豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(2)寒鰆 ピンク色は赤身白身どっち? ― 2025年02月07日 21:41
サワラ(鰆) スズキ目サバ科サワラ属
昔、築地場内の寿司大で初めてサワラの寿司に出会った。最初、ワラサ(ブリの小さいの)の聞き間違いかと思った。サワラは西京焼きでしか見たことがなかったので、生で食べるという発想がなかった。今では、4大好きな寿司ネタに入っている。
魚へんに春と書くとおり、関西では春が旬。瀬戸内海に上ってくるのが春だからだ。釣りをする関西の知人から秋にもサワラの旬があると言われたことがある。だが、江戸前ではなんと言っても真冬に食べる寒鰆がうまい。ブリよりもやわらかく、脂はあっさり。左はハラモで脂がのっている。醬油で。右はポン酢で。
寿司大では、釣りのサワラにこだわる。頭から突き刺さる刺し網で取ると身がぐずぐずになってしまい、握りのネタに向かないのだ。寿司大に似た名前の築地場外の寿司屋で、態度の悪い店員に「サワラなんて、そんな大してうまい魚じゃないですよ」と言われてむっとしたことがある。神田の老舗の頑固な職人が怖いのとは別種の不愉快さだった。
サワラの身はピンク色。白身と赤身のどちらなのだろうか。
おさかな普及センター資料館によると「赤身、白身の生物学的な意味とすしの意味は違う」そうだ。焼き魚の皮をはずすと、頭から尾にかけて茶色の筋が通っている。血合いと呼ばれる赤色筋(遅筋)だ。文字通り血管が多い。生物学的には血合い筋が赤身で、それ以外の普通肉(普通筋)と呼ばれる白色筋(速筋)が白身だ。
すしの赤身、白身は、普通筋が赤いか白いかで分ける。マグロなど血合いの多い魚は普通筋も赤いことが多いので、混同されているらしい。決め手はミオグロビンという赤い色素の量だ。
ある時、水産関係の学会で100グラム中に10ミリグラム程度が境ということになった。それぐらいの濃度で赤みを帯びて見えるからだ。この基準でいうと、サワラは赤身に入る。ほかに、アジ科のシマアジやブリ属の「御三家」(ブリ、ヒラマサ、カンパチ)も赤身だ。
もっとも、「もともと江戸前の赤身はマグロとカツオ、白身はタイとヒラメぐらいだった。それ以外の区別に必然性はあまりない」そうだ。
◆今日の18貫
ヒラメのえんがわ、京都のブリ、勝浦金目鯛昆布〆、サヨリ、タイラギ、北寄貝、銚子のメカジキ、石鯛、さわらハラモ醤油、さわらポン酢、佐渡ヶ島のメジマグロ、コハダ、スミクイウオ、赤貝、千葉の真鯛、カンパチ、ウニ、車海老
その他
お通し まぐろのアヒージョ
卵焼き
穴子肝塩焼き、赤貝の肝
中落ち巻き
◆今日の酒
濁りがなかったので、薄濁りの天明(旨辛)、男山(スッキリ)
■豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)のぶっこ
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/01/20/9748644
昔、築地場内の寿司大で初めてサワラの寿司に出会った。最初、ワラサ(ブリの小さいの)の聞き間違いかと思った。サワラは西京焼きでしか見たことがなかったので、生で食べるという発想がなかった。今では、4大好きな寿司ネタに入っている。
魚へんに春と書くとおり、関西では春が旬。瀬戸内海に上ってくるのが春だからだ。釣りをする関西の知人から秋にもサワラの旬があると言われたことがある。だが、江戸前ではなんと言っても真冬に食べる寒鰆がうまい。ブリよりもやわらかく、脂はあっさり。左はハラモで脂がのっている。醬油で。右はポン酢で。
寿司大では、釣りのサワラにこだわる。頭から突き刺さる刺し網で取ると身がぐずぐずになってしまい、握りのネタに向かないのだ。寿司大に似た名前の築地場外の寿司屋で、態度の悪い店員に「サワラなんて、そんな大してうまい魚じゃないですよ」と言われてむっとしたことがある。神田の老舗の頑固な職人が怖いのとは別種の不愉快さだった。
サワラの身はピンク色。白身と赤身のどちらなのだろうか。
おさかな普及センター資料館によると「赤身、白身の生物学的な意味とすしの意味は違う」そうだ。焼き魚の皮をはずすと、頭から尾にかけて茶色の筋が通っている。血合いと呼ばれる赤色筋(遅筋)だ。文字通り血管が多い。生物学的には血合い筋が赤身で、それ以外の普通肉(普通筋)と呼ばれる白色筋(速筋)が白身だ。
すしの赤身、白身は、普通筋が赤いか白いかで分ける。マグロなど血合いの多い魚は普通筋も赤いことが多いので、混同されているらしい。決め手はミオグロビンという赤い色素の量だ。
ある時、水産関係の学会で100グラム中に10ミリグラム程度が境ということになった。それぐらいの濃度で赤みを帯びて見えるからだ。この基準でいうと、サワラは赤身に入る。ほかに、アジ科のシマアジやブリ属の「御三家」(ブリ、ヒラマサ、カンパチ)も赤身だ。
もっとも、「もともと江戸前の赤身はマグロとカツオ、白身はタイとヒラメぐらいだった。それ以外の区別に必然性はあまりない」そうだ。
◆今日の18貫
ヒラメのえんがわ、京都のブリ、勝浦金目鯛昆布〆、サヨリ、タイラギ、北寄貝、銚子のメカジキ、石鯛、さわらハラモ醤油、さわらポン酢、佐渡ヶ島のメジマグロ、コハダ、スミクイウオ、赤貝、千葉の真鯛、カンパチ、ウニ、車海老
その他
お通し まぐろのアヒージョ
卵焼き
穴子肝塩焼き、赤貝の肝
中落ち巻き
◆今日の酒
濁りがなかったので、薄濁りの天明(旨辛)、男山(スッキリ)
■豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)のぶっこ
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