これもジャニーズ忖度の1種? ― 2023年09月14日 13:18
加速装置は009と8マンどっちが先? ― 2023年08月31日 18:20

「加速装置はサイボーグ009とエイトマンどっちが先なんだろう?」
行きつけの蕎麦屋に行ったらサラリーマン4人連れがこんな話をしていた。
しばらくしたら我慢できなくなり、「豆知識ですが・・・」と割って入った。
「石森章太郎も平井和正も、アメリカのSF作家ベスターの『虎よ!虎よ!』のパクリです」
「平井和正って?」「エイトマンの原作者です。サイボーグブルースとか幻魔大戦の作家です」
ベスターの虎よ~(Tiger! Tiger!)は後のSF作家に大きな影響を与えた。009は奥歯に仕込んだ加速装置をカチリとかむとONになるところも同じ。
以前、仮面ライダーカブトのクロックアップは、スピリッツに連載中のオメガトライブキングダムのパクリでないかという無意味な騒ぎがあった。
加速装置と言おうが、クロックアップと呼ぼうが全部、ベスターのマネ。なお、同作品に出てくるJaunte(ジョウント)という空間転移の名称もカブトで使っている。
実は、豆知識ばかりで原作を読んだことがなかったので今さらながら読んでみることにした。
加速ソォォーチッ カチッ
行きつけの蕎麦屋に行ったらサラリーマン4人連れがこんな話をしていた。
しばらくしたら我慢できなくなり、「豆知識ですが・・・」と割って入った。
「石森章太郎も平井和正も、アメリカのSF作家ベスターの『虎よ!虎よ!』のパクリです」
「平井和正って?」「エイトマンの原作者です。サイボーグブルースとか幻魔大戦の作家です」
ベスターの虎よ~(Tiger! Tiger!)は後のSF作家に大きな影響を与えた。009は奥歯に仕込んだ加速装置をカチリとかむとONになるところも同じ。
以前、仮面ライダーカブトのクロックアップは、スピリッツに連載中のオメガトライブキングダムのパクリでないかという無意味な騒ぎがあった。
加速装置と言おうが、クロックアップと呼ぼうが全部、ベスターのマネ。なお、同作品に出てくるJaunte(ジョウント)という空間転移の名称もカブトで使っている。
実は、豆知識ばかりで原作を読んだことがなかったので今さらながら読んでみることにした。
加速ソォォーチッ カチッ
観賞用保存用布教用 何で45周年やねん ― 2023年08月29日 18:07

先週のサンデーは公式の発売日(水曜)から売り切れが目立ち、神田の行きつけの本屋のオバちゃんが「いつも売れ残ってるのに」と不思議がっていた。
自分は1冊確保していたのだが、ふと「これは保存用にして、観賞用を買おう」と思った。こういう時は高橋ファンが行きそうにない所を探せばいい。
といっても、最寄りの駅前の書店でもまだあったので拍子抜け。つい、2冊も買ってしまった。
圧巻はライバル誌ジャンプ専属のはずの漫画家まで寄稿していること。だれか布教用いりますかね。
45と半端なのは、アニメのリメイクが去年から始まったから。
自分は1冊確保していたのだが、ふと「これは保存用にして、観賞用を買おう」と思った。こういう時は高橋ファンが行きそうにない所を探せばいい。
といっても、最寄りの駅前の書店でもまだあったので拍子抜け。つい、2冊も買ってしまった。
圧巻はライバル誌ジャンプ専属のはずの漫画家まで寄稿していること。だれか布教用いりますかね。
45と半端なのは、アニメのリメイクが去年から始まったから。
真ピンクな髪もアニメなら気にならない理由 ― 2023年08月14日 18:55

ショッキングピンクや真っ青、紫など現実にはあり得ない髪色がマンガ・アニメだとなぜ抵抗感なく受け入れられるのかというような疑問をたまに目にする。実際、生身の人間だと違和感がきつい。心理学的な理由は、推測だが、そもそも3次元は2次元で表すことができないため、マンガやアニメの絵は元々ウソだらけだからではないかと。
例えば、この絵。特に違和感を感じないが、実写でエキストラが全員のっぺらぼうだったらチョー恐い。つまり、人間の脳は、2次元の絵はウソだらけであることを普段から許容しているため、髪色に関しても特に違和感を覚えないのではないかと。
自分がよく例に出すのは鉄腕アトムの髪形。どの方向から見ても2本の角みたいに描かれてるが、現実ではあり得ないため、アトムを実写化すると違和感ありまくりだ。
顔は人間の意識を引くので、主人公以外の表情がごちゃごちゃあると邪魔。顔認識カメラも迷うだろう。MOBはカオナシの方がメインキャラに意識が集中するので演出上むしろ必要なのではないか。手抜きとは限らない。
違和感なし↓
https://bocchi.rocks/
違和感ありまくり↓
https://bocchi.rocks/stage/
例えば、この絵。特に違和感を感じないが、実写でエキストラが全員のっぺらぼうだったらチョー恐い。つまり、人間の脳は、2次元の絵はウソだらけであることを普段から許容しているため、髪色に関しても特に違和感を覚えないのではないかと。
自分がよく例に出すのは鉄腕アトムの髪形。どの方向から見ても2本の角みたいに描かれてるが、現実ではあり得ないため、アトムを実写化すると違和感ありまくりだ。
顔は人間の意識を引くので、主人公以外の表情がごちゃごちゃあると邪魔。顔認識カメラも迷うだろう。MOBはカオナシの方がメインキャラに意識が集中するので演出上むしろ必要なのではないか。手抜きとは限らない。
違和感なし↓
https://bocchi.rocks/
違和感ありまくり↓
https://bocchi.rocks/stage/
寝物語を子守用と誤用するネット作家が多い。古文の授業は寝てたのだろうか ― 2023年08月12日 18:03
前に書いたmountの誤用に似たようなことだが。最近、オンライン連載の小説、特に、転生や異世界物で、寝付きの悪い子どもに子守歌代わりに聞かせる話という意味で「寝物語」を使っている例をけっこうよく見かける。あまりに多いので誤用の方が正しいかのような認識が広まりそうな雰囲気さえある。言うまでもなく、寝物語とはpillow talkの事で、大人の男女がするもの。古今東西の小説を読んでいれば幼児に寝物語を聞かせる用法はない事は分かりそうなものなのだが。ゲームとかだけで言葉を覚えているのだろうか。素人がネットにアップしているだけの作品はともかく出版社が書籍化した人気作でも見かける。編集と校正のプロであるはずの担当編集者は何をしているのだろう。ややこしいのは、現代日本とは児童虐待の倫理が違う中世的な異世界を舞台にしたオンライン小説だと、本来の意味で幼児に寝物語するなどと分かってて書いてるクレイジーな作者がいないとも断言できない点だ。どっちにせよ誤解を生む表現。仮にも作家を名乗るなら日本の雅を疎かにするような言葉遣いはしてほしくないものだ。
自分はいつどこで寝物語という言葉を知ったのか思い出せないが、明確に記憶にあるのは筒井康隆が陪審員制を戯曲にしたコメディ「12人の浮かれる男」。それはこんなシーン。討議の中で、陪審員六号は、被告の病身の妻に下心を持って会いに行ったと打ち明ける。「案の定、うまく口説くことができて・・・」と。陪審十号は「陪審法違反だ。犯罪行為だ」と激高。しかし、六号は「被告の女房とそういう仲になったからこそ、法廷に出なかった新しい事実をつかむことができたんです」とうそぶく。「じつは、被告の女房が寝物語にわたしに喋ったところによると、・・・」。これが寝物語の正しい用法だ。
正式な夫婦の場合でも寝物語と言うが、ふだんから普通に会話している男女より、むしろ、どちらかというと、平安時代の夜這いや現代のワンナイトラブ、浮気など不安定・その場限りの関係の場合に多用される言葉だ。ハニートラップなど昼間は口の固い人物から重要な情報を引き出す手段としても使われる。
画像のwikiの解説はどっちの意味か分からない。
自分はいつどこで寝物語という言葉を知ったのか思い出せないが、明確に記憶にあるのは筒井康隆が陪審員制を戯曲にしたコメディ「12人の浮かれる男」。それはこんなシーン。討議の中で、陪審員六号は、被告の病身の妻に下心を持って会いに行ったと打ち明ける。「案の定、うまく口説くことができて・・・」と。陪審十号は「陪審法違反だ。犯罪行為だ」と激高。しかし、六号は「被告の女房とそういう仲になったからこそ、法廷に出なかった新しい事実をつかむことができたんです」とうそぶく。「じつは、被告の女房が寝物語にわたしに喋ったところによると、・・・」。これが寝物語の正しい用法だ。
正式な夫婦の場合でも寝物語と言うが、ふだんから普通に会話している男女より、むしろ、どちらかというと、平安時代の夜這いや現代のワンナイトラブ、浮気など不安定・その場限りの関係の場合に多用される言葉だ。ハニートラップなど昼間は口の固い人物から重要な情報を引き出す手段としても使われる。
画像のwikiの解説はどっちの意味か分からない。
YOASOBI IDOL英語ver.収録CD届いた 推しの子 ― 2023年06月20日 19:15
AMAZONはリリース日より早く着くらしい。
◆YOASOBIビルボード日本初1位のウソ 上を向いて歩こうではないカラクリ
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2023/06/11/9593656
◆YOASOBIビルボード日本初1位のウソ 上を向いて歩こうではないカラクリ
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2023/06/11/9593656
YOASOBIビルボード日本初1位のウソ 上を向いて歩こうではないカラクリ ― 2023年06月11日 16:02

ヤンジャン連載をアニメ化した「推しの子」。さすがJUMPファミリー腐っても鯛。ここ数年のアニメで出色の出来。特に、第1話90分は圧巻の完成度。尻すぼみを心配したのだが、1クール終盤にさしかかっても全く失速の気配が見えない。とにかく、第1話だけは、一切の予備知識なしの白紙状態で見る事を勧める。ところで、YOASOBIによるオープニングテーマがビルボードで日本語楽曲初の1位になったというニュース。「あれ、坂本九のSUKIYAKI SONGがあるじゃないか」と普通は思うよね。実はこれアメリカを除いた世界でのトップなんだそうだ。といっても、アメリカを含めても9位だから大したもの。英語歌詞版も発表になって欧米のアニメオタクが狂喜してる。
◆YOASOBI「アイドル」が米ビルボード首位 日本語楽曲初の快挙 【推しの子】主題歌
https://news.tv-asahi.co.jp/news_geinou/articles/hot_20230607_040.html
◆YOASOBI / Idol (「アイドル」English Ver. )
https://www.youtube.com/watch?v=RkjSfZ30GM4
◆YOASOBI「アイドル」が米ビルボード首位 日本語楽曲初の快挙 【推しの子】主題歌
https://news.tv-asahi.co.jp/news_geinou/articles/hot_20230607_040.html
◆YOASOBI / Idol (「アイドル」English Ver. )
https://www.youtube.com/watch?v=RkjSfZ30GM4
YOSHIKIなどと同じ大きさだった ― 2023年06月04日 12:12
献花に行ってきた。事前にしつこく確認されただけあって、珍しく、鍛冶とか鍜治とかの間違いはなかった。ただ惜しむらくは順番。ちゃんと読み方も申込書に書いてあったのだが、あいうえお順なら壮一の方が先。価格は一律でランクワケがないので、YOSHIKIや高見沢俊彦などと同じ大きさになっていた。産経新聞の社長の名前などもあったが、相当な恩恵を受けた日テレなどの名前がない。たぶんだが、非公開でやった業界関係者だけのお別れ会で大枚をポーンと出したんじゃないかと想像する。しかし、一般ファンが見る所にも出してアピールしてないのは詰めが甘いなと。ちなみに思い出の写真の中央は、アマゾンに行く前パリで壮一が撮ったものだそうだ。戦車に乗ってるのもたぶんそう。
◆鍛治壮一の親友に哀悼を
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2023/05/06/9583633
◆松本零士さん今でも手書きだったのでしょうか
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2023/02/20/9564176
◆最後の社会部記者 鍛治壮一儀
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2022/03/19/9473885
◆鍛治壮一の親友に哀悼を
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2023/05/06/9583633
◆松本零士さん今でも手書きだったのでしょうか
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2023/02/20/9564176
◆最後の社会部記者 鍛治壮一儀
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2022/03/19/9473885
鍛治壮一の親友に哀悼を ― 2023年05月06日 17:09
それまで日本のSFヒーロー番組は永劫回帰。毎回、新しい怪人、怪獣、ロボットなど敵キャラが攻めて来て撃退するの繰り返し。異星人に一度ぼろ負けして絶滅寸前の人類を救うという目的で旅をする。そんな誰も見た事がない画期的なアニメ「宇宙戦艦ヤマト」が始まり、私が「これはすごい」と興奮しているのを見て、鍛治壮一がプロデューサーに取材に行った。それが元で、壮一はおそらく生涯の親友の一人だった松本零士と出会った。極め付けの飛行機マニア・メカマニア同士。意気投合するまで一瞬だったことだろう。各種の戦闘機などに乗りまくっていた壮一が自衛隊に話を付けて戦車やら潜水艦を体験してもらい、それをイラストにするメカゾーンという企画を連載した。その番外編がアマゾン旅行だった。
ある日、萩尾望都さんに松本さんから電話がかかってきた。「イースター島かガラパゴスか。行き先はまだ決まってないが、秘境に行くんですが、いっしょに来ませんか?」。そのころにロンドンで仕事があるというと、「じゃあ、パリ集合で」。パリからコンコルドに乗って、リオデジャネイロを経由し、アマゾンやインカ帝国の首都だったクスコの遺跡、ナスカの地上絵をこの目で見る旅に。漫画家のちばてつややヤマトのメインヒロインの声優麻上洋子も同行した。
萩尾さんが松本さんと壮一に驚いた事が2つあったという。はるか遠くから飛んでくる飛行機がまだ豆粒のように小さいのに、2人で「あれは○○だ」と機種を言い合っている。どうして分かるのか不思議がっていると、「萩尾さん。飛行機というものはどれ一つとして尾翼の形が同じ物はないんですよ」と見分けられる理由を話す。そして、ペルーなどで土産物などを売っている店に入ると、2人はいつまでたっても出てこない。一度などあまりにも遅いので、2人が店の外に出ると、乗ってきた車がいない。置き去りにして、他の人が先に帰ってしまったのだ。市場でも端から端まで店の前を何回も行ったり来たり。「男性であんなに買い物の長い人は初めて見た」とあきれたそうだ。
化石を含んだ地層でできたテーブルがあったり、編集者などの待合室に本物のANAのビジネスシートがあったり。戦闘機の照準器が仕事机の下に転がっていたり。各種の資料類も地層のように重なっていて、必要になったら大体の年代で場所が分かるそうだ。
絵を描くには本物を握ったときの重さや質感が重要だと言っていた。まあ、壮一の部屋も同様に(他人の目にはガラクタにしか見えない)物であふれている。しかし、松本さんは仕事に役に立っていても、壮一の場合、仕事に関係ないただの趣味だ。
そんな松本さんが理事として設立当初から加わっていたのが、日本宇宙少年団。「未来は青少年の心の中にある」が口癖で、例えば、九州から東京まで1人で出てきたときの夜行列車が999につながっているそうだ。ケガをしたり、おぼれかかったり、そういうすべての経験が今の職業や自分自身に結びついていると。教育は企業の製品開発などと違って、なかなか成果が目に見えない。そういうことで士気が低下してしまう教育関係者もいるのだが、松本さんの講演を聴いて、またがんばろうと勇気づけられることも多かったそうだ。
しかし、少年団が科技庁出身の理事長の無計画な経営で、用地買収までしたバブル期の宇宙のテーマパーク計画が失敗し、多額の負債で破綻の危機に。経営の経験がない松本さんは迷いながらも子どもたちの笑顔のために理事長を引き受ける。長年いっしょにやってきた職員のリストラもした。「漫画家とアシスタントはきつい締め切りを乗り切る運命共同体。デビューが決まって巣立っていくことはあっても、こちらから辞めさせた経験はないから本当につらかった」と自宅で話を聞いた。自腹で給料を払ってでも残したいと思って残した人が辞めてしまい、それだったら他の人を残せばよかったと泣きたくなるくらい後悔したり。
長年の作品での宇宙への功績や少年団の立て直しなどが認められ、小惑星にREIJIと名前が付いた。相当に喜んでいた。作品に補給基地として登場させたり、登場人物に「先祖にゆかりの星だ」と言わせたり。
「絵を描くために世界中のあらゆるところに行って、あらゆる物を見てきたが、地球だけはまだこの目で見たことがない。帰ってこれなくてもいいから宇宙に行きたい」と語っていたそうだ。その夢だけは果たせなかった。講演では、自分が昔立てた計画表では今頃は宇宙に行っていたはずだと。いつか子孫が本当にレイジに行ってほしいという夢が続いている。
◆F15に初めて乗った男 最後の社会部記者・鍛治壮一の書斎に眠る昭和-平成史
https://kajisoichi.hatenablog.com/
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15630075.html
ある日、萩尾望都さんに松本さんから電話がかかってきた。「イースター島かガラパゴスか。行き先はまだ決まってないが、秘境に行くんですが、いっしょに来ませんか?」。そのころにロンドンで仕事があるというと、「じゃあ、パリ集合で」。パリからコンコルドに乗って、リオデジャネイロを経由し、アマゾンやインカ帝国の首都だったクスコの遺跡、ナスカの地上絵をこの目で見る旅に。漫画家のちばてつややヤマトのメインヒロインの声優麻上洋子も同行した。
萩尾さんが松本さんと壮一に驚いた事が2つあったという。はるか遠くから飛んでくる飛行機がまだ豆粒のように小さいのに、2人で「あれは○○だ」と機種を言い合っている。どうして分かるのか不思議がっていると、「萩尾さん。飛行機というものはどれ一つとして尾翼の形が同じ物はないんですよ」と見分けられる理由を話す。そして、ペルーなどで土産物などを売っている店に入ると、2人はいつまでたっても出てこない。一度などあまりにも遅いので、2人が店の外に出ると、乗ってきた車がいない。置き去りにして、他の人が先に帰ってしまったのだ。市場でも端から端まで店の前を何回も行ったり来たり。「男性であんなに買い物の長い人は初めて見た」とあきれたそうだ。
化石を含んだ地層でできたテーブルがあったり、編集者などの待合室に本物のANAのビジネスシートがあったり。戦闘機の照準器が仕事机の下に転がっていたり。各種の資料類も地層のように重なっていて、必要になったら大体の年代で場所が分かるそうだ。
絵を描くには本物を握ったときの重さや質感が重要だと言っていた。まあ、壮一の部屋も同様に(他人の目にはガラクタにしか見えない)物であふれている。しかし、松本さんは仕事に役に立っていても、壮一の場合、仕事に関係ないただの趣味だ。
そんな松本さんが理事として設立当初から加わっていたのが、日本宇宙少年団。「未来は青少年の心の中にある」が口癖で、例えば、九州から東京まで1人で出てきたときの夜行列車が999につながっているそうだ。ケガをしたり、おぼれかかったり、そういうすべての経験が今の職業や自分自身に結びついていると。教育は企業の製品開発などと違って、なかなか成果が目に見えない。そういうことで士気が低下してしまう教育関係者もいるのだが、松本さんの講演を聴いて、またがんばろうと勇気づけられることも多かったそうだ。
しかし、少年団が科技庁出身の理事長の無計画な経営で、用地買収までしたバブル期の宇宙のテーマパーク計画が失敗し、多額の負債で破綻の危機に。経営の経験がない松本さんは迷いながらも子どもたちの笑顔のために理事長を引き受ける。長年いっしょにやってきた職員のリストラもした。「漫画家とアシスタントはきつい締め切りを乗り切る運命共同体。デビューが決まって巣立っていくことはあっても、こちらから辞めさせた経験はないから本当につらかった」と自宅で話を聞いた。自腹で給料を払ってでも残したいと思って残した人が辞めてしまい、それだったら他の人を残せばよかったと泣きたくなるくらい後悔したり。
長年の作品での宇宙への功績や少年団の立て直しなどが認められ、小惑星にREIJIと名前が付いた。相当に喜んでいた。作品に補給基地として登場させたり、登場人物に「先祖にゆかりの星だ」と言わせたり。
「絵を描くために世界中のあらゆるところに行って、あらゆる物を見てきたが、地球だけはまだこの目で見たことがない。帰ってこれなくてもいいから宇宙に行きたい」と語っていたそうだ。その夢だけは果たせなかった。講演では、自分が昔立てた計画表では今頃は宇宙に行っていたはずだと。いつか子孫が本当にレイジに行ってほしいという夢が続いている。
◆F15に初めて乗った男 最後の社会部記者・鍛治壮一の書斎に眠る昭和-平成史
https://kajisoichi.hatenablog.com/
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15630075.html
松本零士さん今でも手書きだったのでしょうか ― 2023年02月20日 14:50
長編だけでなく、何のことはない短編集なども好きでした。ネアンデルタールの話とか。「爆撃機で絶対に越えるのが不可能とされた山脈を必死に制覇してパイロットが後ろを振り返ってみれば・・・」という戦場物シリーズとか。ヤマトとかの絵では月並みなので、そのころに読んだばかりの潜水艦スーパー99の主人公の絵をお願いしたら、「よく覚えてないな」とおぼつかない絵を描いていただきました。アルカディア号などの艦橋にある計器類の特徴的なデザインはよく真似されるのですが、海外でもオリジナルは誰かよく伝わっていて、 leiji matsumoto meter (零士メーター)と呼ばれています。そういえば、宇宙物でも、戦記物でも、四畳半物でもない、珍しく永井豪のような青年コミック誌向けのセクサロイド、ミステリーイブなんて作品もありましたね。世界レベルの人気の創作物に比べてあまり知られてませんが、宇宙少年団の理事長としても長年子どもたちの夢を育て大事にしていました。ご冥福をお祈りします。
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