつか考えられる。
まず、大学から東京で暮らしている近松秋江自体が東京の大阪寿司店で初めて箱寿司などを見たために、大阪では大阪寿司とは言わないことを知らなかったのかもしれない。
逆に、大阪では箱寿司などと言い、大阪寿司という言葉は大阪にはないと知っていたが、箱寿司と言っても東京の出版社の人間や読者には通じないと思ったから、あえて大阪寿司と書いた(あるいは編集者がダメ出しして直したかもしれない)ということもありうる。
鹿児島出身で、大学進学時に上京し、東京でデビューした作家が、広島を舞台にした小説を書き、登場人物が「広島焼きを食べる」と描写するようなことだ。広島県民がそれを読んだら怒るだろうが、「広島ではお好み焼きのことを広島焼きと言わない」ことを知らない大部分の読者は違和感を覚えないだろう。
(*)「ならし」は、金へんに平という漢字だが、PCでは表示できない。
◆インド名物はインドカレーと言われたような違和感 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/19/9776452
◆大阪のお寿司との違いは? 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/21/9777055
◆いつから使われ出した?「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(3)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/23/9777235
◆残る老舗3店 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(4)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/25/9777405
◆茶巾は東京生まれ 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/26/9778091
◆リトル大阪があった 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(6)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/30/9778999
◆ 消えた名店 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(7)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/03/9779832
◆確かにあった 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(8)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/07/13/9788348
「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(9)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/08/02/9793037
何が? ― 2025年08月20日 12:01
親の七光りとは失礼な カスゴダイ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(14) ― 2025年08月22日 16:24
カスゴ(春子)は、シンコ(新子)と並んで、マンガ「将太の寿司」が有名にした寿司ネタだろう。アンパンマンにとってのばいきんまん。ホームズにとってのモリアーティ。そんな存在が、高級寿司割烹「碧寿司(みどりずし)」の二代目店主兼寿司職人の紺屋碧悟(こうや へきご)だ。
初代の父は人格者だったが、息子の碧悟は腕はよくても傲慢かつ悪辣卑怯な性格。新人コンクールの将太との対戦で、テーマの光り物を買い占める。さらには、将太たちが自前で手に入れた黄金のサバを冷蔵庫の電源を切ってダメにしようとした。
しかし、自信満々に出したカスゴで敗れる。店の常連である上客に「今の君は親の七光りをまとっている未熟なカスゴでしかない」と酷評、絶縁を言い渡される。「全国のカスゴに謝れ」とつっこまれそうなひどい言いぐさだ。
さて、この作品では、カスゴは魚の王様マダイの子どものような印象を受けるが、本来のカスゴはチダイの幼魚だったとされる。マダイの幼魚よりチダイの幼魚の方が赤が鮮やかだからだ。将太の寿司は作者が熱心に調べて書いてるようだが、肝心なところで詰めが甘い。
ちなみに寿司大で「このカスゴは何の子どもですか?」と聞くと、「ハナダイです」。
ややこしい。ハナダイは関東ではチダイの別名なのだが、ヒメハナダイなど全く別なハナダイ科の魚がいる。
そして、今では、マダイやキダイの子どももカスゴという。
「網の中に一緒にかかる感じですか」
「マダイ、チダイ、キダイの幼魚が混ざっているけど、使われるのはチダイが一番。マダイの幼魚は色が鮮やかでない」
「だから、チダイは赤くなる仕組みがマダイと違うんじゃないかと思うんですよね」
「それは、ぼくも思った。今度調べてくださいよ」
宿題ができてしまった。
スズキ目タイ科チダイ属
◆今日の21貫
淡路島真鯛、秋刀魚、北海道のボタンエビ、シロギス、シンコ3尾付け、サゴシ、ウッカリカサゴ、鹿児島カンパチ、島根ヤリイカ、イワシ、北海道青柳、車海老醤油、茨城スミクイウオ、淡路島の釣り鯵、東京湾のアラ、東京湾のホウズキギンボ、北海道の生ニシン、春子鯛昆布〆、キス醤油、サゴシ腹醤油、ウニ、平目
◆そのほか
お通し 北海道の生ミズダコ
ツブ貝刺身
卵焼き、中落ち巻き
◆今日の酒
新政No.6、大信州
■のぶっこ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/01/20/9748644
■寒鰆(カンザワラ) ピンク色は赤身白身どっち? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/07/9753032
■豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外 曇りSAKE
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/13/9753885
■黒鮪(クロマグロ) 海の可変翼戦闘機 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(3) スズキ目サバ科マグロ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/27/9757648
■アイナメ(鮎魚女)飯泥棒みたいな二つ名 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(4)カサゴ目アイナメ科アイナメ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9757858
■初鰹は本当は旬ではない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9764356
■だいぶ遠い他人のアヤカリタイ 金目鯛 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(6)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/11/9767684
■本鱒(ホンマス) 区別に意味がないサケとマス 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(7)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/26/9771020
■ウッカリカサゴ、ユメカサゴ 仔魚を産むと思われていたのに 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(8)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/10/9774518
■鱚(キス) BSS(僕が先に好きだったのに) 白身は釣りたて締めたてはうまくない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(9)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/25/9778112
■塩も体の膜を通る 鱸(スズキ) 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(10)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/12/9782032
■豊洲一の人気店・寿司大とは 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/26/9784957
■寿司大ってどうやって入る? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/06/29/9785666
■新子(シンコ) 出世するほど評価が下がる 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(11)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/07/08/9787571
■ワラサ ハマチは禁句 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(12)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/07/26/9791486
■ニシン(鰊、鯡) 青魚は赤の他人のそら似 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(13)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/08/05/9794186
初代の父は人格者だったが、息子の碧悟は腕はよくても傲慢かつ悪辣卑怯な性格。新人コンクールの将太との対戦で、テーマの光り物を買い占める。さらには、将太たちが自前で手に入れた黄金のサバを冷蔵庫の電源を切ってダメにしようとした。
しかし、自信満々に出したカスゴで敗れる。店の常連である上客に「今の君は親の七光りをまとっている未熟なカスゴでしかない」と酷評、絶縁を言い渡される。「全国のカスゴに謝れ」とつっこまれそうなひどい言いぐさだ。
さて、この作品では、カスゴは魚の王様マダイの子どものような印象を受けるが、本来のカスゴはチダイの幼魚だったとされる。マダイの幼魚よりチダイの幼魚の方が赤が鮮やかだからだ。将太の寿司は作者が熱心に調べて書いてるようだが、肝心なところで詰めが甘い。
ちなみに寿司大で「このカスゴは何の子どもですか?」と聞くと、「ハナダイです」。
ややこしい。ハナダイは関東ではチダイの別名なのだが、ヒメハナダイなど全く別なハナダイ科の魚がいる。
そして、今では、マダイやキダイの子どももカスゴという。
「網の中に一緒にかかる感じですか」
「マダイ、チダイ、キダイの幼魚が混ざっているけど、使われるのはチダイが一番。マダイの幼魚は色が鮮やかでない」
「だから、チダイは赤くなる仕組みがマダイと違うんじゃないかと思うんですよね」
「それは、ぼくも思った。今度調べてくださいよ」
宿題ができてしまった。
スズキ目タイ科チダイ属
◆今日の21貫
淡路島真鯛、秋刀魚、北海道のボタンエビ、シロギス、シンコ3尾付け、サゴシ、ウッカリカサゴ、鹿児島カンパチ、島根ヤリイカ、イワシ、北海道青柳、車海老醤油、茨城スミクイウオ、淡路島の釣り鯵、東京湾のアラ、東京湾のホウズキギンボ、北海道の生ニシン、春子鯛昆布〆、キス醤油、サゴシ腹醤油、ウニ、平目
◆そのほか
お通し 北海道の生ミズダコ
ツブ貝刺身
卵焼き、中落ち巻き
◆今日の酒
新政No.6、大信州
■のぶっこ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)
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■寒鰆(カンザワラ) ピンク色は赤身白身どっち? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(2)
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■豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外 曇りSAKE
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■黒鮪(クロマグロ) 海の可変翼戦闘機 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(3) スズキ目サバ科マグロ属
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■アイナメ(鮎魚女)飯泥棒みたいな二つ名 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(4)カサゴ目アイナメ科アイナメ属
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■初鰹は本当は旬ではない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(5)
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■だいぶ遠い他人のアヤカリタイ 金目鯛 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(6)
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■本鱒(ホンマス) 区別に意味がないサケとマス 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(7)
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■ウッカリカサゴ、ユメカサゴ 仔魚を産むと思われていたのに 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(8)
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■鱚(キス) BSS(僕が先に好きだったのに) 白身は釣りたて締めたてはうまくない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(9)
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■塩も体の膜を通る 鱸(スズキ) 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(10)
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■豊洲一の人気店・寿司大とは 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外
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■寿司大ってどうやって入る? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外
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■新子(シンコ) 出世するほど評価が下がる 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(11)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/07/08/9787571
■ワラサ ハマチは禁句 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(12)
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■ニシン(鰊、鯡) 青魚は赤の他人のそら似 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(13)
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