一貫校内閣は同じ 閣僚18人交代した石破政権2024年10月25日 14:51

一貫校内閣は同じ 閣僚18人交代した石破政権
 石破茂首相の新内閣がスタートした。岸田文雄内閣からの続投は官房長官と国交相のみで、18人の閣僚が交代。新入閣は13人に及ぶ。
 顔ぶれががらりと変わった新内閣だが、閣僚の出身高を調べると、岸田内閣と不思議な一致点がある。どちらも過半数に当たる11人が中高一貫校(私立9、国立2)卒。そのうち、6人が東大合格者ランキング30位以内の一貫校出身なのだ。岸田内閣では開成出身の首相を始め、御三家の麻布、武蔵や国立の筑波大附属駒場、筑波大附属(いずれも東京)、関西の雄、灘(兵庫)。石破内閣では、開成、麻布、筑波大附属駒場、筑波大附属が共通で、ラ・サール(鹿児島)と栄光(神奈川)が加わった。
 三権のトップでは、最高裁判事の出身高がこれとよく似た傾向だ。国民審査広報によると、長官を含めた15人のうち、6人が一貫校。筑波大附属駒場、筑波大附属、麻布、栄光、ラ・サール、東大寺学園(奈良)。いずれも東大合格者ランキング30位以内で、石破内閣の6校で開成が東大寺学園に入れ替わった以外は同じ。
 東大合格者ランキング30位以内の8割にあたる24校が一貫校で、この24校で東大合格者の4割以上を占める。最高裁判事15人中11人が東大法学部出身だから、中高一貫校比率が高いのは当然といえる。
 だが、立法府の国会議員は違う。出身地でもある選挙区の地元の高校に通うことが多いから、全国の高校にばらける。例外は2世、3世議員で、首都圏の自宅から通うためか、慶応義塾高の比率が高い。30人弱で国会議員の出身高としてはダントツの1位。衆参両議院総数の約4%を占める。ちなみに、岸田内閣では4人いた同校出身の閣僚が石破内閣では2人に減っている。
 慶応も、中高の校舎が離れていたり、系列の複数の高校を進学先に選べるなどの特徴がある、変則的な一貫校の一種と見なせないこともない。となれば、一貫校比率はさらに上がる。
 閣僚が国会議員から「公平」もしくは「均等」に選ばれれば、首都圏の一貫校に偏ることはないはず。自民党の旧来のシステムでは、派閥の人数に比例して閣僚を割り振り、入閣待機組(衆院当選5回以上、参院当選3回以上)と呼ばれる議員を、適正とあまり関係なく大臣にしていた。官僚のカンペや代理答弁で乗り切るのだ。だが、過去には衆院当選8回でようやく初入閣したが、あまりにも国会答弁がひどくて3カ月で辞任に追い込まれた防衛庁長官(当時)もいる。第一次岸田内閣では引退間近の70代後半の議員2人が滑り込み初入閣し、物議を醸した。
 近年のように政府や与党の不祥事が続くと、当選回数が多ければ誰でもいいとはいかなくなる。不祥事が原因での閣僚交代もあるのに、所管する省庁のことが何も分かっていなくて失言するかもしれない議員を採用するのは厳しい。自ずと、政策通で一般社会の常識もわきまえている、官僚、銀行、商社などの経験がある議員から選ばざるを得なくなる。「末は博士か大臣か」と言われた時代ほどのあこがれやレア感はないが、子供を大臣にしたいならやはり一貫校の方が確率が高いかもしれない。

◆日本のノーベル賞受賞者の高校は 9割が公立出身 「受験勉強で測れる以外の能力や資質が決定的な場合も」
https://www.asahi.com/edua/article/15404535

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