だいぶ遠い他人のアヤカリタイ 金目鯛 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(6)2025年04月11日 15:46

だいぶ遠い他人のアヤカリタイ 金目鯛 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(6)
 「年が明けるとキンメの味が変わる。4月から6月が最高だね。今はまだ選ぶのが大変」と教えてくれたのは築地の頃の初代寿司大店長。築地の頃からキンメダイは寿司大の定番だ。「そのままだとだるーい感じなんで、昆布締めにしてあるんですよ」
 「東大講座 すしネタの自然史」(NHK出版)によれば、日本産魚類約3900種で、名前にタイ(ダイ)が付く魚は約360種類もいる。ほとんどがマダイとは無縁の別種。縁起がよさそうなところから名前を拝借した「あやかりタイ」だ。
 タイは日本人にとって魚の代名詞とあって、タテに平たい魚はなんでもタイ。キンメウオと言うのと同じだ。
 マダイ、クロダイ、チダイなどは分類上、同じスズキ目タイ科に属し、ヒト、チンパンジー、ゴリラぐらいの親類関係。科は違うが同じスズキ亜目のイシダイはメガネザルぐらいの関係だ。キンメダイは目(もく)が違うから、ヒトと牛やネズミぐらいの差がある。
 キンメダイ目は約1億年前に出現した古い種族。約6千万年前、より進化したスズキ目が現れ、幅をきかすと、深海へと追いやられていった。近海の浅い海にいる幼魚は、進化の道筋を繰り返すように成長につれ深い海へ行く。大陸棚のがけや海山、海丘など餌がいる斜面にすむ。

 「同じような場所を好むムツが日本周辺にしかいないのに、キンメダイは世界中にいる」という。
 深海魚は高圧の深海から地上へいきなり引き揚げられると浮袋の中の空気が調節できずに膨らみ、胃などの内臓が口から飛び出す。人間も急浮上すると高圧でむりやり溶けていた血液中の窒素が泡になり、潜水病を起こす。だが、キンメダイは平気だ。浮袋の中の空気を血液中と交換して排出する機構が多く、素早く対応できるらしい。
 今日は珍しく後輩と2人で訪問。やたら、リポートが的確で、「うまい」か「まずい」しかない自分とは大違い(まずいはないが)。「穴子の肝は、言われなければ魚の肝とはわからないぐらい全くくさみがない」。一方、赤貝の肝は逆に磯の香りが芳醇という。
 以前、店長に、四谷・ハ竹の大阪寿司を持って行くと約束したのだが、閉店最終日まで完売になってしまい、守れなかった。そこで、数少ない生き残っている大阪寿司「人形町志乃多寿司總本店」を持って行った。

キンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属

◆今日の10貫

塩釜大トロ、三重真鯒、千葉県のサワラ、金目鯛昆布〆、徳島のアジ、ひたちのスミクイウオ、山口県煮アワビ、小笠原のめかじき、東京エボダイ、車海老

その他

お通し メカジキ
卵焼き

帆立刺身(ワタ大蒜醤油) 、穴子の肝、赤貝の肝

とろ巻き

◆今日の酒
久平次、楽器

■のぶっこ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/01/20/9748644
■寒鰆 ピンク色は赤身白身どっち? 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(2)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/07/9753032
■豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました 番外 曇りSAKE
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/13/9753885
■黒鮪 海の可変翼戦闘機 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(3) スズキ目サバ科マグロ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/02/27/9757648
■アイナメ(鮎魚女)飯泥棒みたいな二つ名 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(4)カサゴ目アイナメ科アイナメ属
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9757858
■初鰹は本当は旬ではない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(5)
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/03/28/9764356

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://kajiyan.asablo.jp/blog/2025/04/11/9767684/tb