不愉快だぞ、NHK!(3) 旬の意味も知らずに食の番組作ってるのか? ― 2018-11-262018年11月27日 00:10

 NHKのアニメ「英国一家、日本を食べる」の寿司の回の続き。前回、紹介した「江戸前LOVE」と連呼するラップ調の歌。そのタイトルは番組の原題と同じ「Sushi & Beyond」。それにはこんな歌詞もあった。

「旬のネタはいつも高騰」

 これ、まるっきり逆。旬というのは最盛期を意味する「盛り」とほぼ同義。魚介類や農作物がたくさん取れてもっともおいしく、もっとも安い時期をいう。ただし、ものによっては収穫の多い時期と一番おいしい時期が違う例外もある。
 また、初物好きの江戸っ子が、味はまだそれほどよくない初鰹を先を争って買うために高騰したなんてのもある。この場合は、盛りに対し、はしりという。はしりも含めて旬とみなす場合もある。
 従って、「旬のネタは安いことが多いが、例外的に高くなってるものもある」が正しい。「いつも高騰」は明らかな間違いだ。
 これがラッパーがコンサートで歌ってるなら目くじらを立てるようなことではない。しかし、日本の食文化を紹介する番組でこんな歌詞を平然と流すのはどうかしている。チェックして変えさせるべきだ。そもそもスタッフ自体、旬の意味を知らないから間違いに気づかなかったのだろう。

不愉快だぞ、NHK!(2)創業120年江戸前の老舗・浅草寿司清が本当に養殖魚を出してるの?2018年11月26日 07:59

 さて、前回に続き、NHKのアニメ「英国一家、日本を食べる」の話。寿司を取り上げた回があった。なにしろ、原作の原題は「Sushi & Beyond」(寿司、そして、その向こう側みたいな意味でしょうか)。
 で、本編のアニメ部分が終わった後、エンディングで浅草の老舗・寿司清の主人がいろいろなネタを握るのに合わせて、「江戸前LOVE」と連呼するラップ調の歌が流れるのだが。江戸前を真に愛する者にとっては聞き捨てならない歌詞の内容だった。
 春夏秋冬に応じたネタを握っていくのだが、
「実りの秋のおすすめは何? サーモン、サンマ、イクラ、・・・」
 サーモンは江戸前のネタじゃないし、秋の味覚でもないし。日本の伝統文化ではサケ・マス類を生で食べる習慣はなく、従って江戸前のネタにもない。寄生虫がヤバイからだ。
 寄生虫はサーモンが食べるオキアミなどの中にいる。エサを管理して養殖することで生で食べられるノルウェー産のアトランティックサーモンなどが日本に入ってくるようになった。養殖なので基本1年中、手に入る。
 また、最近はニジマスなどを海で養殖した国内のご当地サーモンも盛んだ。こちらは夏が出荷最盛期のものが多い。
 いわゆる日本の鮭(シロサケ、秋味)は水温の関係で海での養殖が難しく、養殖物はない。
 こんな基本知識もないスタッフが日本の食文化への知識を深める番組を作ろうとは片腹痛い。
 ところで、江戸前の老舗は天然物しか握らないのが矜持だったはず。寿司清では本当に養殖魚のサーモンを出しているのだろうか。だとしたら、時代もずいぶん変わったものだ。私はサーモンを出すような所は江戸前ではないと思うし、そんな所に行きたくない。
 もし、サーモンなんか握ってないし、出してもいないのに、勝手にあんな歌詞を付けたのだとしたら、撮影に協力してもらったのに、営業妨害も甚だしい。