政府専用機、勝手に映ってんじゃねえ 三鷹の電波航法研究所にて2019年04月24日 18:03

ADS-Bのデモ画面
 三鷹の電波航法研究所という施設が一般公開していたので見に行った。
お目当ては、航空管制用の航空機監視システムのデモ。三鷹で半径400kmぐらいをカバーしている。
スクリーンに映るオレンジの△は二次監視レーダー(SSR)による航空機の位置。緑の点は最新の方式ADS-Bによるもの。
 説明の技術者に「以前に政府専用機の位置が映っちゃって、政府が出さないでくれって言ったのがニュースになってましたよね」と話しかけた。すると、その職員、かなりムッとして、「出すなってのはおかしな話ですよ。自分でスイッチ切れって話ですから」。ちょっとオコ。
 どういう事かというと、このADS-Bというのは航空機がGPSで測った自分の位置や高度、速度などを放送するシステム。で、その電波はアマチュアでも安いアンテナを立てれば受信できて、世界中のアマチュアからの情報をリアルタイムで公開しているサイトがある。そのサイトを見ると、日本の政府専用機がどこをどう飛んでるか分かってしまう。いやなら、政府専用機のADS-B放送をOFFにしろということ。ちなみに数千円のアンテナで100kmぐらいの範囲のADS-Bの信号を傍受できるそうだ。

 戦闘機も映る? 民間機の邪魔に

 「訓練中の戦闘機がこのADS-Bのスイッチを切り忘れて、民間航空機に迷惑をかけたこともあるんです」という。このADS-Bの電波は航空機でも受信できるから、お互いの位置を知ることができる。そのため、衝突防止にも利用されている。
 衝突防止装置はお互いの位置と速度、進行方向からその後の両者のコースを予測する。民間機は航路に沿ってほぼまっすぐ飛ぶからある程度距離があれば衝突の危険はない。だが、戦闘機は急旋回など民間機ではあり得ないような動きをする。距離はあっても、飛行方向がこちらを向けば、衝突コースを予想して、装置が警報を出すことがあるんだそうだ。
 二次監視レーダーは、レーダーから出る問い合わせの電波に、航空機のトランスポンダが応答の信号電波を出す。レーダーは応答の来る方向に加え、問い合わせと応答の往復時間から距離を求め、位置を知る。
 ADS-Bはこの応答装置を使うが、GPSの受信装置を加え、ソフトも変える必要がある。欧米では2017年までにADS-Bを義務化する予定だったが、間に合わず、2020年から義務化に。欧米の民間航路の近くを飛ぶ場合は軍用機であってもADS-Bをonにしなければならなくなるそうだ。
 さて、係の人に質問。
「レーダーは本当に航空機の場所がわかりますが、ADS-Bは自己申告だから、ウソをつけば全然違う場所にいるとだませるんじゃないですか?」
「そうなんです。それで、それを確かめる研究もやってます」
「どうやるんですか?」
「複数の場所でADS-Bを受信し、その時間差がADS-Bの情報と矛盾しないか調べます」
「この二次監視レーダーの位置情報とADS-Bの位置情報が矛盾したらどっちを信じるんですか?」
「統合して表示するので、両方表示することはありません。統合の段階で判断することになると思います。レーダーは物理的に計測しているので、だますことは難しいと思いますが」
 マニアしか来ないと思ったら、けっこう親子連れの行列が。でも、行列はスタンプラリーのせいで、展示自体に興味があるわけではないようだ。

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