海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ! ― 2025年05月01日 18:42
ネットで海鮮丼の白飯派と酢飯派のせめぎ合いを見かける。大抵の人が「どっちでも好きな方を好きなように食べればいいじゃん」という態度だと思う。が、「本来は○○の方が正当」、「海鮮丼の王道は○○」と王道や正当を持ち出されると、そっちじゃない方を好きな人が「□□は邪道ではない」と反発するというシステム。
海鮮丼の起源については、定食屋発祥説と寿司屋発祥説がある。
北国の漁師町で、地場で捕れる海産物を漁師や町の人が丼飯に乗せて食べていたのが定食屋のメニューになったという説。定食屋には酢飯がないのが普通だから、定食屋起源なら当然白飯海鮮丼だったはず。
一方、江戸前の寿司屋のちらし寿司が発展して生まれたという説。当然、寿司屋にある酢飯を使った酢飯海鮮丼だったはず。
日本人は食文化のルーツ、どの店で誰が発明したかに関するこだわりが非常に強い国民だ。いまだに定説がないということは、特定の店で誰が発明したということはなく、同時多発的に発生し、定食屋発祥と寿司屋発祥の両方が独立にあったのだろう。
寿司屋で海鮮丼というものがあるから、定食屋でも白飯で作ってみようと真似したなどということはなく、定食屋で海鮮丼というメニューがあるから、寿司屋でも酢飯で作ってみようと真似したということもない。どちらかがルーツでもう一方が導入した物ではないってことだ。
白飯派からよく出てくる理屈は、「海鮮丼の白飯を酢飯にしたら、それは海鮮丼ではなく、ちらしになる」というもの。酢飯の海鮮丼はちらしと同じであり、海鮮丼ではなく、海鮮ちらしなどと呼ぶべきだということだ。
これは寿司を知らない人の理屈。
すし技術教科書<江戸前ずし編>によると、江戸前のちらしずしとは「すし飯の上に種々の具をちらしたもの」だ。「にぎりずしの場合には、タネに一定の寸法があるが、ちらしにはきまりがないので、にぎりずしには半端な部分や手クズを利用することができる」と書いてある。
また、「ちらしに入れるタネには、握りのタネにならない半端や手クズをできるだけ活用する。そこで、手クズや半端のタネを、体裁よくみせるためには、切りっぱなしにしないで、少し飾りの包丁を入れる工夫が必要だ」ともある。
「とくに形のきまりはないが、一般的なちらしは、丸か角の塗りの蓋物を用いるのが普通である」という記述もある。
さて、「寿司屋が始めた海の丼・海鮮丼フランチャイズの丼丸」というテイクアウト専門店のサイトを見ると、海鮮丼とちらしの両方がメニューにある。そこで、買いに行ってみた。どう違うのか聞くと、「生の魚介だけを使ったのが海鮮丼、卵焼きや煮物など火の通った具材も使っているのがちらし」だそうだ。
まとめると、ちらしと酢飯海鮮丼を見分けるには、
1)形や大きさに決まりのない具材を酢飯の上に散らしてあるのがちらし。形や大きさをそろえて切った刺し身などの具材を盛りつけてあるのが海鮮丼。
2)飾り切りなど具材に寿司職人の技を入れているのがちらし。切っただけなのが海鮮丼。
3)火の通った具材も使うのがちらし。生の魚介だけを使うのが海鮮丼。
4)塗りの蓋物を使うか、丼を使うか(丼も蓋をすれば蓋物だけどね)。
といくつかのポイントがある。すべてが同じ一方になっていれば、ちらしか酢飯海鮮丼かはっきりするが、混合だとどっちとも言え、店によって判断が違ってくるわけだ。
元々のちらしは、半端や手クズを使っていたから握りより低価格でお得なメニューだった。しかし、世の常で、ちらしもわざわざそのために具材を用意するようになり、最初は小さかった具材も大きく、豪華になり、値段が上がるとともに、大きいので具材を酢飯の上に散らしにくくなる。そうやって生まれたのが酢飯を使う寿司屋の海鮮丼だろう。
さて、気づいている人も多いと思うが、「王道説」などを掲げるのはほとんどが白飯派だ。理由は、おそらく「王道」や「本来」、「正当」などに縋るしか寄る辺がないからだろう。リアル世界で白飯派は劣勢だからだ。
どちらが好きかをアンケートすると、7:3で酢飯派が圧勝。
さらに、プロの料理人からの厳しい声もある。温かい白飯の上に生の海鮮を乗せることは、味の面でも衛生面でもありえないというのだ。
また、白飯は冷めると硬くなってしまう。酢飯は酢と砂糖で米をコーティングすることで、冷めても硬くならない工夫なのだ。
以前、コンビニ本部のプロに聞いたところ、おにぎりや弁当などの白飯が硬くならない許容温度は16度で、マージンをとって輸送車や店頭の陳列などは20度に保っているそうだ。また、マグロなどの状態が悪くならない許容温度は5度だそうだ。つまり、この温度差の壁をやり過ごすため、海鮮丼白飯派は、ほどほどに冷ました白飯の上に生の海鮮が乗った瞬間から提供されるまでの時間も含めて、急いで食べる戦いをしなければならない。
白飯派は背負ってるハンディが多いので、どうしても、「王道は」とか「本来は」とか言いたくなってしまうのだろう。
ちっとも終止符を打ってないじゃないかって?
お堅い新聞やNHKのニュースじゃない。地下鉄の吊り広告(釣り広告じゃないよ)にとりあえず「終止符を打つ!」と打っておけば実売部数が伸びるという雑誌の手法と同じ。
海鮮丼の起源については、定食屋発祥説と寿司屋発祥説がある。
北国の漁師町で、地場で捕れる海産物を漁師や町の人が丼飯に乗せて食べていたのが定食屋のメニューになったという説。定食屋には酢飯がないのが普通だから、定食屋起源なら当然白飯海鮮丼だったはず。
一方、江戸前の寿司屋のちらし寿司が発展して生まれたという説。当然、寿司屋にある酢飯を使った酢飯海鮮丼だったはず。
日本人は食文化のルーツ、どの店で誰が発明したかに関するこだわりが非常に強い国民だ。いまだに定説がないということは、特定の店で誰が発明したということはなく、同時多発的に発生し、定食屋発祥と寿司屋発祥の両方が独立にあったのだろう。
寿司屋で海鮮丼というものがあるから、定食屋でも白飯で作ってみようと真似したなどということはなく、定食屋で海鮮丼というメニューがあるから、寿司屋でも酢飯で作ってみようと真似したということもない。どちらかがルーツでもう一方が導入した物ではないってことだ。
白飯派からよく出てくる理屈は、「海鮮丼の白飯を酢飯にしたら、それは海鮮丼ではなく、ちらしになる」というもの。酢飯の海鮮丼はちらしと同じであり、海鮮丼ではなく、海鮮ちらしなどと呼ぶべきだということだ。
これは寿司を知らない人の理屈。
すし技術教科書<江戸前ずし編>によると、江戸前のちらしずしとは「すし飯の上に種々の具をちらしたもの」だ。「にぎりずしの場合には、タネに一定の寸法があるが、ちらしにはきまりがないので、にぎりずしには半端な部分や手クズを利用することができる」と書いてある。
また、「ちらしに入れるタネには、握りのタネにならない半端や手クズをできるだけ活用する。そこで、手クズや半端のタネを、体裁よくみせるためには、切りっぱなしにしないで、少し飾りの包丁を入れる工夫が必要だ」ともある。
「とくに形のきまりはないが、一般的なちらしは、丸か角の塗りの蓋物を用いるのが普通である」という記述もある。
さて、「寿司屋が始めた海の丼・海鮮丼フランチャイズの丼丸」というテイクアウト専門店のサイトを見ると、海鮮丼とちらしの両方がメニューにある。そこで、買いに行ってみた。どう違うのか聞くと、「生の魚介だけを使ったのが海鮮丼、卵焼きや煮物など火の通った具材も使っているのがちらし」だそうだ。
まとめると、ちらしと酢飯海鮮丼を見分けるには、
1)形や大きさに決まりのない具材を酢飯の上に散らしてあるのがちらし。形や大きさをそろえて切った刺し身などの具材を盛りつけてあるのが海鮮丼。
2)飾り切りなど具材に寿司職人の技を入れているのがちらし。切っただけなのが海鮮丼。
3)火の通った具材も使うのがちらし。生の魚介だけを使うのが海鮮丼。
4)塗りの蓋物を使うか、丼を使うか(丼も蓋をすれば蓋物だけどね)。
といくつかのポイントがある。すべてが同じ一方になっていれば、ちらしか酢飯海鮮丼かはっきりするが、混合だとどっちとも言え、店によって判断が違ってくるわけだ。
元々のちらしは、半端や手クズを使っていたから握りより低価格でお得なメニューだった。しかし、世の常で、ちらしもわざわざそのために具材を用意するようになり、最初は小さかった具材も大きく、豪華になり、値段が上がるとともに、大きいので具材を酢飯の上に散らしにくくなる。そうやって生まれたのが酢飯を使う寿司屋の海鮮丼だろう。
さて、気づいている人も多いと思うが、「王道説」などを掲げるのはほとんどが白飯派だ。理由は、おそらく「王道」や「本来」、「正当」などに縋るしか寄る辺がないからだろう。リアル世界で白飯派は劣勢だからだ。
どちらが好きかをアンケートすると、7:3で酢飯派が圧勝。
さらに、プロの料理人からの厳しい声もある。温かい白飯の上に生の海鮮を乗せることは、味の面でも衛生面でもありえないというのだ。
また、白飯は冷めると硬くなってしまう。酢飯は酢と砂糖で米をコーティングすることで、冷めても硬くならない工夫なのだ。
以前、コンビニ本部のプロに聞いたところ、おにぎりや弁当などの白飯が硬くならない許容温度は16度で、マージンをとって輸送車や店頭の陳列などは20度に保っているそうだ。また、マグロなどの状態が悪くならない許容温度は5度だそうだ。つまり、この温度差の壁をやり過ごすため、海鮮丼白飯派は、ほどほどに冷ました白飯の上に生の海鮮が乗った瞬間から提供されるまでの時間も含めて、急いで食べる戦いをしなければならない。
白飯派は背負ってるハンディが多いので、どうしても、「王道は」とか「本来は」とか言いたくなってしまうのだろう。
ちっとも終止符を打ってないじゃないかって?
お堅い新聞やNHKのニュースじゃない。地下鉄の吊り広告(釣り広告じゃないよ)にとりあえず「終止符を打つ!」と打っておけば実売部数が伸びるという雑誌の手法と同じ。
白飯海鮮丼を食す 「海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!」(続) ― 2025年05月04日 11:33
行きつけの居酒屋で、白飯の海鮮丼を食べた。
寝返ったわけではない。そもそもが自分は酢飯絶対視派ではない。
あえて言うなら、「丼を名乗るなら、酢飯でなくてもいいから、ご飯に何か味を付けてほしい派」。
この居酒屋では、醬油とみりん、日本酒を合わせ、2分の1ぐらいまで煮詰めたものに昆布や鰹の出汁を使ったオリジナルのタレをかけている。
よく海鮮丼白飯派が言う屁理屈に、天丼や牛丼に酢飯を使わないのと同じで、海鮮丼も白飯を使うのが正しいというものがある。いや、天丼などの白飯には甘い丼つゆをかけるんだから、酢飯にしたらけんかするに決まってる。
そんなのソースのかかったとんかつに、さらにマヨネーズやドレッシングをかけるようなもの。味は1つでいい。
丼飯の上にただ具材を乗せただけでなく、ごはんに味がついているのが丼物の醍醐味だ。
まとめ
1)海鮮丼のルーツには北国で定食屋が地場の新鮮な魚介を丼の白飯に乗せて出したものと、江戸前の寿司屋でちらしから派生した酢飯のものと2つがあり、出自の違うものに同じ名前が付いてることが混乱を招いている。どっちが特に王道ということはない。
2)ちらしと酢飯の海鮮丼は同じではない。ちらしは半端や手クズも含め、大きさや形に決まりのない具材に飾り切りなどの技を入れ、酢飯の上に散らしたもの(江戸前の場合。関西では酢飯に具材を混ぜ込む)。海鮮丼は形や大きさをそろえて切っただけの具材を酢飯の上に盛りつけたもの。両者の特徴が混ざったようなものはどちらとも言え、店によって呼び方が違う。
3)プロの料理人は、温かい白飯に生の海鮮を乗せることや冷えた白飯を使うことには否定的。
写真はオリジナルのタレを使った白飯海鮮丼。具は、メジナとイシガキダイ。
◆海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/01/9772379
寝返ったわけではない。そもそもが自分は酢飯絶対視派ではない。
あえて言うなら、「丼を名乗るなら、酢飯でなくてもいいから、ご飯に何か味を付けてほしい派」。
この居酒屋では、醬油とみりん、日本酒を合わせ、2分の1ぐらいまで煮詰めたものに昆布や鰹の出汁を使ったオリジナルのタレをかけている。
よく海鮮丼白飯派が言う屁理屈に、天丼や牛丼に酢飯を使わないのと同じで、海鮮丼も白飯を使うのが正しいというものがある。いや、天丼などの白飯には甘い丼つゆをかけるんだから、酢飯にしたらけんかするに決まってる。
そんなのソースのかかったとんかつに、さらにマヨネーズやドレッシングをかけるようなもの。味は1つでいい。
丼飯の上にただ具材を乗せただけでなく、ごはんに味がついているのが丼物の醍醐味だ。
まとめ
1)海鮮丼のルーツには北国で定食屋が地場の新鮮な魚介を丼の白飯に乗せて出したものと、江戸前の寿司屋でちらしから派生した酢飯のものと2つがあり、出自の違うものに同じ名前が付いてることが混乱を招いている。どっちが特に王道ということはない。
2)ちらしと酢飯の海鮮丼は同じではない。ちらしは半端や手クズも含め、大きさや形に決まりのない具材に飾り切りなどの技を入れ、酢飯の上に散らしたもの(江戸前の場合。関西では酢飯に具材を混ぜ込む)。海鮮丼は形や大きさをそろえて切っただけの具材を酢飯の上に盛りつけたもの。両者の特徴が混ざったようなものはどちらとも言え、店によって呼び方が違う。
3)プロの料理人は、温かい白飯に生の海鮮を乗せることや冷えた白飯を使うことには否定的。
写真はオリジナルのタレを使った白飯海鮮丼。具は、メジナとイシガキダイ。
◆海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/01/9772379
海鮮丼とちらし寿司を見分けるスコア 海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!(続々) ― 2025年05月07日 12:12
5.5点 江戸前のちらし寿司
4だけ海鮮丼側の4.5点 海鮮ちらし
4点以上 ちらし寄り
2~3.5点 どちらとも決めにくい 店の判断次第
1.5点以下 海鮮丼寄り
0点 海鮮丼
この分類は、江戸前(*)のちらし寿司から派生した酢飯の海鮮丼のことであり、白飯を使っている定食屋のものはこのスコアに関係なく生の海鮮を乗せていれば全部、海鮮丼だろう。
5の入れ物は、さほど重要でなく、持ち帰りの場合、どちらでもないプラスチックの入れ物に入っているちらし寿司や海鮮丼もある。また、ちらしという名称から分かる通り、特に重要なのは3だ。
単に海鮮丼と言うと、土台が酢飯なのか白飯なのかわかりにくいので、客が混乱しないよう、特徴的に酢飯の海鮮丼であっても、あえて、ちらしと呼ぶ店もあるかもしれない。
また、酢飯の上に具材を散らしてあって、いかにもちらし寿司な見た目なのに、海鮮丼と呼んでる店もある。
(*)関西のちらし寿司や家庭で作るちらし寿司は、具材を酢飯の中に混ぜ込む。ちらし寿司のルーツは、岡山県のばら寿司という説が有力だ。関西ではばらちらしという呼び方もある。江戸前のちらし寿司は元々吹き寄せとも呼ばれていた。
<再掲>
すし技術教科書<江戸前ずし編>によると、江戸前のちらしずしとは「すし飯の上に種々の具をちらしたもの」。「にぎりずしの場合には、タネに一定の寸法があるが、ちらしにはきまりがないので、にぎりずしには半端な部分や手クズを利用することができる」と書いてある。
また、「ちらしに入れるタネには、握りのタネにならない半端や手クズをできるだけ活用する。そこで、手クズや半端のタネを、体裁よくみせるためには、切りっぱなしにしないで、少し飾りの包丁を入れる工夫が必要だ」ともある。
「とくに形のきまりはないが、一般的なちらしは、丸か角の塗りの蓋物を用いるのが普通である」という記述もある。
「寿司屋が始めた海の丼・海鮮丼フランチャイズの丼丸」というテイクアウト専門店のサイトを見ると、海鮮丼とちらしの両方がメニューにある。そこで、買いに行ってみた。どう違うのか聞くと、「生の魚介だけを使ったのが海鮮丼、卵焼きや煮物など火の通った具材も使っているのがちらし」だそうだ。
◆海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/01/9772379
◆白飯海鮮丼を食す 「海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!」(続)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/04/9773124
4だけ海鮮丼側の4.5点 海鮮ちらし
4点以上 ちらし寄り
2~3.5点 どちらとも決めにくい 店の判断次第
1.5点以下 海鮮丼寄り
0点 海鮮丼
この分類は、江戸前(*)のちらし寿司から派生した酢飯の海鮮丼のことであり、白飯を使っている定食屋のものはこのスコアに関係なく生の海鮮を乗せていれば全部、海鮮丼だろう。
5の入れ物は、さほど重要でなく、持ち帰りの場合、どちらでもないプラスチックの入れ物に入っているちらし寿司や海鮮丼もある。また、ちらしという名称から分かる通り、特に重要なのは3だ。
単に海鮮丼と言うと、土台が酢飯なのか白飯なのかわかりにくいので、客が混乱しないよう、特徴的に酢飯の海鮮丼であっても、あえて、ちらしと呼ぶ店もあるかもしれない。
また、酢飯の上に具材を散らしてあって、いかにもちらし寿司な見た目なのに、海鮮丼と呼んでる店もある。
(*)関西のちらし寿司や家庭で作るちらし寿司は、具材を酢飯の中に混ぜ込む。ちらし寿司のルーツは、岡山県のばら寿司という説が有力だ。関西ではばらちらしという呼び方もある。江戸前のちらし寿司は元々吹き寄せとも呼ばれていた。
<再掲>
すし技術教科書<江戸前ずし編>によると、江戸前のちらしずしとは「すし飯の上に種々の具をちらしたもの」。「にぎりずしの場合には、タネに一定の寸法があるが、ちらしにはきまりがないので、にぎりずしには半端な部分や手クズを利用することができる」と書いてある。
また、「ちらしに入れるタネには、握りのタネにならない半端や手クズをできるだけ活用する。そこで、手クズや半端のタネを、体裁よくみせるためには、切りっぱなしにしないで、少し飾りの包丁を入れる工夫が必要だ」ともある。
「とくに形のきまりはないが、一般的なちらしは、丸か角の塗りの蓋物を用いるのが普通である」という記述もある。
「寿司屋が始めた海の丼・海鮮丼フランチャイズの丼丸」というテイクアウト専門店のサイトを見ると、海鮮丼とちらしの両方がメニューにある。そこで、買いに行ってみた。どう違うのか聞くと、「生の魚介だけを使ったのが海鮮丼、卵焼きや煮物など火の通った具材も使っているのがちらし」だそうだ。
◆海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/01/9772379
◆白飯海鮮丼を食す 「海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!」(続)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/04/9773124
ウッカリカサゴ、ユメカサゴ 仔魚を産むと思われていたのに 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(8) ― 2025年05月10日 01:57
うっかりカサゴと間違えそうなくらいカサゴによく似ているから。目が光を反射すると七色に光って夢を見ているようだから。そんな俗説がある。
さて、両者を並べて、まず塩で。塩がなじむまで少し待つ。微妙に味が違うが、それを区別する表現力がない。
最後にチユと並べて醬油で食べてみたが、やはり、表現力が。
カサゴやメバルの属するメバル科の魚は、メスが受精卵を抱え体内で孵化して稚魚の形で産む。卵胎生という珍しい性質だ。哺乳類などの普通の胎生と何が違うかというと、哺乳類の母仔のようにへその緒でつながっていない。哺乳類の胎児はへその緒を通していろいろ栄養などをもらって育つが、卵胎生の場合、卵を養分にして自力で育つ。
ユメカサゴも卵胎生だと思われていたが、卵で産むことが確認され、定説が覆った。
スズキ目メバル科カサゴ属、ユメカサゴ属
◆今日の24貫
塩アラ、ウッカリカサゴ、ユメカサゴ、カツオ、スミクイウオ、クロムツ、真鯛、式根島たかべ、タチウオ、平目、ホタルイカ軍艦、サワラ、エボダイ、コハダ、キンメダイ、イクラ、チヌ、うっかりカサゴ醬油、ユメカサゴ醤油、チヌ、サワラ醤油、本鱒、車海老、ウニ
その他
お通し マグロのアヒージョ
卵焼き
三重県岩ガキポン酢
赤貝の肝
ねぎりとろ巻き
◆今日の酒
刈穂六舟純米吟醸、七福神、三重寒紅梅ペンギンラベル純米吟醸NATSUSAKE
■のぶっこ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/01/20/9748644
■寒鰆 ピンク色は赤身白身どっち? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/07/9753032
■豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外 曇りSAKE
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/13/9753885
■黒鮪 海の可変翼戦闘機 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(3) スズキ目サバ科マグロ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/27/9757648
■アイナメ(鮎魚女)飯泥棒みたいな二つ名 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(4)カサゴ目アイナメ科アイナメ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9757858
■初鰹は本当は旬ではない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9764356
■だいぶ遠い他人のアヤカリタイ 金目鯛 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(6)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/11/9767684
■本鱒 区別に意味がないサケとマス 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(7)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/26/9771020
さて、両者を並べて、まず塩で。塩がなじむまで少し待つ。微妙に味が違うが、それを区別する表現力がない。
最後にチユと並べて醬油で食べてみたが、やはり、表現力が。
カサゴやメバルの属するメバル科の魚は、メスが受精卵を抱え体内で孵化して稚魚の形で産む。卵胎生という珍しい性質だ。哺乳類などの普通の胎生と何が違うかというと、哺乳類の母仔のようにへその緒でつながっていない。哺乳類の胎児はへその緒を通していろいろ栄養などをもらって育つが、卵胎生の場合、卵を養分にして自力で育つ。
ユメカサゴも卵胎生だと思われていたが、卵で産むことが確認され、定説が覆った。
スズキ目メバル科カサゴ属、ユメカサゴ属
◆今日の24貫
塩アラ、ウッカリカサゴ、ユメカサゴ、カツオ、スミクイウオ、クロムツ、真鯛、式根島たかべ、タチウオ、平目、ホタルイカ軍艦、サワラ、エボダイ、コハダ、キンメダイ、イクラ、チヌ、うっかりカサゴ醬油、ユメカサゴ醤油、チヌ、サワラ醤油、本鱒、車海老、ウニ
その他
お通し マグロのアヒージョ
卵焼き
三重県岩ガキポン酢
赤貝の肝
ねぎりとろ巻き
◆今日の酒
刈穂六舟純米吟醸、七福神、三重寒紅梅ペンギンラベル純米吟醸NATSUSAKE
■のぶっこ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/01/20/9748644
■寒鰆 ピンク色は赤身白身どっち? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/07/9753032
■豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外 曇りSAKE
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/13/9753885
■黒鮪 海の可変翼戦闘機 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(3) スズキ目サバ科マグロ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/27/9757648
■アイナメ(鮎魚女)飯泥棒みたいな二つ名 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(4)カサゴ目アイナメ科アイナメ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9757858
■初鰹は本当は旬ではない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9764356
■だいぶ遠い他人のアヤカリタイ 金目鯛 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(6)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/11/9767684
■本鱒 区別に意味がないサケとマス 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(7)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/26/9771020
府中焼き再訪 ― 2025年05月12日 11:01
府中焼きの後はセールへ ― 2025年05月12日 17:07
ハンバーグの焼き肉やあ ― 2025年05月13日 08:05
ボンドカーにやられたかと思った ― 2025年05月16日 12:25
休みの日に車で都内に出かけたら。
帰りになんか縁石にこすったかもしれないのだが、久しぶりにパンクというものを見た。
246の渋谷の地下辺りは、50km/h以上出すと、小刻みに振動。なんとか戻って、自宅のガレージにいったん入れ、ディーラーに。JAFも呼ばずに自走してきたので、ちょっと引いてた。
なんだかんだで10kmぐらい走ったのでホイールもやられていた場合、ホイールごと交換だと大変なことに。幸い、タイヤだけの交換ですんだ。
ボンドカーで最も有名なガジェット。Tire Slashersというそうだ。
https://www.007.com/007s-car-gadgets/
帰りになんか縁石にこすったかもしれないのだが、久しぶりにパンクというものを見た。
246の渋谷の地下辺りは、50km/h以上出すと、小刻みに振動。なんとか戻って、自宅のガレージにいったん入れ、ディーラーに。JAFも呼ばずに自走してきたので、ちょっと引いてた。
なんだかんだで10kmぐらい走ったのでホイールもやられていた場合、ホイールごと交換だと大変なことに。幸い、タイヤだけの交換ですんだ。
ボンドカーで最も有名なガジェット。Tire Slashersというそうだ。
https://www.007.com/007s-car-gadgets/
インド名物はインドカレーと言われたような違和感 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(1) ― 2025年05月19日 12:25
このサイトを作った農水省の役人は、関西人でない部外者なのだろう。
大阪に住んでるとき、「大阪寿司」なんて看板を見た覚えがない。
日本人がインドに行って、インド人に「インドカレーが食べたい」と言ったら「はあ?」だろう。
イギリスから伝わったカレー粉と小麦粉を使う日本式のカレーに対し、本場インド風のカレーを日本国内でインドカレーと言うのであって、インドにインドカレーはない。同様に、東京の人間が大阪のまねをして作る大阪風の寿司が大阪寿司。
大阪人が「今日は大阪寿司を買ってきた」なんて言わない。
ましてや、京都や神戸など大阪以外の関西人はもっと言わないだろう。
インドにインドカレーなく、イタリアにナポリタンなく、ロシアにシベリアなく、広島県民に広島焼きと言ったら激怒される。
大阪に大阪寿司などないのだ。
大阪では、バッテラ、押し寿司、箱寿司、棒寿司、巻き寿司、小鯛雀寿司などと個別に呼び、その総称はただの「寿司」だ。
ところが、驚いたことに、関西厚焼工業組合という団体が2010年ごろに9月15日を「大阪寿司の日」に制定し、イベントを開いていたそうだ。
しかも、「大阪寿司は10年ぐらい前にPRのために大阪で作られた新語」という間違いまで広まってしまった。
「大阪寿司」は東京で100年以上も前から使われている東京土着民だけに通じるいわば江戸の方言だ。
自分が子供の時は、近所に家族経営の庶民的な「大阪寿司」の店があった。
でも、昭和の時代に、手頃な大阪寿司店はほとんどがつぶれてしまい、固定客のいる老舗の大阪寿司店だけがかろうじて生き残った。それも次々閉店し、今でも残っているのは創業明治10年の人形町志乃多寿司總本店とそののれん分けの2店ぐらいだ。
神楽坂の大〆が2017年に閉店し、四谷のハ竹が今年3月に閉店した。
子供の頃から故郷・東京の味として慣れ親しんだ大阪寿司はもはや絶滅寸前。人形町や神田の老舗の大阪寿司にはがんばってほしい。
そして、努力の甲斐もなく消えゆくようなことがあっても、東京には「大阪寿司」なる土着の独自文化が確かにあったことまで忘れさられないでほしい。
100年以上も前に東京で生まれ、東京で栄えた「大阪寿司」が滅亡した上に、「2000年代に関西の業界(おそらく本部は大阪)が作った新しい言葉」などという間違いが事実かのように上書きされるのでは救いがない。
人は、亡くなった時と人々の記憶から消えた時の2回死ぬと言う。物も同じだ。(続く)
大阪に住んでるとき、「大阪寿司」なんて看板を見た覚えがない。
日本人がインドに行って、インド人に「インドカレーが食べたい」と言ったら「はあ?」だろう。
イギリスから伝わったカレー粉と小麦粉を使う日本式のカレーに対し、本場インド風のカレーを日本国内でインドカレーと言うのであって、インドにインドカレーはない。同様に、東京の人間が大阪のまねをして作る大阪風の寿司が大阪寿司。
大阪人が「今日は大阪寿司を買ってきた」なんて言わない。
ましてや、京都や神戸など大阪以外の関西人はもっと言わないだろう。
インドにインドカレーなく、イタリアにナポリタンなく、ロシアにシベリアなく、広島県民に広島焼きと言ったら激怒される。
大阪に大阪寿司などないのだ。
大阪では、バッテラ、押し寿司、箱寿司、棒寿司、巻き寿司、小鯛雀寿司などと個別に呼び、その総称はただの「寿司」だ。
ところが、驚いたことに、関西厚焼工業組合という団体が2010年ごろに9月15日を「大阪寿司の日」に制定し、イベントを開いていたそうだ。
しかも、「大阪寿司は10年ぐらい前にPRのために大阪で作られた新語」という間違いまで広まってしまった。
「大阪寿司」は東京で100年以上も前から使われている東京土着民だけに通じるいわば江戸の方言だ。
自分が子供の時は、近所に家族経営の庶民的な「大阪寿司」の店があった。
でも、昭和の時代に、手頃な大阪寿司店はほとんどがつぶれてしまい、固定客のいる老舗の大阪寿司店だけがかろうじて生き残った。それも次々閉店し、今でも残っているのは創業明治10年の人形町志乃多寿司總本店とそののれん分けの2店ぐらいだ。
神楽坂の大〆が2017年に閉店し、四谷のハ竹が今年3月に閉店した。
子供の頃から故郷・東京の味として慣れ親しんだ大阪寿司はもはや絶滅寸前。人形町や神田の老舗の大阪寿司にはがんばってほしい。
そして、努力の甲斐もなく消えゆくようなことがあっても、東京には「大阪寿司」なる土着の独自文化が確かにあったことまで忘れさられないでほしい。
100年以上も前に東京で生まれ、東京で栄えた「大阪寿司」が滅亡した上に、「2000年代に関西の業界(おそらく本部は大阪)が作った新しい言葉」などという間違いが事実かのように上書きされるのでは救いがない。
人は、亡くなった時と人々の記憶から消えた時の2回死ぬと言う。物も同じだ。(続く)
大阪のお寿司との違いは? 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(2) ― 2025年05月21日 12:01
バッテラ、押し寿司、棒寿司、蒸し寿司、巻き寿司。関西でのこれらの総称は単に「寿司」だ。創業天保12年(1841年)の淀屋橋の吉野寿司の3代目が明治25年(1892年)ごろに完成形を発明したとされる箱寿司。すし萬が天明元年(1781年)ごろに売り出したとされる小鯛雀寿司。老舗それぞれのこだわりもある。
そして、大阪などで生まれたこれらの寿司を東京では遅くとも明治時代から「大阪寿司」と呼んでいる。
では、「大阪のお寿司」と東京の「大阪寿司」はどう違うのか。
ほとんど同じだ。
元々、大阪や神戸から東京に移住してきた関西系東京人1世や、大阪などで修業して戻ってきた東京の職人が広めたもの。和の料理人は基本に忠実だし、教わった技術を完璧に再現する腕もある。独自の創意工夫ももちろん加えるだろう。とはいえ、イタリア人もびっくりなナポリタンや、カリフォルニア・ロール、エビチリ、エビマヨなど本家が目をむくような物は作らない(はず)。
細かい違いはある。
関西に住んで、「太巻き」が通じないことに驚いた。といっても、小学生まで住んでいた麴町には家族経営のこぢんまりとした大阪寿司店があったから、大阪寿司自体全国で通じる言葉だと無意識に思っていた。関西どころか神奈川、千葉など東京以外、どこでも使われていない言葉だと最近知った。
恵方巻きなど直径5センチほどで多くの具材を巻き込んだ物を関西では単に「巻き寿司」と呼ぶ。東京の大阪寿司では「太巻き」だ。逆に、かんぴょう巻き、新香巻き、カッパ巻きなど単体の具の物を関西では「細巻き」と呼ぶ。東京では単に「海苔巻き」や「巻き物」だ。
東京で、細巻きの意味はわかっても、寿司屋に行って「巻き物は何がありますか?」と聞くことはあっても「細巻きは何がありますか?」と聞くことはないだろう。
そして、関西人に聞いて初めて知ったのだが、巻き寿司などに入っている卵焼きは甘くないそうだ。巻き寿司の甘さはでんぶなどが担当しているので、玉子はよくある関西風の甘くない味付けにしてある。東京の大阪寿司では太巻きなどに入れる卵焼きも砂糖を入れて甘くする。ちらし寿司や冷やし中華に入れる錦糸卵も甘くする。関西では錦糸卵も甘くしないそうだ。
なお、江戸前の握りは酢飯が甘くないが、関西の寿司は酢飯を甘めにする。これに関しては、東京の大阪寿司は関西寄りだと感じる。
また、東京の庶民的な大阪寿司では、茶巾、いなり、かんぴょう巻きなど大阪とは関係ないものまでいっしょにして大阪寿司として売っていた。なので、自分を始め、これらも大阪寿司だと勘違いしていた東京人は多い。「茶巾ずしと大阪鮓の専門店」を名乗っていた四谷・ハ竹のように老舗は割と区別している。
そもそも大阪の寿司をあまり食べたことないし、食べてもはっきり意識してないので、きっちり食べ比べれば、大阪のお寿司と東京の大阪寿司にはもっと細かな違いがあるかもしれない。
◆インド名物はインドカレーと言われたような違和感 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/19/9776452
そして、大阪などで生まれたこれらの寿司を東京では遅くとも明治時代から「大阪寿司」と呼んでいる。
では、「大阪のお寿司」と東京の「大阪寿司」はどう違うのか。
ほとんど同じだ。
元々、大阪や神戸から東京に移住してきた関西系東京人1世や、大阪などで修業して戻ってきた東京の職人が広めたもの。和の料理人は基本に忠実だし、教わった技術を完璧に再現する腕もある。独自の創意工夫ももちろん加えるだろう。とはいえ、イタリア人もびっくりなナポリタンや、カリフォルニア・ロール、エビチリ、エビマヨなど本家が目をむくような物は作らない(はず)。
細かい違いはある。
関西に住んで、「太巻き」が通じないことに驚いた。といっても、小学生まで住んでいた麴町には家族経営のこぢんまりとした大阪寿司店があったから、大阪寿司自体全国で通じる言葉だと無意識に思っていた。関西どころか神奈川、千葉など東京以外、どこでも使われていない言葉だと最近知った。
恵方巻きなど直径5センチほどで多くの具材を巻き込んだ物を関西では単に「巻き寿司」と呼ぶ。東京の大阪寿司では「太巻き」だ。逆に、かんぴょう巻き、新香巻き、カッパ巻きなど単体の具の物を関西では「細巻き」と呼ぶ。東京では単に「海苔巻き」や「巻き物」だ。
東京で、細巻きの意味はわかっても、寿司屋に行って「巻き物は何がありますか?」と聞くことはあっても「細巻きは何がありますか?」と聞くことはないだろう。
そして、関西人に聞いて初めて知ったのだが、巻き寿司などに入っている卵焼きは甘くないそうだ。巻き寿司の甘さはでんぶなどが担当しているので、玉子はよくある関西風の甘くない味付けにしてある。東京の大阪寿司では太巻きなどに入れる卵焼きも砂糖を入れて甘くする。ちらし寿司や冷やし中華に入れる錦糸卵も甘くする。関西では錦糸卵も甘くしないそうだ。
なお、江戸前の握りは酢飯が甘くないが、関西の寿司は酢飯を甘めにする。これに関しては、東京の大阪寿司は関西寄りだと感じる。
また、東京の庶民的な大阪寿司では、茶巾、いなり、かんぴょう巻きなど大阪とは関係ないものまでいっしょにして大阪寿司として売っていた。なので、自分を始め、これらも大阪寿司だと勘違いしていた東京人は多い。「茶巾ずしと大阪鮓の専門店」を名乗っていた四谷・ハ竹のように老舗は割と区別している。
そもそも大阪の寿司をあまり食べたことないし、食べてもはっきり意識してないので、きっちり食べ比べれば、大阪のお寿司と東京の大阪寿司にはもっと細かな違いがあるかもしれない。
◆インド名物はインドカレーと言われたような違和感 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/19/9776452









最近のコメント