君の名前は間違っていると教師に言われた日2019年01月13日 11:04

 私の名字「鍛治」の「治」はサンズイだ。刀を作ったりする職業の「鍛冶」は冶金の「冶」、ニスイ。中学で漢文授業の初日、教師が出席簿を見て、「君の名前は間違っている」と言い、クラスが大爆笑になった。
 電話帳に基づく名字データベースによると、鍛治は全国に1000世帯ぐらいあるようだ。ニスイは400ぐらいで、若干、サンズイの方が多い。
 また、神田鍛冶町など、全国にカジ町があるが、やはり、サンズイとニスイは半々ぐらい。
手書きでは「治」をわざわざ難しい「冶」に間違える人はいなかったが、ワープロでは99%間違われる。
 カジを変換すると、最初から5番目ぐらいに鍛冶が出てくるからだ。しつこく変換キーを押すと次ページの14番目ぐらいに鍛治が出てくる。
 ワープロソフト一太郎のかな漢字変換プログラムATOKやマイクロソフトのMS-IMEなどには、最初、鍛治は入ってなかった。パソコンの記憶容量が限られていたので、よく使われる漢字や熟語優先で語彙が増えていったからだ。
 ただし、稀少名でも、一太郎を作っていたジャストシステムの浮川和宣社長の名前など会社に関連するものは早くから入っていた。さて、仕事でしょっちゅうジャストシステムの広報とFAXなどを送り合っていた頃、ATOK7で鍛治も収録された。きっと、鍛治をいちいち入力したり、登録するのがめんどうだったのだろうかと。
 以前、同僚に「鍛治さんのせいで大変な事になる所だった」とクレームを言われた事がある。能の小鍛冶について書いていたら、いつも私とメールをしていた癖で、つい、サンズイにしてしまった。あやうく間違えたまま出る所だったと。