茶巾は東京生まれ 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(5) ― 2025年05月26日 12:12
昔、東京にあった庶民的な大阪寿司店ではバッテラや太巻きなどといっしょに茶巾寿司を売っていた。握りや軍艦のように生ものを使ってない、火を通した具材でできた寿司はごっちゃにして大阪寿司扱い。なので、茶巾も大阪の寿司だと誤解している東京人は結構いた。
同じくいっしょにされていた稲荷寿司などはルーツがあいまいだが、茶巾は東京で生まれたことがはっきりしている。発明したのは、赤坂・有職の創業者だ。
創業者は、伏見宮家のお抱え料理人をしていた。宮家御膳所包丁人というそうだ。大正時代、宮家で茶会を開いた際、創意工夫して出した。好評で、伏見宮から茶巾の名を与えられた。
当時、伏見宮の本邸があったのは現在の千代田区紀尾井町。その場所はホテル・ニューオータニになっている。
ほかの皇族と同じく、明治維新で本拠を京都から移してだいぶ立っていた。とはいえ、宮家の料理人なら京料理の素養があるはず。茶巾寿司には京都の技法が相当に入っていたと考えられる。
有職では、小さめの茶巾を伏見と呼ぶ。伏見宮家への敬意であろうが、同時に伏見は宮家の名の由来となった本領の地名でもある。
大阪寿司に混同されていた茶巾寿司は大阪と関係なく、むしろ、京都ゆかりなのだ。
ちなみに、京都の割烹から始まった寿司チェーン「京樽」は、押し寿司や五目ちらしなどを上方寿司と呼んでいる。やはり、大阪人が大阪寿司とは言わないが、ましてや京都人などはもっと言わないのだ。
◆インド名物はインドカレーと言われたような違和感 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/19/9776452
◆大阪のお寿司との違いは? 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/21/9777055
◆いつから使われ出した?「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(3)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/23/9777235
◆残る老舗3店 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(4)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/05/25/9777405
同じくいっしょにされていた稲荷寿司などはルーツがあいまいだが、茶巾は東京で生まれたことがはっきりしている。発明したのは、赤坂・有職の創業者だ。
創業者は、伏見宮家のお抱え料理人をしていた。宮家御膳所包丁人というそうだ。大正時代、宮家で茶会を開いた際、創意工夫して出した。好評で、伏見宮から茶巾の名を与えられた。
当時、伏見宮の本邸があったのは現在の千代田区紀尾井町。その場所はホテル・ニューオータニになっている。
ほかの皇族と同じく、明治維新で本拠を京都から移してだいぶ立っていた。とはいえ、宮家の料理人なら京料理の素養があるはず。茶巾寿司には京都の技法が相当に入っていたと考えられる。
有職では、小さめの茶巾を伏見と呼ぶ。伏見宮家への敬意であろうが、同時に伏見は宮家の名の由来となった本領の地名でもある。
大阪寿司に混同されていた茶巾寿司は大阪と関係なく、むしろ、京都ゆかりなのだ。
ちなみに、京都の割烹から始まった寿司チェーン「京樽」は、押し寿司や五目ちらしなどを上方寿司と呼んでいる。やはり、大阪人が大阪寿司とは言わないが、ましてや京都人などはもっと言わないのだ。
◆インド名物はインドカレーと言われたような違和感 「大阪寿司」は東京土着民にしか通じない江戸の方言(1)
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