府中焼きの後はセールへ2025年05月12日 17:07

府中焼きの後はセールへ
 府中焼きで昼間っから大ジョッキや日本酒のボトルを空けたあとは、急遽、甥っ子が上京したので、セールへ。

府中焼き再訪2025年05月12日 11:01

府中焼き再訪
 今度は5人で府中焼き。初回は急いでいてよく見なかったのでお好み焼きしかないと思ったら、広島の府中市のアンテナショップだけあって、牡蠣ポン酢の鉄板焼き、牡蠣フライ、謎のコーネなどもあった。

ウッカリカサゴ、ユメカサゴ 仔魚を産むと思われていたのに 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(8)2025年05月10日 01:57

 ウッカリカサゴ、ユメカサゴ 仔魚を産むと思われていたのに 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(8)
うっかりカサゴと間違えそうなくらいカサゴによく似ているから。目が光を反射すると七色に光って夢を見ているようだから。そんな俗説がある。
さて、両者を並べて、まず塩で。塩がなじむまで少し待つ。微妙に味が違うが、それを区別する表現力がない。
最後にチユと並べて醬油で食べてみたが、やはり、表現力が。
カサゴやメバルの属するメバル科の魚は、メスが受精卵を抱え体内で孵化して稚魚の形で産む。卵胎生という珍しい性質だ。哺乳類などの普通の胎生と何が違うかというと、哺乳類の母仔のようにへその緒でつながっていない。哺乳類の胎児はへその緒を通していろいろ栄養などをもらって育つが、卵胎生の場合、卵を養分にして自力で育つ。
 ユメカサゴも卵胎生だと思われていたが、卵で産むことが確認され、定説が覆った。

スズキ目メバル科カサゴ属、ユメカサゴ属

◆今日の24貫
塩アラ、ウッカリカサゴ、ユメカサゴ、カツオ、スミクイウオ、クロムツ、真鯛、式根島たかべ、タチウオ、平目、ホタルイカ軍艦、サワラ、エボダイ、コハダ、キンメダイ、イクラ、チヌ、うっかりカサゴ醬油、ユメカサゴ醤油、チヌ、サワラ醤油、本鱒、車海老、ウニ

その他

お通し マグロのアヒージョ
卵焼き
三重県岩ガキポン酢
赤貝の肝
ねぎりとろ巻き

◆今日の酒
刈穂六舟純米吟醸、七福神、三重寒紅梅ペンギンラベル純米吟醸NATSUSAKE

■のぶっこ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/01/20/9748644
■寒鰆 ピンク色は赤身白身どっち? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/07/9753032
■豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外 曇りSAKE
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/13/9753885
■黒鮪 海の可変翼戦闘機 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(3) スズキ目サバ科マグロ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/27/9757648
■アイナメ(鮎魚女)飯泥棒みたいな二つ名 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(4)カサゴ目アイナメ科アイナメ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9757858
■初鰹は本当は旬ではない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9764356
■だいぶ遠い他人のアヤカリタイ 金目鯛 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(6)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/11/9767684
■本鱒 区別に意味がないサケとマス 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(7)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/26/9771020

海鮮丼とちらし寿司を見分けるスコア 海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!(続々)2025年05月07日 12:12

海鮮丼とちらし寿司を見分けるスコア 海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!(続々)
5.5点 江戸前のちらし寿司

4だけ海鮮丼側の4.5点 海鮮ちらし

4点以上 ちらし寄り

2~3.5点 どちらとも決めにくい 店の判断次第

1.5点以下 海鮮丼寄り

0点 海鮮丼

 この分類は、江戸前(*)のちらし寿司から派生した酢飯の海鮮丼のことであり、白飯を使っている定食屋のものはこのスコアに関係なく生の海鮮を乗せていれば全部、海鮮丼だろう。
 5の入れ物は、さほど重要でなく、持ち帰りの場合、どちらでもないプラスチックの入れ物に入っているちらし寿司や海鮮丼もある。また、ちらしという名称から分かる通り、特に重要なのは3だ。
 単に海鮮丼と言うと、土台が酢飯なのか白飯なのかわかりにくいので、客が混乱しないよう、特徴的に酢飯の海鮮丼であっても、あえて、ちらしと呼ぶ店もあるかもしれない。
 また、酢飯の上に具材を散らしてあって、いかにもちらし寿司な見た目なのに、海鮮丼と呼んでる店もある。

(*)関西のちらし寿司や家庭で作るちらし寿司は、具材を酢飯の中に混ぜ込む。ちらし寿司のルーツは、岡山県のばら寿司という説が有力だ。関西ではばらちらしという呼び方もある。江戸前のちらし寿司は元々吹き寄せとも呼ばれていた。

<再掲>
 すし技術教科書<江戸前ずし編>によると、江戸前のちらしずしとは「すし飯の上に種々の具をちらしたもの」。「にぎりずしの場合には、タネに一定の寸法があるが、ちらしにはきまりがないので、にぎりずしには半端な部分や手クズを利用することができる」と書いてある。
 また、「ちらしに入れるタネには、握りのタネにならない半端や手クズをできるだけ活用する。そこで、手クズや半端のタネを、体裁よくみせるためには、切りっぱなしにしないで、少し飾りの包丁を入れる工夫が必要だ」ともある。
 「とくに形のきまりはないが、一般的なちらしは、丸か角の塗りの蓋物を用いるのが普通である」という記述もある。
 「寿司屋が始めた海の丼・海鮮丼フランチャイズの丼丸」というテイクアウト専門店のサイトを見ると、海鮮丼とちらしの両方がメニューにある。そこで、買いに行ってみた。どう違うのか聞くと、「生の魚介だけを使ったのが海鮮丼、卵焼きや煮物など火の通った具材も使っているのがちらし」だそうだ。

◆海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/01/9772379
◆白飯海鮮丼を食す 「海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!」(続)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/04/9773124

白飯海鮮丼を食す 「海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!」(続)2025年05月04日 11:33

白飯海鮮丼を食す 「海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!」(続)
 行きつけの居酒屋で、白飯の海鮮丼を食べた。
寝返ったわけではない。そもそもが自分は酢飯絶対視派ではない。
あえて言うなら、「丼を名乗るなら、酢飯でなくてもいいから、ご飯に何か味を付けてほしい派」。
 この居酒屋では、醬油とみりん、日本酒を合わせ、2分の1ぐらいまで煮詰めたものに昆布や鰹の出汁を使ったオリジナルのタレをかけている。
 よく海鮮丼白飯派が言う屁理屈に、天丼や牛丼に酢飯を使わないのと同じで、海鮮丼も白飯を使うのが正しいというものがある。いや、天丼などの白飯には甘い丼つゆをかけるんだから、酢飯にしたらけんかするに決まってる。
そんなのソースのかかったとんかつに、さらにマヨネーズやドレッシングをかけるようなもの。味は1つでいい。
 丼飯の上にただ具材を乗せただけでなく、ごはんに味がついているのが丼物の醍醐味だ。

まとめ

1)海鮮丼のルーツには北国で定食屋が地場の新鮮な魚介を丼の白飯に乗せて出したものと、江戸前の寿司屋でちらしから派生した酢飯のものと2つがあり、出自の違うものに同じ名前が付いてることが混乱を招いている。どっちが特に王道ということはない。
2)ちらしと酢飯の海鮮丼は同じではない。ちらしは半端や手クズも含め、大きさや形に決まりのない具材に飾り切りなどの技を入れ、酢飯の上に散らしたもの(江戸前の場合。関西では酢飯に具材を混ぜ込む)。海鮮丼は形や大きさをそろえて切っただけの具材を酢飯の上に盛りつけたもの。両者の特徴が混ざったようなものはどちらとも言え、店によって呼び方が違う。
3)プロの料理人は、温かい白飯に生の海鮮を乗せることや冷えた白飯を使うことには否定的。

写真はオリジナルのタレを使った白飯海鮮丼。具は、メジナとイシガキダイ。

◆海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/01/9772379

海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!2025年05月01日 18:42

海鮮丼は酢飯と白飯どっちが正当か論に終止符を打つ!
 ネットで海鮮丼の白飯派と酢飯派のせめぎ合いを見かける。大抵の人が「どっちでも好きな方を好きなように食べればいいじゃん」という態度だと思う。が、「本来は○○の方が正当」、「海鮮丼の王道は○○」と王道や正当を持ち出されると、そっちじゃない方を好きな人が「□□は邪道ではない」と反発するというシステム。
 海鮮丼の起源については、定食屋発祥説と寿司屋発祥説がある。
 北国の漁師町で、地場で捕れる海産物を漁師や町の人が丼飯に乗せて食べていたのが定食屋のメニューになったという説。定食屋には酢飯がないのが普通だから、定食屋起源なら当然白飯海鮮丼だったはず。
 一方、江戸前の寿司屋のちらし寿司が発展して生まれたという説。当然、寿司屋にある酢飯を使った酢飯海鮮丼だったはず。
 日本人は食文化のルーツ、どの店で誰が発明したかに関するこだわりが非常に強い国民だ。いまだに定説がないということは、特定の店で誰が発明したということはなく、同時多発的に発生し、定食屋発祥と寿司屋発祥の両方が独立にあったのだろう。
 寿司屋で海鮮丼というものがあるから、定食屋でも白飯で作ってみようと真似したなどということはなく、定食屋で海鮮丼というメニューがあるから、寿司屋でも酢飯で作ってみようと真似したということもない。どちらかがルーツでもう一方が導入した物ではないってことだ。
 白飯派からよく出てくる理屈は、「海鮮丼の白飯を酢飯にしたら、それは海鮮丼ではなく、ちらしになる」というもの。酢飯の海鮮丼はちらしと同じであり、海鮮丼ではなく、海鮮ちらしなどと呼ぶべきだということだ。
 これは寿司を知らない人の理屈。
すし技術教科書<江戸前ずし編>によると、江戸前のちらしずしとは「すし飯の上に種々の具をちらしたもの」だ。「にぎりずしの場合には、タネに一定の寸法があるが、ちらしにはきまりがないので、にぎりずしには半端な部分や手クズを利用することができる」と書いてある。
 また、「ちらしに入れるタネには、握りのタネにならない半端や手クズをできるだけ活用する。そこで、手クズや半端のタネを、体裁よくみせるためには、切りっぱなしにしないで、少し飾りの包丁を入れる工夫が必要だ」ともある。
 「とくに形のきまりはないが、一般的なちらしは、丸か角の塗りの蓋物を用いるのが普通である」という記述もある。
 さて、「寿司屋が始めた海の丼・海鮮丼フランチャイズの丼丸」というテイクアウト専門店のサイトを見ると、海鮮丼とちらしの両方がメニューにある。そこで、買いに行ってみた。どう違うのか聞くと、「生の魚介だけを使ったのが海鮮丼、卵焼きや煮物など火の通った具材も使っているのがちらし」だそうだ。
 まとめると、ちらしと酢飯海鮮丼を見分けるには、

1)形や大きさに決まりのない具材を酢飯の上に散らしてあるのがちらし。形や大きさをそろえて切った刺し身などの具材を盛りつけてあるのが海鮮丼。
2)飾り切りなど具材に寿司職人の技を入れているのがちらし。切っただけなのが海鮮丼。
3)火の通った具材も使うのがちらし。生の魚介だけを使うのが海鮮丼。
4)塗りの蓋物を使うか、丼を使うか(丼も蓋をすれば蓋物だけどね)。

といくつかのポイントがある。すべてが同じ一方になっていれば、ちらしか酢飯海鮮丼かはっきりするが、混合だとどっちとも言え、店によって判断が違ってくるわけだ。
 元々のちらしは、半端や手クズを使っていたから握りより低価格でお得なメニューだった。しかし、世の常で、ちらしもわざわざそのために具材を用意するようになり、最初は小さかった具材も大きく、豪華になり、値段が上がるとともに、大きいので具材を酢飯の上に散らしにくくなる。そうやって生まれたのが酢飯を使う寿司屋の海鮮丼だろう。
 さて、気づいている人も多いと思うが、「王道説」などを掲げるのはほとんどが白飯派だ。理由は、おそらく「王道」や「本来」、「正当」などに縋るしか寄る辺がないからだろう。リアル世界で白飯派は劣勢だからだ。
 どちらが好きかをアンケートすると、7:3で酢飯派が圧勝。
さらに、プロの料理人からの厳しい声もある。温かい白飯の上に生の海鮮を乗せることは、味の面でも衛生面でもありえないというのだ。
 また、白飯は冷めると硬くなってしまう。酢飯は酢と砂糖で米をコーティングすることで、冷めても硬くならない工夫なのだ。
 以前、コンビニ本部のプロに聞いたところ、おにぎりや弁当などの白飯が硬くならない許容温度は16度で、マージンをとって輸送車や店頭の陳列などは20度に保っているそうだ。また、マグロなどの状態が悪くならない許容温度は5度だそうだ。つまり、この温度差の壁をやり過ごすため、海鮮丼白飯派は、ほどほどに冷ました白飯の上に生の海鮮が乗った瞬間から提供されるまでの時間も含めて、急いで食べる戦いをしなければならない。
 白飯派は背負ってるハンディが多いので、どうしても、「王道は」とか「本来は」とか言いたくなってしまうのだろう。
 ちっとも終止符を打ってないじゃないかって?
お堅い新聞やNHKのニュースじゃない。地下鉄の吊り広告(釣り広告じゃないよ)にとりあえず「終止符を打つ!」と打っておけば実売部数が伸びるという雑誌の手法と同じ。

ラシアン柏餅? 葉は食べないが正解2025年04月30日 11:07

ラシアン柏餅? 葉は食べないが正解
 実はこれ気づいてなかったのだが、普通(こし餡)、みそ餡、草餅(粒餡)が入っていた。最初に食べたのがたまたま普通だったので3個とも同じだと思っていた。同僚が食べた後で「三種」が初めて目に入ったので、みそ餡を食べ損なった。
 まだ時期でないのに、4月の初め頃からなぜかすぐ売り切れ、昼過ぎに行くともうない。朝取り置きを頼み、4回目にしてようやく手に入れたのに。
 なので、もう1回予約してゲット。
 ちなみに葉っぱは「食べても害はないが、食べないのが正しい」だった。試しにちょっとかじってみたが、とても無理なのでやめた。

>>全国和菓子協会(東京)によると、桜餅の葉っぱを食べるか、食べないかは「お好み次第」ですが、「柏餅の葉は食用ではなく、食べることは推奨されていません」
https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20240502-OYT8T50013/

◆気の早い 葉っぱは食べる、食べない?
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/28/9771546

気の早い 葉っぱは食べる、食べない?2025年04月28日 13:13

気の早い 葉っぱは食べる、食べない?
近場で、気の早い柏餅。なぜかすぐ売り切れるので予約してようやくGET。ところで、葉っぱは食べないのと食べるのどっちが正式?

本鱒 区別に意味がないサケとマス 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(7)2025年04月26日 08:21

本鱒 区別に意味がないサケとマス 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(7)
 標準和名はサクラマス。桜前線とともに現れ、身がきれいな桜色なことからという。実は、サーモンなど火の通っていないサケマス類は苦手なのだが、この本鱒は全くそんな抵抗感がなかった。
 さて、ちょっとでも魚に詳しいと思われると、よく聞かれる質問。
「サケとマスってどう違うんですか?」
 日本のサケマス類には、サケ、ベニザケ、ギンザケ、カラフトマス、サクラマス、マスノスケ、ニジマスが知られている(農林水産省による)。これらはみなサケ属に属する。前回、マダイとクロダイは科が同じで、人間とチンパンジーぐらいの違いと書いた。マダイ属とクロダイ属は属が違う。それで言うと、サケとサクラマスなどは属も同じだから、もっと近い。人間(ホモ・サピエンス)と絶滅したネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)、チンパンジーとボノボ(ピグミーチンパンジー)ぐらいの違いだ。
 これらサケ属の魚の名前にサケと付くかマスと付くかにほぼ意味はない。サケとマスを区別できるような特徴の違いはないし、遺伝子の近縁とも関係なく名前が付いている。サケに一番近いのはベニザケでもギンザケでもなくカラフトマスだ。サケグループとマスグループに分ける科学的な根拠がない。人間の都合で付いた名前だからだ。
 もともと古代の本州から西では、サケ(鮭)とマス(鱒、麻須)の2種類しか知られていなかった。どちらも奈良時代の風土記に登場する。サケと言えばシロザケ、マスと言えばサクラマスのことだった。何しろ他には似たような魚は知られていなかったから。
 明治時代になって、他のサケ属が日本に入ってきて和名が付いた。アメリカのレインボートラウトが養殖用に輸入されてニジマスになった。
 北の海に住むカラフトマスやマスノスケ(キングサーモン)。北洋漁業で捕れるようになったサケ属は当初、ベニマス、ギンマスと呼ばれた。今ではベニザケ、ギンザケになっている。本来のサケ以外すべてマスと呼ぶぐらい鮭は日本人にとって特別な魚だった。だが、マスよりサケと言った方が市場価値が高まるので、改名されたという。
 このほか、サクラマスの仲間のビワマス、サツキマスなどもあるが、これらはサクラマスと別種なのか、亜種なのか、同種なのか意見が分かれる。
 区別が必要になり、ただのサケだったのがシロザケ、アキアジなどと異名がつき、ただのマスもサクラマスや本鱒などと呼ばれるようになった。
 サケ属は、アジアやアメリカの太平洋に面した淡水で生まれる。これに対し、ヨーロッパ原産のノルウェー産サーモンなどは同じサケ科だが、タイセイヨウサケ属だ。和名もタイセイヨウサケ。サケ科イワナ属にもマスと呼ばれる種がある。
 さらに話をややこしくているのは、同じ種なのに育ち方で名前がサケになったり、マスになったりする魚がいることだ。サケ科の魚は淡水で生まれ、海に下って育つ。これを降海型という。だが、海に行かず湖や川で育つのもいて陸封型や残留型という。残る場所によって河川型、湖沼型と呼ぶ場合もある。
 アイヌ語でカバチェッポと呼ばれていた湖の魚ヒメマスは、海に降りなくなったベニザケのことだ。北海道では、湖で捕れたヒメマスを育て、太平洋に注ぐ川に放流して、ベニザケになって戻ってくるようになった。クニマスもこのヒメマスの近縁だ。
 サクラマス、サツキマスにも、海に降りないでそのまま淡水で育つものがいて、それぞれヤマメ、アマゴと別な名前で呼ばれている。 
 降海型と陸封型はあまりに姿が違うため、同じ魚だと気づかなかったことが同種別名の理由だ。
 サケ属の多くは淡水にいる時にパーマークという斑点しま模様がある。海に降りる場合は体表面がスモルト(銀毛)という銀色になる。海で下から見た時、空の色にまぎれやすく天敵に見つかりにくい。海の魚に多い色合いだ。
 サクラマスやベニザケは、同じ親から生まれた卵でも降海型と残留型に分かれることがあるらしい。
 その比率は環境で変わる。川で十分栄養が取れればあえて海に行く危険を冒す必要はない。だから、生まれた時の人口密度が高いと海に降りる率が高くなる。
 また、体が大きければエサ取りや繁殖相手の獲得に有利だから、体が小さいものほど海へ降りる率が高くなる。海の方が生き残れる確率は少ないが、海から戻れればより体が大きくなるので繁殖に有利だ。
 サケ科魚類は冷たい水温に適応した魚だが、なかでもカラフトマスとサケは緯度の高い寒冷地にいる。川は冷たいほど栄養が乏しく、海は逆に冷たいほど栄養が富む。エサを求めて海に降りざるをえない野生のカラフトマスやサケには、残留型はいないようだ。また、日本の河川は水温が高くなりすぎるので、夏を乗り切れないという事情もあるかもしれない。

サケ目サケ科サケ属

◆今日の13貫
塩釜の大トロ、千葉の石鯛、銚子のサワラ、調子のキンメダイ、ホタルイカ、徳島のアジ、東京湾のタチウオ、山口県の煮アワビ、小笠原のメカジキ、三重のスズキ、本鱒、松川ガレイ、車海老

その他

お通し かんぱち
卵焼き

石川のイワシ、式根島のたかべ、とら河豚白子塩焼、北海道のあん肝
とろ巻き

◆今日の酒
OCEAN99、超辛雪の美人、よこやま超辛7

■のぶっこ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/01/20/9748644
■寒鰆 ピンク色は赤身白身どっち? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/07/9753032
■豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外 曇りSAKE
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/13/9753885
■黒鮪 海の可変翼戦闘機 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(3) スズキ目サバ科マグロ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/27/9757648
■アイナメ(鮎魚女)飯泥棒みたいな二つ名 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(4)カサゴ目アイナメ科アイナメ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9757858
■初鰹は本当は旬ではない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9764356
■だいぶ遠い他人のアヤカリタイ 金目鯛 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(6)
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今度は別な従姉の娘が東京カレンダーに掲載2025年04月24日 13:22

今度は別な従姉の娘が東京カレンダーに掲載
 従姪(じゅうてつ いとこめい)は一応、16分の1ぐらい血縁関係がある。同期から「鍛治君は産院で取り違えにあったんだろ」とよく言われる。

◆従弟の子供が漫画家デビュー ビッコミ系
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/03/9765632