高山の酒中の仙 私が会ったノーベル受賞者12020年11月13日 15:49

高山の酒中の仙 私が会ったノーベル受賞者1
小柴昌俊さんに初めて会ったのは、ノーベル賞受賞より数年前の小柴さんが71歳の時。岐阜県高山市の国際ニュートリノ会議。早朝、会場外でぽつんとベンチに座っていたので、隣に座って質問した。「アメリカに同じ研究をしている競争者がいたのに、どうして日本のチームは勝つ事ができたんですか?」「アメリカは既製品の光電子増倍管を使っていた。日本は浜松フォトニクスが特注で、大きいのを作った。増倍管の数やプールの水量は少なくてもより多くの微弱な光を捉えられる」。そのご様子は、二日酔いではなく、どう見ても朝から聞こし召してるとしか思えない。健康問題があって晩年は酒を断たれたそうで、ノーベル賞決定後に会った時はシャキッとされておられたが。

ノーベル化学賞 ゲノム編集なら3人目はチェンではないだろう2020年10月07日 10:45

ノーベル化学 ゲノム編集なら3人目はチェンではないだろう
 ノーベル賞の大本命と何年も前から言われているゲノム編集技術「CRISPR Cas9」の生みの親、シャルパンティエとダウドナ。医学生理学だけでなく、化学賞でも有力視されている。ほとんどの新聞、科学雑誌、ネットの予想屋は、3人目は、アメリカ人のフェン・チャンを挙げている。シャルパンティエ、ダウドナがゲノム編集技術を発表した翌年、これが人間の遺伝子編集にも使える事を2人よりちょっとだけ早く発表した。
 確かに化学賞はそういう応用の人にも授賞する。だが、誰が最初にアイデアを考えたかというオリジナリティを非常に重視する点は物理や医学と同じ。シャルパンティエ、ダウドナのゲノム編集技術は第3世代で、その基本的アイデアは第1世代と同じ。第1、第2世代より簡単・便利だから爆発的に広まった。だから、シャルパンティエ、ダウドナと共同受賞するのはチャンではなく、第1世代のゲノム編集技術を開発したSrinivasan Chandrasegaranになるだろう。もし、予想が外れたら、なぜチャンなのか、ノーベル委員会の背景説明をじっくり読みたい。

本当ならホーキングの共同ノーベル賞?2020年10月06日 19:13

本当ならホーキングの共同ノーベル賞?
物理学賞はブラックホールのペンローズか。本当ならホーキングも取っていいのでは。
今年は一番解説が面倒な物性物理から出ると言われてたが。観測と理論の違いがあるが、宇宙が2年連続とは。記事を書く人間は分かりやすくて楽でいい。ブラックホールの崩壊の観測でも少し前に出ているし、物理は選考委員の好みに偏るのか似た分野が続く事がある。
 後の2人は、クエーサー(超遠方銀河の中心核)には超巨大ブラックホールがあると観測結果から言った人たちだね。

ノーベル賞 この人はすごい 私以外誰も推してないけど2020年10月06日 16:31

ノーベル賞 この人はすごい 私以外誰も推してないけど  どこの予想にも出てこない、プロの研究者はともかく、科学ジャーナリズムではおそらく誰も名前を挙げてないノーベル賞候補。素粒子物理学の柳田務さんを推す。といっても、今年という事はないだろうが。  日本の業績で、自然科学系のノーベル賞は24人になる。初受賞の湯川博士から朝永、南部、小林、益川さんと5人も素粒子理論の受賞者がいる。近年は、素粒子実験の小柴さんや梶田さん、実用的な発明の青色LED、リチウムイオン電池などお家芸の素粒子理論はやや影が薄い。  そんな中、柳田さんのシーソー機構はすごい。説明は難しいというか、よく分からない。  さて、現代の物理学の基本(標準理論)では、この宇宙のすべての物質は12種類の基本粒子でできているとしている。電子、クオーク、ニュートリノなどだ。その中で、ニュートリノだけ奇妙なのだ。我々の体などの元になる原子は電子、アップクオーク、ダウンクオーク、電子ニュートリノの4種類からできていて、これら4個の基本粒子を第1世代という。これら2つのクオークの重さは電子の5倍、9倍ぐらいなのだが、ニュートリノの重さだけ電子の何百万分の1以下。まだ、正式には重さが決まっていないが、これまでの観測結果から重さの上限は電子の200万分の1以下。なぜニュートリノだけがこんなに違うのか。晩年の南部陽一郎博士もテーマにしていた。  シーソー機構では、まだ見つかっていない非常に重いニュートリノがあると仮定する。このニュートリノが重いほど今見つかっているニュートリノが軽くなる。一方が上がるほどもう片方が下がる仕組みなので、シーソー機構、シーソー理論などと名付けた。これだけだと大したことがないように見えるが、実は、現代の物質の究極に挑む素粒子理論が抱える根幹の問題に関わっている。
 どこの予想にも出てこない、プロの研究者はともかく、科学ジャーナリズムではおそらく誰も名前を挙げてないノーベル賞候補。素粒子物理学の柳田務さんを推す。といっても、今年という事はないだろうが。
 日本の業績で、自然科学系のノーベル賞は24人になる。初受賞の湯川博士から朝永、南部、小林、益川さんと5人も素粒子理論の受賞者がいる。近年は、素粒子実験の小柴さんや梶田さん、実用的な発明の青色LED、リチウムイオン電池などが続き、お家芸の素粒子理論はやや影が薄い。
 そんな中、柳田さんのシーソー機構はすごい。説明は難しいというか、よく分からない。
 さて、現代の物理学の基本(標準理論)では、この宇宙のすべての物質は12種類の基本粒子でできているとしている。電子、クオーク、ニュートリノなどだ。その中で、ニュートリノだけ奇妙なのだ。我々の体などの元になる原子は電子、アップクオーク、ダウンクオーク、電子ニュートリノの4種類からできていて、これら4個の基本粒子を第1世代という。これら2つのクオークの重さは電子の5倍、9倍ぐらいなのだが、ニュートリノの重さだけ電子の何百万分の1以下。まだ、正式には重さが決まっていないが、これまでの観測結果から重さの上限は電子の200万分の1以下。なぜニュートリノだけがこんなに違うのか。晩年の南部陽一郎博士もテーマにしていた。
 シーソー機構では、まだ見つかっていない非常に重いニュートリノがあると仮定する。このニュートリノが重いほど今見つかっているニュートリノが軽くなる。一方が上がるほどもう片方が下がる仕組みなので、シーソー機構、シーソー理論などと名付けた。これだけだと大したことがないように見えるが、実は、現代の物質の究極に挑む素粒子理論が抱える根幹の問題に関わっている。
 ノーベル賞に届くにはもっと実験的裏付けが必要だが、アイデアとしてのインパクトが十分ある。道しるべになる業績。とりあえず、プロの研究者でなくても推薦できる賞に推しておいたのたが。

HCVの発見 分かりやすくて楽 ノーベル医学生理学賞2020年10月05日 18:40

これは原稿書きやすくて分かりやすくて楽で良い
日本には約200万人のC型肝炎ウイルス(HCV)感染者がいるとされ、日本人の肝臓がんの原因の7割をしめる。近年、特効薬が開発され、肝臓がんの死者は激減している、
とか勧進帳でも書ける。

ノーベル賞大本命だが3人目の予想が本筋かも ゲノム編集2020年10月05日 14:20

ノーベル賞大本命だが3人目の予想が本筋かも ゲノム編集
 ここ数年、ノーベル医学生理学賞(または化学賞)の大本命に上がっているのが、ゲノム編集技術のシャルパンティエ、ダウドナの2人。一時の山中さんのiPS細胞並みに受賞間違いなしと言われてます。今年になるか、来年になるかは分からないが、予想が当たっても少しも自慢になりません。でも、3人目の予想が意外に当たりにくいと思います。
 多くのマスメディアや予想サイトはアメリカ人のフェン・チャンを3人目に挙げてます。シャルパンティエ、ダウドナがCRISPR Cas9というゲノム編集技術を発表した翌年、これが人間の遺伝子編集にも使える事を2人よりちょっとだけ早く発表した研究者です。
 しかし、この人選には問題があります。
そこで、私の予想は、もしも医学生理学賞ならば、タイトルは「ゲノム編集技術の開発」ではなく、「細菌の防御機構の発見と解明」(Discovery and elucidation of bacterial immune system)となり、3人目はこの発見の元になったダニスコという食品会社の研究者になるのではないか。最初に見つけて報告した石野良純・九州大教授に期待する声もありますが、見つけた後、その意味を解明する仕事に関わらなかったのが厳しい。いずれにせよ、バクテリアにも我々の獲得免疫と似た感染防御機構があるという発見をした流れの中で、貢献の大きい人物が選ばれるのではないかと。
 もしも下馬評通りチャンだったら、その理由を読み込んでみるとしましょう。
ゲノム編集授賞のややこしい問題はこちら↓

ノーベル予想 ゲノム編集名目では出ない タイトルを変えてくるのでは
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2019/10/03/9160738

ゲノム編集のノーベル受賞 3人目は? チャンをあえて外す
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2019/10/07/9162140

こんなノーベル賞解説がほしい ゲノム編集の背景
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2019/10/07/9162286

ノーベル賞 今年の日本授賞は2020年10月02日 13:27

ノーベル賞 今年の日本授賞は
来週から始まるノーベル賞受賞者発表。各紙の予想が出そろった。日本人に関してはもう何年も代わり映えしない。もっとも期待されているのが医学生理学の京大・森和俊教授と阪大・坂口志文教授。どちらもふさわしい業績なのだが、森さんの場合、その元になる業績がまだ受賞していない。森さんに出すと、「ゴムを発明した人に授賞してないのに、タイヤを発明した人に先に授賞するのか」みたいな事になる。物理ではそういう順番が逆という事があるが、医学はそのへんきっちり順番を守っている。坂口さんは免疫学で、免疫では2018年に出たばかりなのでもう少し先ではないかと。やはり、物理だと極低温という同じ分野ばかり続いた事があるが、医学はわりと散らしている。
 なんと言っても、医学はゲノム編集のシャルパンティエ、ダウドナという大本命がいる。
 物理ではいろいろ名前が挙がっているが、筋がいいと思うのはネオジム磁石の佐川真人さん。ただ青色LEDやリチウムイオン電池ほど社会になくてはならないものかどうかは疑問。化学では、村井眞二阪大名誉教授の業績が光っている。だが、後続の広がりがもう少し必要だろう。
 田中耕一さんのようなノーチェックのダークホースは別として、今年は厳しいかも。

データ見逃しでノーベル逃した米国人 惑星発見の物理学賞2019年10月11日 16:13

 今年のノーベル物理学賞が決まったジュネーブ大と同じ頃に同じ方法の観測をしていたグループは他にもあった。ノーベル賞サイトの解説にも出てくるカリフォルニア州立大サンフランシスコ校やUCバークレーのグループ。観測している恒星数などはジュネーブ大より豊富だっただろうから、先入観を持たず、無心にデータと向き合っていたら、受賞者は変わっていたかも。
 惑星を直接見るのは難しいので、ジュネーブ大などの研究者は間接的な方法で探した。それはこんな方法。木星を凌ぐような巨大な惑星であれば、恒星の方も惑星からの引力の影響を受けるので、我々から見て、惑星が恒星の前に来た時と、後ろに来た時で、恒星がほんの少しだけ前後に動く。この前後のゆれの速度をドップラー効果という方法で測った。
 ちなみに当時、「数十光年離れたところにある超巨大なものがカール・ルイスぐらいの速さで前後に動くのを測るという超精密測定だ」と書いた。これは今となっては例えが古い。
 ただし、この方法は地球のような小さな惑星では軽すぎて恒星がほとんど動かないので測定は無理。また、惑星の軌道が我々視線方向に対して水平に近ければいいが、垂直に近いとほとんど観測できない。それでも、近場の恒星を手当たり次第に調べてればいつかは当たるだろうと。
 木星だと1周に12年もかかるので、どのグループも観測には何年もかかるだろうと気長にデータを貯めていた。そんな中、ノーベル賞に決まったジュネーブ大のグループが、ある時、地球から約40光年離れた恒星「ペガスス座51」のデータに小刻みなゆれがある事に気づいた。実は猛スピードで回っている惑星があって、何と4日で1周していたのだ。ジュネーブ大の発見を聞いて、カリフォルニア州立大サンフランシスコ校のグループが1987年から貯めていた自分たちのデータを調べたら同じように惑星が次々に見つかった。

ノーベルは本当に公平だなと グッドイナフ単独と思ってた 吉野さん受賞決定2019年10月09日 19:18

 めぼしい日本人候補がはけていく中で、リチウムイオン電池は別格。これがなけりゃアイホンもスマホもないんだから、インパクトは青色LED以上というのは分かっていた。が、グッドイナフ氏単独だと思っていた。だって、「リチウムイオン」の電池だから。簡単に言うと、リチウムイオン電池の正極リチウムの方を作ったのがグッドイナフ。炭素材料で負極を作ったのが吉野彰さん。吉野さんには1回だけ話を聞きに行った事がある。
 こうしてみると、ヨーロッパは、そして、何よりノーベル委員会は科学に対して公平だなと。人種、地域関係ない。それに比べ、アメリカの有名な賞はやはりアメリカ人に有利。

毎年ノーベル的中のケムステ 分野予想は毎回はずれで改良2019年10月09日 18:17

ケムステという化学専門サイトのノーベル賞予想。毎年、化学賞の業績内容を説明するノーベル選考委員の解説者を的中させている。業績はその解説者の専門に割と近い分野というのも的中させている。ところが、肝心のまさに受賞した分野そのものは毎回はずしている。
 そして、今年は戦略を変えている。解説者は自分の専門ともろにかぶる人は避け、近いけどちょっと離れた分野になるのではないかと言うのだ。
 今年の解説者予想1位Åqvist氏の専門は京大にも該当者がいるバイオインフォマティクス。だが、ケムステはあえてそれをはずし、たんぱく質とたんぱく質の反応と読んでいる。具体的名前は挙げてないが、すると、京大の森和俊教授やゲノム編集のシャルパンティエ、ダウドナにも可能性がありそうだ。フェン・チャンははずれて第1世代のゲノム編集を開発した人が入るだろうというのは前に書いたとおり。
 解説者の2番手候補は有機合成が専門。そうすると日本人はたくさんいる。阪大の村井教授と慶応大の垣内教授、微生物化学研究所の柴崎所長、名古屋の山本尚教授などだ。