盗聴見破ったら毒盛られ 在外大使館は恐ろしい2019年12月26日 12:29

 在ソ連日本大使館の活動の一端が公開されたそうだ。この記事には載っていないこんな話を鍛治壮一から聞いたことがある。
 30年前の旧ソ連時代。日ソ漁業交渉が好調に進み、モスクワの日本大使館の会議室で「今日はうまく行った」「もっと譲歩できるけど」などと祝杯気分で話していたら、次にソ連側と会ったとき、相手はものすごく不機嫌。前回より厳しい要求を次々と突きつけてきた。
 こちらの話を聞かれていたとしか考えられない。そこで、六本木の防衛庁から盗聴対策の専門家を呼んで会議室を調べると盗聴器が見つかり(というかザクザクと売るほど出てきたようだ)、ケーブルをたどると、大使館のソ連側警備の詰め所に続いていた。
 ケーブルを切断し、その日は「今日は外に出るのはやめよう」と大使館内で食事をすると、その日本から来た担当者が食べたとたん苦しみ始めた。殺さない程度に毒を盛られたようで、ただちに護衛をつけて空港に運び、乗る便がバレないよう飛行機も予約せず日本に送り返した。
 料理を作ったメイドはソ連側の紹介で雇った人間で、それっきり姿を消したそうだ。
不法な事をして損害を与えている方が見せしめ・報復をするという国家の逆切れのような。日本のような甘ちゃん国家には考えられない。

https://digital.asahi.com/articles/ASMDL53V5MDLUTFK00S.html?iref=comtop_8_06

トルコ、サウジ判決に不満 記者殺害事件
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019122301085&g=int
 盗聴は旧ソ連だけの特技ではないだろう。トルコ筋から出てくる報道を見る限り、トルコ政府は明らかに治外法権であるサウジ大使館内を盗聴していた(外部との電話の傍受だけであんなに詳しい事が分かるはずない)。どこの政府もやってて当然な事だが、明確な国際法違反だからやっている事は絶対に認めない秘密のはずなのに半ば公然と明かしちゃって大丈夫なのかと。トルコ政府が殺害王子関与の決定的な証拠を明言しないのは、サウジとの関係を完全に壊したくないからだみたいな報道が目立ったが、そもそも証拠を出したら、盗聴してる決定的な証拠になるからできないんじゃないかと。そういう観点からの解説などがどこの新聞にも出てないのはなんか分かるようで分からないような。

国会議員や判事に言論の自由はない 作家や役者とは違う2019年05月24日 17:28

 「丸山議員の発言は発言することも許されないのか。言論の自由だ」「こんな風にさらし者にしたら、若者が自分の思っていることを自由に言えなくなる」などという人達と激しい議論になった。
どうも最近は国会議員にも無制限な言論の自由があると誤解している人が多いのではないか。
 「民主主義の特異性は、民主主義その物を否定する言論の自由が認められていることだ」と歴史学者が言っていた。これは他のどの時代のどの政治体制とも大きく違う。例えば、絶対王政の国で、王権を否定する言論活動をしたら命に関わる。
 民主主義の社会では、人権無視、差別容認など、憲法に書かれた民主主義の基本原則に反する主張をする事も自由として認められている。ただし、そのような無制限な言論の自由があるのは一般市民だけだ。作家や役者など民間人なら自由だ。非難は受けるかもしれないが。例えば、作家の百田氏が何を言おうと自由である。まあ、政府の公的な委員などを務めているから微妙だが、基本的には一般市民だ。
 ドイツではナチズムやヒトラーを賛美する言論は誰であろうと法律で禁止されているが、日本ではそれすらも可能だ。当然のごとく非難を受けるだろうが、禁止はされない。
 だが、民主主義と憲法を守るという党是を持った政党から立候補し、民主主義的な手続きで選ばれた議員が民主主義の基本原則に反する主張をする事は許されない。議員に限らない。裁判官や各省庁の役人など、民主主義を守り、その理念を実行するためにある司法や行政の担い手が、民主主義を否定するような言論を発信することなど許されていない。もしも、判事が判決の公平性を疑われるような差別的な考えを公にしたら当然処分の対象になるだろう。
 議員がどうしてもそのような民主主義に反する言論(例えば、差別は正しいなど)をしたいなら方法はある。まず、議員を辞職し、そのような党是を持った政党を作り、そのような公約(例えば、差別主義を実践する)で立候補し、国民の支持を得て当選すれば、そのような言論活動ができる。
 民主主義は、民主主義を否定する政権を合法的に生んでしまう事が可能という危険をはらんでいる。そんな選択を国民がしなければいいだけのはずなのだが。

テレ東の裏切り者っ!2019年05月02日 10:35

 トンデモない天変地異が起きても、皇族が結婚しても、世の中の流れと関係なくアニメを流し続けるのが、テレビ東京の矜持だったはずではないか。で、結構、視聴率稼いじゃう。そんなテレ東が好きでした。
 何で、改元イブから池上彰さんなんか呼んで真面目な番組作ってんの?
連休が始まる前、戦中派のお年寄りに、「テレビが一番酷いが、新聞も猫も杓子も、連休中、ずっと退位即位、平成最後、令和初で埋め尽くすのか。これでは大日本翼賛報道、大本営発表と同じではないか」と愚痴を聞かされた。
 天皇を政治利用し、政権の人気取りに使っている事に関して、首相や官房長官以上に、それにまんまと乗せられ、無批判にプロバガンダに協力しているマスコミが非難されるべきだ。どこの国のどの時代の政権だって、国王や法王を政治的に利用して支持率を上げようとするのは当たり前のことなんだから。
 若い人も、池袋の事故の加害者を新聞やテレビが容疑者と呼ばず、「さん」や通産省工業技術院の元院長と呼ぶのは「政権への忖度だ。安倍首相に批判的なマスコミもポーズだけだ」などと言っていた。そんな訳はないのだが、そう思わせてしまうマスコミが悪い。

3月10日と半蔵門2019年03月09日 08:38

 皇居の西側を守る半蔵門は、父やその弟妹が育った麹町にある。我々兄妹にとっても懐かしい生まれ故郷だ。おそらく4月に度々テレビに映し出されることだろう。

 社会人1年生のとき、私はこんなコラムを書いた。

 最近、半蔵門がテレビによく映る。昭和20年3月10日。東京に焼夷弾の雨が降った。米軍の爆撃機の照準は正確で、英国大使館と皇居にだけは1発も落とさなかった。炎に追われて逃げ惑う市民たちが、唯一燃えていなかった半蔵門に殺到した。だが、門を守る官憲が遮った。「ここは天子のおわす宮城である。一般人の立ち入りはまかりならん」。そう言って燃えさかる町に追い返した。市民たちは死を覚悟して戻っていった。
 もし、大災害で再び東京が炎に包まれる日が来たら、今度はあの門を通してくれるのだろうか。半蔵門の映像を見ながらそんなことを思った。


 毎日、先輩に叱られていた新人時代、このコラムは唯一、上司に誉められた事かもしれない。

 東京大空襲は炎の壁で東京市を取り囲み、その内側にある家屋を住民ごと焼き尽くすというジェノサイド作戦だった。3月10日は10万人以上の一般人が死んだとされる。この日、半蔵門から追い返された人々の中に、父・壮一と祖父・利一がいた。
 国家にとって、国民の命より優先するべき物があってはならない。日本が二度とそんな国に戻ってはいけない。
 そのことを私は父の体験から学んだ。今の子供たちには誰が教えるのだろうか。