今日は母の90歳の誕生日2023年01月17日 18:24

今日は母の90歳の誕生日
今日は母の90歳の誕生日。十日余り前に逝ってしまったが。小春日和(indian summer)のことをドイツ語ではWitwe sommer(未亡人の夏)とも言うそうだ。やはり、父がいなくなったことで張りをなくしていたのだろう。もう少しだけ自分のことを後回しにしてケアすればよかったかなと思う点がなくもない。だが、間接的に聞いた話では母は自分がいることで僕の仕事の妨げになったり、僕が楽しみにしていることをあきらめたりすることを最も嫌がっていた。僕は極めて自分本位、自分第一優先の人間。親が子どものために何かを犠牲にするのは当たり前、嫌なら子どもを持つな、でも、子どもが親のために何かを犠牲にする義務も必要もないと思う。葬儀の翌日には前から楽しみにしていた少人数の新年飲み会に参加したし、来週は後輩と飲む約束があるし、できるだけ今までと何も変わらない生活を普通に送ろうと努めている。親のために何かを犠牲にしたことは何一つないと胸を張って言えることが最大の親孝行だと。

土曜は寅さん生活再2021年10月23日 12:04

土曜は寅さん生活再
 BSテレ東で1年間続いた「土曜は寅さん」がこの3月に終わったが、たった半年でまた第1作から放送が始まった。見逃したのもあるのでまた見るが。40作ぐらいを通してみて感じたのは、どんなすごい超人気女優をマドンナに連れてきても結局、誰も桜には勝てないってこと。最後は桜の引き立て役。おいしいところは桜が全部持って行く。何があっても兄を心配し続ける桜だが、時にもっとも厳しい言葉もはっきり言う。
 一番響いた言葉は、第13作。第9作で寅さんの片思いを見事に粉砕し、幸せな結婚をしたはずの歌子(吉永小百合)が再登場。ちなみに同じ役でマドンナを再演したのはリリーの浅丘ルリ子以外ほかにいない。歌子が柴又で笑顔を取り戻し、この日々がずっと続けばいいと思ってるであろう寅さんに桜は「それはお兄ちゃんが幸せなだけで歌子さんが幸せなのとは違う」と静かなハンマーのような一撃。兄に幸せになってもらいたいという気持ちが他の誰よりも強いのに、そのために何かを見失ったりしない真に強い女性。
 毎回オープニングの寅さんの夢のシーンは本当に夢だったら危ないと心理学者が言ってたが、寅さんではなく、要は山田洋次にとって倍賞千恵子が永遠のマドンナだって事だと思う。

尊敬と好きは違う2021年07月25日 14:50

尊敬と好きは違う
 数年前、「プロの声優200人が選んだスゴイと思う声優ランキング」という特番をテレ朝がやっていた。レジェンド野沢雅子を押さえて1位になったのは山寺宏一だった。ライバルからの評価はファンからの評価より貴重だ。絶対嬉しいはずなのだが、素直に喜べなくて引きつっていた。野沢といえば、ドラゴンボール悟空、悟飯、ゲゲゲの鬼太郎、999の鉄郎、怪物くん・・・。ヒット作の主役を務め続けてきた生けるアニメ史。専門の物まね芸人がいる唯一の声優(*1)ではないか。同じ道のプロが山寺を選んだのは、状況に応じていかなる声も音も出せるその技術力に対する素直な驚嘆からだろう。
 でも、これが、「凄い声優」ではなく「好きな声」だったら全く違う順位になったのではないか。山寺は器用に何でもこなす。だが、一度聞いたら忘れられない声ではない。どんな場面で聞いてもすぐ「あの声だ」とはならない。野沢に限らず、八奈見乗児(ヤッターマンのボヤッキー)など昔の声優はそんな声の持ち主ばかりだった。
 私にとってはボトムズのロッチナやザブングルのふざけた予告である銀河万丈の声と言ってもピンとこないだろうが、なんでも鑑定団のナレーションと言えば誰でも分かるだろう。同じくシスコ司令の声・玄田哲章はターミネーターなどの吹き替え。プリズン・ブレイクの小悪党ティーバックの声・若本規夫はすべらない話のナレーション。どこか壊れたイケメン(俳優で言えば忍成修吾)の声・石田彰。これらの声はどんな場面で出てきても「あ、あの声だ」と瞬時に分かる。
 女性ならエヴァの葛城ミサト(三石琴乃)のナレーション。地獄から来たサイコパスな殺し屋の声・能登麻美子。規範を無視する姫役・早見沙織。口より先に拳でツッコミを入れるバイオレンスなキャラなら追随を許さない戸松遥。
 山寺が役者で言えば「えっ、この役やってるのアレと同じ人?」と驚かせるカメレオン俳優なら、この人たちは、高倉健がどの映画に出ても高倉健でしかないような存在感のある声。ハスキーだったり、ローバリトンだったり、持って生まれた特徴ある声質に独特な発声法が加わって、他人が真似できない声なのだ。
 人気ナンバー1とかで最近よくバラエティーで見かける花澤香菜もかなり特徴的なのだが、上記の人たちほど決定的でない。若手声優に意図的に寄せてるんじゃないかと思うような似た声の持ち主が結構いる。あういう後輩声優たちが声物まねをしたら、「プロ」のマニア(*2)ならともかく私らには区別がつかないだろう。

*注
(1)ルパン三世の山田康雄逝去の後、本物になってしまった声まね芸人・栗田貫一はいるが。
(2)アイドルのマニア「ドルオタ」に対し、声豚(コエブタ)と呼ぶそうだ。

歌って踊れないと作家になれないが如き 声優業の理不尽2021年03月20日 14:34

歌って踊れないと作家になれないが如き 声優業の理不尽
何と女性だけで掲載数955人。男性を含めると1500人を超えるそうだ。いくら需要が増えてるといっても仕事は特定の人気者に偏っている気がする。
声優のアイドル化は宇宙戦艦ヤマトの森雪(麻上洋子)ぐらいの頃から始まってるが、生身で表に出てきて、ライブ活動までする風潮は嫌いだ。
持って生まれた声質に、発声の技術。声優業とは高度な技に支えられた職人芸。ところが、最近は、歌って踊れないと、事務所の面接にすら通らないと聞く。まあ、歌はそういう役もあるから、うまい方がいいけど、表に出る役者だって音痴はいる。ましてや踊りって。歌と踊りがうまくないと出版社に作家デビューさせてもらえないとしたら。陶芸家になれないとしたら。そう考えたらその奇妙さが分かるだろう。作家なら、才能さえあれば、今は小説サイトに書いて、いずれは出版されるという道も開ける。声優は、自分の力だけで作品を作るというわけにはいかず、オーディションに受からない限り仕事はない。アイドルみたいな服を着て、歌って踊れないと、声の仕事につけないっておかしくないか。それに、何より、作品世界のイメージが壊れるので、生身で出てきてほしくない。
 タレントや役者より出演料は格安な割に一定の固いファンがいるから、制作費を削っているテレビ側に取っては便利。アニメは作品本体だけでは元が取れないから、グッズ、CD、ライブで稼ぎたい。双方の利害が一致しているんでしょうけど。

このタレントの白血病は池江選手と同じ2019年12月27日 12:20

 たまにはブログタイトルらしい話題を。
このタレントの白血病は池江璃花子選手と同じ急性リンパ性。
◆「売名だね」ネットに悪口 白血病公表した彼女のいま
https://digital.asahi.com/articles/ASMDF5X2RMDFUFEV002.html?iref=pc_ss_date

 以前、池江選手の詳しい診断名は本人が進んで公表しない限り、SNSや雑誌などでの詮索は止めてあげて欲しいと書いた。自ら公表したという事は検査結果の数値などかなり治療結果がいいからなのだろうと個人的には期待している。
◆「病名・白血病」は「好きな食べ物・麺類」と答えるような物
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2019/02/16/9036845

「病名・白血病」は「好きな食べ物は麺類です」ぐらいだとすれば、急性リンパ性白血病は麺類がパスタに限定されたという所だ。
 白血病にもいろいろあり、慢性骨髄性白血病は分子標的薬の進歩により薬だけで完治が可能かもしれないと期待されている。急性に関してはそれほど効果の明確な分子標的薬はまだない。最初は抗がん剤を使う化学療法で白血病細胞(がん細胞)を叩くが、白血病細胞の活動を押さえ込めたところで、若くて体力があれば移植に進むのがまだ一般的。
 造血幹細胞移植というと、まるで、移植自体が白血病の治療のように聞こえるが、実際に治療に使われているのはやはり抗がん剤だ。一般の化学療法よりずっと大量で強力な抗がん剤を使い、さらには放射線もプラスして体内の白血病細胞を徹底的に破壊する。何でこんな事ができるかというと、白血病細胞などのがん細胞は生きている細胞だから大量の抗がん剤や放射線で死ぬが、赤血球は元々生きた細胞ではないので死なないのだ。ただし、体を外敵から守る免疫細胞(白血球)や血液をつくる造血幹細胞も白血病細胞もろとも死んでしまう。そこで、他人の造血幹細胞を取って点滴で体に入れる。移植された細胞が定着して新たな免疫細胞などが増え出すまでウイルスなどの外敵から身を守れないので、感染症などになると非常に危険だ。
 近年、移植自体にも補助的な治療効果がある事が分かってきた。白血病細胞のようながん細胞は日々体内で生まれているが、生まれてもすぐ免疫細胞の攻撃を受け、壊される。そんな中、免疫細胞の攻撃をうまくかわす戦略を身につけたがん細胞が増えて、がんになるのだ。がん細胞は本人の正常な細胞から生まれるから免疫の攻撃を元々受けにくい性質がある。
 造血幹細胞移植で新たにつくられる免疫細胞は患者とは他人のものだ。逆に新たな免疫細胞側から見れば、患者の白血病細胞も他人なので積極的に攻撃する。これまで患者自身の免疫はかわしてきた白血病細胞も勝手が違い、やられてしまう。これを「移植片対白血病効果(GVL効果)」という。ただし、これは患者自身の細胞にも言える事で、移植でできた他人の免疫細胞が患者の臓器を襲うGVHD(移植片対宿主病)という危険な副作用と諸刃の剣だ。GVHDが起きないよううまくコントロールしながら、GVLで白血病細胞を根絶やしにし、再発を防ぐというのが治療戦略だ。

逆に新木が可哀想 アンタ復活功労と勝手に誤報され 台本上の小手の代わりは誰?2019年12月03日 09:32

 女優の新木優子が「アンタッチャブル復活のきっかけを作った」というネットの書き込みがけっこうある。ネタ元は、スポーツ報知や読売のサイトに載っている記事らしい。記事を真に受けている反応が多いのには呆れた。テレビの内容はほとんどが嘘だという事がいまだに分かってない人がこんなにいるとは。あの番組はゲストの芸人(今回でいうと、アンタッチャブルの柴田)以外の出演者は全員事前に綿密に打ち合わせた通りの発言をしている。新木がアンタッチャブルのファンというのも台本に書いてある事で、本当かどうかは分からない。新木は尼神インターの自転車ケツ止めというキツイ持ちギャグを「やります」と手を挙げ、サンマを感動させた事がニュースになるぐらいだから、お笑い好きなのは本当だろうが。
 まさか、俳優の小手がザキヤマの代わりに柴田と漫才をしている最中、ネタが飛んだフリをしたのも、ホントだと思っているのだろうか?
あれぞ、俳優の演技なのに、気の毒すぎる。
 それにしても、これを書いた記者は番組(DNN)をマジだと思っているのか、嘘だと分かっているのにワザとああ書いてミスリードしたのか。どちらにしても罪な行為だ。バカなアンチに新木が「復活の手柄を捏造した」などと責められたらどうするのだ。
 甥っ子に指摘されたのだが、この記事の「きっかけ」はコントに入る合図という意味で、功労者という意味ではないと逃げられるように書いている。読者がそう取らないのが分かっていてワザと見出しに取っている。ブログならまだしも、新聞がこういう卑怯姑息な書き方をするのは嫌いだ。

 私の趣味の一つに、「バラエティーのどこまでが嘘で、どこからが本当か」を推理して楽しむというのがある。今回のDNN、柴田とアナウンサーと新木と各識者コメンテーターが事前にザキヤマの事を知らされてなかったというのだけが本当で、それ以外はすべて嘘というのが、私の見立てだ。とすれば、新木やアナウンサーに配られた台本には俳優・小手の代わりに誰が登場すると書いてあったのか知りたい。
 あの日の番組には3つの台本があったはずだ。柴田が渡された何が起きるか書いてない台本。ほかの演者が綿密に打ち合わせた、ザキヤマが出てくるまではほんとの台本。スタッフと有田だけが知っているザキヤマ登場のほんとの台本。ただし、秘密を守るため、3つ目は配ってないかも。

https://hochi.news/articles/20191130-OHT1T50082.html
>新木は、同番組で「アンタッチャブルさんが好きで。でも最近アンタチャッブルさんの漫才を見る機会が少なくなってきたというか、残念というかせっかくだから見たいですね」と明かし、復活のきっかけを作った。

有田とザキヤマの特別な関係 どっちからなのか知りたい2019年12月02日 13:02

 土曜の朝から甥っ子と前夜のDNNでの電撃的アンタッチャブル復活の話題でLINEが盛り上がった。
さて、今回の件はくりぃむしちゅー有田とアンタッチャブル山崎の特別な関係(師弟というか舎弟というか例えや例示が難しいが)があったればこそ成立したのは間違いないが、裏話としてぜひ知りたいのは、どっちからの話なのか。3パターンが考えられる。

1)有田が「おれの番組でアンタッチャブル復活しろよ」と持ち掛けた。
2)ザキヤマが「有田さんの番組でアンタッチャブルの復活やらせてください」と持ち掛けた。
3)番組(DNN)スタッフが思いつき、ザキヤマと特別な関係がある有田に話を持ち込んだ。あるいは、有田の了承のもと、直接、ザキヤマに、申し込んだ。

さて、11/29夜のこの放送を見て、涙ぐんだという業界関係者も多いようだが、出演者が誰ひとり泣いていないことに感心した。柴田は泣くんじゃないかと思ったが、多少、瞳の水分が多めになったぐらいだった。演者の多くがアンタッチャブル復活の価値を理解してないからではないかという意見もあるが、女優の新木優子は、尼神の自転車ケツ止めを「やります」と手を挙げ、サンマを感動させたことがニュースになるほどの芸人好きだ。新木とアナウンサーは、知らなかったために、あまりの驚きで泣けなかったのだろう。事前に聞いていたら感極まって泣いたと思う。

 *アンタッチャブルとは、吉本と大阪・朝日放送(ABC)主催のM1で、東日本勢初、吉本芸人を破って優勝したコンビだ。M1で優勝するより何年か前にマネージャーにアポを申し込んだが、すでに多忙で無理だった。

写真であり得ない間違いのあり得ない理由の答え2019年11月21日 18:07

「後列に人気俳優ハンフリー・ボガートの姿もある」(写真の説明)
 石原軍団の活動の宣伝写真で、裕次郎を後ろの隅に立たせるぐらいあり得ない。
(たけし軍団ならシャレでやりそう)
もしも、自分がこの写真を撮りに行って、あり得ない事にボガートが後ろに立っていたら、「何してるんですか(Are you kidding me, sir ? )。前の真ん中、奥さん(ローレン・バコール)の隣に来てください」と絶対言う。万が一、カメラマンが「ボガートが後ろで目立たない写真」を持って帰ったら、上司にどれほどシメられるか想像するだに恐ろしい。
「おまえ、なんでボガート中心で撮らねえんだよ。これさ、ボガート夫婦だけ切って使うかもしれないとかそういう事も考える脳もねーのかよ、バカヤロウ」。コンプライアンスのないあの時代だったら灰皿が飛んで来るかもしれない。
ちなみにボガードと訛る人が多いのも間違い。ボガートだ。

写真であり得ない間違い2019年11月20日 12:12

なぜあり得ないのかの解説は後ほど。
ヒント 「写真に」ではない。「写真で」。

愛人を女優にしたんだ感覚2019年11月18日 12:06

 「桜を見る会」問題の何が悪いんだ?
大の大人なのに、こんな事を言ってるのが何人もいる事に衝撃を受ける。
中高で政経・公民の授業まったく聞いてなかったのかと問い詰めたい。
公選法違反などについて丁寧に教えてあげたが、それは略。
「それは分かったけど、そんな事はまあ別にいいじゃないか」
 公選法違反はそんな事ではない。
「これまでの首相や欧米の首相なら辞めてます」

 以前、これとは別のスキャンダルについて、お笑い芸人のコメンテーターがやはり「何が悪いのか分からない」と言っていた。
 何故分からないのか。
昔、映画会社新東宝の社長が自分の愛人を映画の主役級に何度も強引にねじ込む事が非難された。その社長の記者会見で、「記事に女優を妾にしたと書かれているが、これは間違いだ。女優を妾にしたのではない。妾を女優にしたんだ」と言い放ったそうだ。
 タレントたちが「何が悪いのか分からない」のはまさにこの感覚だろう。
彼らの生きてきた世界では、プロデューサーの愛人だったらいい役がもらえるのは当たり前なのだ。ましてや、首相の身内や親友や後援者だったら、国や政府、高級官僚からいろいろ特別な扱いをしてもらえるのは当然で、何が悪いのか分からないのだ。
 先々週、重盛さと美がダウンタウンの番組で「芸能界で生き抜いていくためには、エロい人にも悪い人にも好かれなきゃならない」と発言し、周りが「そんな事ない」と必死に打ち消していた。そのあわてぶりがむしろ「そうなんだろうな」と印象づけた。
 こういう芸能界の非常識な慣行に疑問を覚えないタレントを一般社会の事件に対するコメンテーターやキャスターとして使うのはどうかと思う。さらに困った事は一般社会に生きている人間まで、金持ち、有力者、有名人が行政から特別扱いを受ける事が間違っていると思わなくなってきている事だ。