ロシア外相発言のひどい誤訳2022年05月10日 09:49

ロシア外相発言のひどい誤訳
 ロイター日本語版のロシア・ラブロフ外相発言。
<「長い間、賢明なユダヤの人々が最大の反ユダヤ主義者はユダヤ人自身だという意見を聞いている」と指摘した>
 どれが主語で、どれが述語なのかよく分からない、ひどい訳だ。元のreuters英文を見ると、
"For a long time now we've been hearing the wise Jewish people say that the biggest anti-Semites are the Jews themselves," he added.
これを、機械翻訳にかけると、「長い間、賢明なユダヤ人たちが、最大の反ユダヤ主義者はユダヤ人自身であると言っているのを聞いてきた」。誰が訳したのか知らないが、翻訳ソフトの方が100倍マシなレベル。

◆「ヒトラーにユダヤ人の血」、ロシア外相発言に各国反発
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-israel-russia-idJPKCN2MO0UW

ブチャ虐殺は自演 ソ連も昔同じ事を言ってた2022年04月18日 08:21

ブチャ虐殺は自演 ソ連も昔同じ事を言ってた
ブチャの虐殺は、ウクライナ軍の犯行だとロシアが主張しているらしい。前にも聞いたような話だなと思うのは、カチンの森事件だ。
<1943年、ソ連に侵攻したドイツ軍がロシア領「カチンの森」でポーランド将校4千数百人の遺体を発見し、その数年前にポーランドに侵攻したソ連が連行して虐殺した捕虜だと発表。ソ連はナチスドイツの犯行だと反論。90年代の情報公開で、ソ連軍が命令でやった戦争犯罪であることが明らかになり、ゴルバチョフ書記長がポーランドに謝罪した>。捕虜の移送記録とかポーランド人2万人の殺害を指示したスターリンの署名入り文書とかが見つかった。このニュースを見たとき、まず驚いたのはあの恐怖政治時代の公文書が残っていたことだ。歴史とは権力者や為政者が恣意的に操っていいものではなく、後世の国民が検証するべき共有財産であるという強い意志を感じた。そういう信念を持った官僚がいる点は、都合の悪い公文書を「これはただのメモだ」とか言って気軽に破棄する日本より旧ソ連の方がマシだなと。ロシア軍の戦争犯罪を証明するのは困難と日本の識者がよく言ってるが、今度も誰かが証拠を保存しているのではないかと期待してる。

「正義の味方ぶったロシア非難はよしたら」という日本人は意外に多い2022年04月12日 09:57

「正義の味方ぶったロシア非難はよしたら」という日本人は意外に多い
 テレビなどの報道はロシア非難一色。だが、「正義の味方ぶるのは気持ちがいいかもしれないが、NATOやアメリカの尻馬に乗ってロシア非難をするのは止めた方がいい」という日本人は意外にいる。要約すると、「ドイツやアメリカにとってウクライナがロシア化することは安全保障上の大問題だが、日本は違う。冷たいようだが、ウクライナがどうなっても日本の安全保障にあまり影響がない。下手にロシアを非難して頭のおかしいプーチンに逆恨みされたら国益に反する。インドのように非難も称賛もせず、国連でも賛成も反対もしないのが賢い」という意見。「別に戦争に負けたからといって古代ローマのように奴隷にされるわけではない。ウクライナはさっさと降伏して戦争を終わらせるべきだ」という意見もある。「ウクライナが降伏したらひどい事になると言っても実際にどうなるかは分からない」という意見も。

「いじめは自分には関係ない」と見て見ぬフリをするクラスメイトのような事を言う人たちはドイツのニーメラー牧師の言葉を見た事がないのだろうか。

ナチスが始めに共産主義者を攻撃した時、私は声を上げなかった
私は共産主義者ではなかったから
次に社会民主主義者が牢獄に入れられた時、やはり私は抗議しなかった
私は社会民主主義者ではなかったから
労働組合員が攻撃された時も、私は沈黙した
私は労働組合員ではなかったから
そして、彼らが私を攻撃した時、私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった

 ウクライナが降伏を受け入れ、それを世界が認めたら何が変わるか。はっきりしている事がある。第二次世界大戦が終わってから、武力によって国境線を変えてはいけないという価値観が共有されたはずだった。しかし、その価値観が危機に陥っている。それを否定し、ジャイアンのごとき存在が暴力による威嚇で「おまえの物はおれの物。おれの物もおれの物」というのがまかり通ってしまう世界を認めてしまうってことだ。
 どさくさ紛れに、SNSを制限しろとか言う人たちと正反対のようでよく似ていると思う。

◆ロシア非難ドサクサ紛れに投稿制限しろとか言う人たち
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2022/04/11/9480663

海自飛行艇をタクシー代わりにした男2022年02月03日 12:06

海自飛行艇をタクシー扱いした男
 政治信条の問題以前に「自分は政界のドブのようなしがらみとは無縁な人間だ」風にカッコ付けてるクセに何か問題が起きると見苦しい言い逃れをするところが、人としてダメだと思う。豊洲の盛り土の時も知事主導の最重要案件だったにもかかわらず、「副知事に任せていたから自分は知らない」などと責任者としてあり得ない言い訳をしていたが。
 40年前、まだ40代だった石原慎太郎衆議院議員が小笠原の島で遊んでいるとき、都内(島も都ですが)で裕次郎が倒れた。島から裕次郎の元に駆けつける手段がないため、慎太郎議員は海上自衛隊の飛行艇を呼びつけ、帰った。12人で運用する巨大な飛行艇で、タクシー代わりどころか大型バス。訓練名目にしたのだろうが、往復の燃料代は100万円以上もかかる。これが逆に、島で急病人が出て、本土の病院に搬送するためであれば迷うことなく出動するだろう。だが、慎太郎が帰らなくたって裕次郎の容体には関係ない。
 当然、非難を受けたが、その会見で、「秘書が防衛庁に電話したが話がよく通じないので自分が電話を替わって状況を説明したら、向こうが勝手に飛ばしてくれただけで、自分から迎えに来てほしいと頼んだわけではない」といった潔くない言い訳をした。いつも格好つけてエラそうなことを言うのに逃げ口上が見苦しい。素直に「気が動転してました」と謝れば、国民も「裕次郎が倒れたんじゃしょうがないか」と大目に見てくれるだろうに。若手の時からそんな人物だった。

安全保障とか言うなら軍事常識を勉強せえ 沖縄に海兵隊は無意味2021年04月09日 13:57

 辺野古移転にネガティブなニュースがあると、「中国が攻めてきたらどうするんだ」とか宣うネトウヨもどきな方々と話すことがある。軍備は一切許さないとかいう平和主義者なら軍事の基礎に疎くても構わないが、「日本の安全保障とか言うなら、もっと勉強しろ」と小一時間説教したい。彼らは、普天間にいるのが海兵隊だということも、海兵隊とは何をする軍隊なのかも理解していないのでは。海兵隊とは、海軍などの艦船に乗って移動する陸上戦闘兵力。その主な任務は、島嶼など海岸から侵攻するのに適した戦闘地域に上陸し、制圧すること。陸海軍との線引きがあいまいで、歴史上、何度も統廃合圧力などによって存続が危ぶまれた組織だ。それでも、第二次大戦では、日本軍が占領した東南アジアの島々を奪還する戦闘で大活躍した。しかし、その後の戦争において、海兵隊と陸軍の出番はみるみる減っていく。湾岸戦争、イラク戦争に象徴されるように、現代戦では、ステルス攻撃機や無人爆撃機で敵基地の反撃能力を完全に破壊してから占領するというのが新たな定石。沖縄戦では20万人近い民間人が犠牲になったが、米軍も2万人の犠牲を出した。これは日本軍側と同じか下手したら上回るぐらい。あれほどの物量差があっても、上陸作戦というのは極めてハイリスク、非効率な戦闘行為なのだ。現在だったら、仮に沖縄戦の100分の1でも米軍に犠牲が出たら政権が倒れるだろう。
 普天間や辺野古に駐留する海兵隊が、北朝鮮か中国かロシアかどこかの領土に上陸を敢行するという事態は戦略的にも戦術的にもほぼあり得ない。普天間にせよ、辺野古にせよ、海兵隊が出動するにはまずオスプレイで長崎の佐世保基地に飛び、海軍の強襲揚陸艦に乗り換えなければならない。さらに、そこから北朝鮮などの敵地まで船でどれぐらいかかるのか。着いた頃には日本各地の米軍基地から飛び立った空軍の攻撃機が制圧して戦争は終わってるだろう。もし長引いて制圧し切れてない状態で、上陸作戦に移るのは自殺行為。
 現代戦の主役は、敵地周辺の友好国の空港に集結させた空軍機と、移動航空基地である空母を中心とした海軍航空兵力。だから、嘉手納など各空軍基地や空母ロナルド・レーガンの母港横須賀基地、そして、空母の艦載機を降ろすための基地*は、日本の安全保障上もアメリカのアジア戦略上も意味がある。しかし、普天間にせよ、辺野古にせよ、沖縄に海兵隊を置いておくことは、アメリカの世界戦力上も日本の国防上も意味がない。
 さて、佐世保にいる在日米軍の強襲揚陸艦に海兵隊の垂直離着陸ステルス攻撃機F35Bを搭載して、軽空母にし、アジアの海をパトロールさせようという計画がある。海自の護衛艦いずも空母化計画の先駆けだ。これは非常に役に立つ。でも、これって、海兵隊ではなく、第2海軍、文字どおり海軍の2軍戦力扱い。だったら、F35Bのパイロットだけいればよく、食料と燃料を食い、揚陸艦の足を遅くする海兵隊員は載ってない方がいいのでは。ますます沖縄に海兵隊基地がある理由がなくなる。ちなみに、F35Bは岩国にいるので辺野古は必要ない。
 海兵隊のトップや在日米軍司令官が辺野古は必要だと発言していると反論されたが、ばかばかしい。「NETFLIXがあるからこれからはテレビ放映は必要ないですよね」と質問されたテレビ局の社長が「そうですね」と言うはずがないぐらい当たり前のこと。常に存在意義が問われている海兵隊の責任者が自ら必要ないと言うわけない。実際、鳩山政権の時、アメリカ政府は普天間の機能をグアムまで戻す案を真剣に検討し、日本の官僚が「日本政府に引き上げてもいいとは言わないでくれ」と頼んだことが後でばれた。沖縄に置いているのは世界の駐留米軍では破格の思いやり予算を日本が払ってくれてるからで、それがなくなったら、直ちに引き上げるだろう。そうは言っても、駐留経費はバカにならないから、費用対効果を考えたら引き上げるべきと考えている国防省幹部はいくらでもいる。逆に、そこまでして、自民党政権がどうしても残ってほしい理由がよく分からない。もちろん経済的な理由だろうが、それほどの利権とは思えないのだが。

*注 寄港している空母は必ず艦載機を最寄りの空港がある基地に置く。艦載機を積み込んだまま停泊中に攻撃を受けたら、発進できずに空母もろとも沈められてしまう。沈めなくたって、甲板の発進カタパルトを使えなくしてしまえば、ただの役立たず。空母は移動航空基地で、それ自体には防御力も攻撃力もほとんどない。だから、イージス艦を含むミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦数隻と、攻撃型原子力潜水艦、補給艦と空母打撃群を編成し、守られながら行動する。

◆「辺野古、完成の可能性低い」 米有力シンクタンク報告
https://digital.asahi.com/articles/ASP3M4K3JP33TPOB004.html

盗聴見破ったら毒盛られ 在外大使館は恐ろしい2019年12月26日 12:29

 在ソ連日本大使館の活動の一端が公開されたそうだ。この記事には載っていないこんな話を鍛治壮一から聞いたことがある。
 30年前の旧ソ連時代。日ソ漁業交渉が好調に進み、モスクワの日本大使館の会議室で「今日はうまく行った」「もっと譲歩できるけど」などと祝杯気分で話していたら、次にソ連側と会ったとき、相手はものすごく不機嫌。前回より厳しい要求を次々と突きつけてきた。
 こちらの話を聞かれていたとしか考えられない。そこで、六本木の防衛庁から盗聴対策の専門家を呼んで会議室を調べると盗聴器が見つかり(というかザクザクと売るほど出てきたようだ)、ケーブルをたどると、大使館のソ連側警備の詰め所に続いていた。
 ケーブルを切断し、その日は「今日は外に出るのはやめよう」と大使館内で食事をすると、その日本から来た担当者が食べたとたん苦しみ始めた。殺さない程度に毒を盛られたようで、ただちに護衛をつけて空港に運び、乗る便がバレないよう飛行機も予約せず日本に送り返した。
 料理を作ったメイドはソ連側の紹介で雇った人間で、それっきり姿を消したそうだ。
不法な事をして損害を与えている方が見せしめ・報復をするという国家の逆切れのような。日本のような甘ちゃん国家には考えられない。

https://digital.asahi.com/articles/ASMDL53V5MDLUTFK00S.html?iref=comtop_8_06

トルコ、サウジ判決に不満 記者殺害事件
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019122301085&g=int
 盗聴は旧ソ連だけの特技ではないだろう。トルコ筋から出てくる報道を見る限り、トルコ政府は明らかに治外法権であるサウジ大使館内を盗聴していた(外部との電話の傍受だけであんなに詳しい事が分かるはずない)。どこの政府もやってて当然な事だが、明確な国際法違反だからやっている事は絶対に認めない秘密のはずなのに半ば公然と明かしちゃって大丈夫なのかと。トルコ政府が殺害王子関与の決定的な証拠を明言しないのは、サウジとの関係を完全に壊したくないからだみたいな報道が目立ったが、そもそも証拠を出したら、盗聴してる決定的な証拠になるからできないんじゃないかと。そういう観点からの解説などがどこの新聞にも出てないのはなんか分かるようで分からないような。

国会議員や判事に言論の自由はない 作家や役者とは違う2019年05月24日 17:28

 「丸山議員の発言は発言することも許されないのか。言論の自由だ」「こんな風にさらし者にしたら、若者が自分の思っていることを自由に言えなくなる」などという人達と激しい議論になった。
どうも最近は国会議員にも無制限な言論の自由があると誤解している人が多いのではないか。
 「民主主義の特異性は、民主主義その物を否定する言論の自由が認められていることだ」と歴史学者が言っていた。これは他のどの時代のどの政治体制とも大きく違う。例えば、絶対王政の国で、王権を否定する言論活動をしたら命に関わる。
 民主主義の社会では、人権無視、差別容認など、憲法に書かれた民主主義の基本原則に反する主張をする事も自由として認められている。ただし、そのような無制限な言論の自由があるのは一般市民だけだ。作家や役者など民間人なら自由だ。非難は受けるかもしれないが。例えば、作家の百田氏が何を言おうと自由である。まあ、政府の公的な委員などを務めているから微妙だが、基本的には一般市民だ。
 ドイツではナチズムやヒトラーを賛美する言論は誰であろうと法律で禁止されているが、日本ではそれすらも可能だ。当然のごとく非難を受けるだろうが、禁止はされない。
 だが、民主主義と憲法を守るという党是を持った政党から立候補し、民主主義的な手続きで選ばれた議員が民主主義の基本原則に反する主張をする事は許されない。議員に限らない。裁判官や各省庁の役人など、民主主義を守り、その理念を実行するためにある司法や行政の担い手が、民主主義を否定するような言論を発信することなど許されていない。もしも、判事が判決の公平性を疑われるような差別的な考えを公にしたら当然処分の対象になるだろう。
 議員がどうしてもそのような民主主義に反する言論(例えば、差別は正しいなど)をしたいなら方法はある。まず、議員を辞職し、そのような党是を持った政党を作り、そのような公約(例えば、差別主義を実践する)で立候補し、国民の支持を得て当選すれば、そのような言論活動ができる。
 民主主義は、民主主義を否定する政権を合法的に生んでしまう事が可能という危険をはらんでいる。そんな選択を国民がしなければいいだけのはずなのだが。

テレ東の裏切り者っ!2019年05月02日 10:35

 トンデモない天変地異が起きても、皇族が結婚しても、世の中の流れと関係なくアニメを流し続けるのが、テレビ東京の矜持だったはずではないか。で、結構、視聴率稼いじゃう。そんなテレ東が好きでした。
 何で、改元イブから池上彰さんなんか呼んで真面目な番組作ってんの?
連休が始まる前、戦中派のお年寄りに、「テレビが一番酷いが、新聞も猫も杓子も、連休中、ずっと退位即位、平成最後、令和初で埋め尽くすのか。これでは大日本翼賛報道、大本営発表と同じではないか」と愚痴を聞かされた。
 天皇を政治利用し、政権の人気取りに使っている事に関して、首相や官房長官以上に、それにまんまと乗せられ、無批判にプロバガンダに協力しているマスコミが非難されるべきだ。どこの国のどの時代の政権だって、国王や法王を政治的に利用して支持率を上げようとするのは当たり前のことなんだから。
 若い人も、池袋の事故の加害者を新聞やテレビが容疑者と呼ばず、「さん」や通産省工業技術院の元院長と呼ぶのは「政権への忖度だ。安倍首相に批判的なマスコミもポーズだけだ」などと言っていた。そんな訳はないのだが、そう思わせてしまうマスコミが悪い。

3月10日と半蔵門2019年03月09日 08:38

 皇居の西側を守る半蔵門は、父やその弟妹が育った麹町にある。我々兄妹にとっても懐かしい生まれ故郷だ。おそらく4月に度々テレビに映し出されることだろう。

 社会人1年生のとき、私はこんなコラムを書いた。

 最近、半蔵門がテレビによく映る。昭和20年3月10日。東京に焼夷弾の雨が降った。米軍の爆撃機の照準は正確で、英国大使館と皇居にだけは1発も落とさなかった。炎に追われて逃げ惑う市民たちが、唯一燃えていなかった半蔵門に殺到した。だが、門を守る官憲が遮った。「ここは天子のおわす宮城である。一般人の立ち入りはまかりならん」。そう言って燃えさかる町に追い返した。市民たちは死を覚悟して戻っていった。
 もし、大災害で再び東京が炎に包まれる日が来たら、今度はあの門を通してくれるのだろうか。半蔵門の映像を見ながらそんなことを思った。


 毎日、先輩に叱られていた新人時代、このコラムは唯一、上司に誉められた事かもしれない。

 東京大空襲は炎の壁で東京市を取り囲み、その内側にある家屋を住民ごと焼き尽くすというジェノサイド作戦だった。3月10日は10万人以上の一般人が死んだとされる。この日、半蔵門から追い返された人々の中に、父・壮一と祖父・利一がいた。
 国家にとって、国民の命より優先するべき物があってはならない。日本が二度とそんな国に戻ってはいけない。
 そのことを私は父の体験から学んだ。今の子供たちには誰が教えるのだろうか。