青色LED報道のウソ 小学生でも分かる証明2021年04月03日 14:17

>>LEDは1960年代に赤や緑が開発されたが
新聞やテレビでよくある誤解。「青色LEDが発明される前から緑色LEDはあった」というのは間違い。小学生でも分かる証明は以下の通り。
 赤や黄色やオレンジのLEDは遅くとも1970年代にはあった。もし、緑色LEDもあったのなら、青信号は緑色なんだから、赤、黄、緑でLED信号機がつくれたはず。緑もなかったから青色LEDができるまでLED信号機がつくれなかった。そういえば、最近のLED信号機の青信号って緑じゃなくて限りなく青に近い青緑だ。実際にあったのは黄緑色で、しかも発光が弱く実用に使えなかった。実用に耐えないものなら青色だって前からある。ちなみに、毎日新聞は「LEDは60年代に赤と暗い緑が実現した」と書いている。
 中村修二さんがノーベル賞の時のテレビのインタビューで「本当は緑もなかった。緑も我々がつくったんだ」と明確に言っていた。
NHKのように「この成果によって赤・緑・青の光の3原色のLEDがすべてそろい、フルカラーのディスプレイなどさまざまな分野でLEDの実用化の可能性を広げました」ならOK。青さえできてしまえば、青色の窒化ガリウムに少し混ぜ物をして緑をつくるのは簡単だったからだ。ただし、窒化ガリウムは青に最適な材料なので、緑は輝度が落ちる。
人間の目は、青に比べ、緑の感度がいいので、緑色LEDが少々暗くても大丈夫だ。でも、赤崎さんは、省エネの観点からは緑の効率をもっと上げたいと言っていた。
信号機が赤、黄、緑だったのも、波長が長い方が遠くまで届くことに加え、人間の目の感度が高く青よりもよく見えるからだろう。
 もう一つよくある間違いは、「赤、緑、青の3原色がないと白色電球がつくれない」。これは光学的にも生物学的にも間違い。青と黄色があれば白色を作れる。
実際、日亜化学が最初につくった白色LEDは、青色LEDと黄色の蛍光を組み合わせたもの。まだ緑のLEDがないうちに発売した。
「3原色がないと自然な白色はできない」ならOK。
黄色と青で作った白色LEDは赤成分がないため、肉のように赤色を反射して赤く見える物に当てるとどす黒くなってしまい、自然な色に見えない。そこで、いまは赤成分、青緑成分を少し混ぜるなど工夫をしている。赤と青緑も混ぜると白になるので、全体としては白。このような関係にある2色を互いに補色という。青色LEDのノーベル賞決定の時、テレビで自称科学ジャーナリストの寺門氏が「白色には3色必要、2色ではつくれない」と言っていた。2色あれば白は作れる事は、自称科学ジャーナリストですら意外に知らない事実なのだ。

https://this.kiji.is/750641052081258496?c=39546741839462401

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