法学部から外交官は凄いと思ったらそうでもないらしい2019年07月21日 10:33

 法学部からかつての外交官試験に受かるような人はとてつもなく凄いんだと思っていたら、そうでもないらしい。なぜ凄いのか。外交官試験は国家公務員の上級試験(甲種、1種など)とは別にあった超エリート選抜。そして、大学が戦後の新制度になって以来、この外交官試験の合格者を寡占してきた少数精鋭が東大教養学科なのだ。国家公務員上級や司法試験に受かる東大法学部生でも外交官試験にはほとんど受からなかった。つまり、教養学科こそ東大法学部を抜いて、日本の文系の頂点に立つ超秀才集団なのだ。教養学科OBには日本人初の国連職員・明石康さんなど多くの著名な外交官がいる。てゆうか主要な大使などはほとんど独占していただろう。
 教養学科アメリカ科(北アメリカ研究コース)の故・中屋健一教授は「就職難なんてうちのゼミの学生には関係ない。これまで100人採っていた企業が不況で10人しか採らなくなっても、うちの学生はその10人の中に必ず入るから」と豪語していたそうだ。
 外交官試験は、あまりにも外交官の選民意識を助長していると評判が悪く廃止され、今は外務省も霞が関の他の省庁と同じく通常の国家公務員試験で採用するようになっている。
 それほどの戦場・外交官試験に法学部から挑み、ガチで合格したんなら、さぞかし法学部の中でもトップの成績だったのだろうと。
 だが、いろいろカラクリがあって、ガチではないらしい。学歴ロンダリング的な東大法科でもありなようだ。これ以上書くと炎上するので、詳しい事は言わないが。
 ちなみにノーベル賞の大隅さんは教養学科から自然科学部門が分離してできた教養学部基礎科学科出身。研究者になろうと思っているのに、大学院のない学部に進むのは相当な変わり者。大学院に進んで研究者になるためには理学部など他学部の内部進学者を押しのけて院試に合格しなければならない。今みたいに学部生より院生の方が多い時代とは違う。院に残る人間が絞られるので、他学部から行くのは結構大変だったはず。

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