ブラックホール超軽いじゃん 素人のツッコミにまたも2019年05月01日 11:12

 M87銀河の超巨大ブラックホール。発表によると、半径は200億km、重さは太陽の65億倍。
素人からまたもツッコミが。
 体積は1正3000澗kg、重さは3300正立方メートル(正は0が40個、澗は36個並ぶ数の単位。澗は1兆の1兆倍の1兆倍。正はその1万倍)。密度を出すと、1立方cmで0.39μg。空気だったら0.0003気圧って超薄っ。ほとんど真空じゃん。
 どういうこと?
半径なんて書くからいけない。まあ、一般相対論の授業を受けた人間には常識だが、当然、素人には意味不明だろう。
 さて、ブラックホールには半径はない。まあ、半径ゼロで、密度無限大。一般相対論では特異点と言って、空間にできたゆがみかシミのような物。
 じゃあ、ブラックホールの半径って何かというと、それ以上内側に入ると、脱出できなくなる境界の事。ブラックホールもある程度遠ければ、その引力を逃れて脱出できる。しかし、その半径より近づくと、脱出に必要な速度が光より速くなるので、光や電波も含め、あらゆる物が戻って来られなくなる。ということは、その半径より内部の様子はいかなる方法でも知ることができない。この半径を物理学ではシュバルツシルト半径という。
 その半径の中で、物質は一様に広がっているわけではない。引き込まれた物質は、全部、中心の点に引き寄せられてぐしゃっとつぶれて、ブラックホールの点に取り込まれてしまう。
 電波が通り抜けられないため、黒く抜けて見える場所を「シャドー」と言う。今回の観測は電波望遠鏡でそのシャドーの範囲を決めた。実際に見えているシャドーの半径は500億kmで、シュバルツシルト半径の約2.5倍。これはブラックホールの引力で光や電波の進路が曲がる重力レンズ効果というやつで、虫眼鏡を使ったように大きく見えている。シュバルツシルト半径はブラックホールの重さに比例する。太陽だと約3km。200億kmという半径から計算して、ブラックホールの重さは太陽の65億倍と推定した。
 なお、シュバルツシルト半径は高校で習うようなニュートン力学でも求まる。人工衛星などが地球の引力から脱出するのに必要な速度(第2宇宙速度)は地球から遠いほど小さく、高度が低くなるほど大きくなる。で、この速度が光速になってしまう距離を計算すればいい。地球だと1mm弱ぐらいになるはずだ。
 またも素人のツッコミに1本取られた。しかし、密度を計算してみようとか思うのがエラい。

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