内村偽陽性ウソと騒ぐ愚者は算数苦手 無差別検査陽性は偽陽性率高くて当然2020年11月03日 09:32

内村偽陽性ウソと騒ぐ愚者は算数苦手 無差別検査陽性は疑陽性率高くて当然
 内村航平選手の偽陽性はウソではないかとネットで騒いでいる人たちがいるようだ。「偽陽性の確率は一定なのに、スポーツ選手だけ偽陽性になる率が高いのはおかしい。だから、内村航平の偽陽性はウソだ」という事のようだ。義務教育レベルの確率さえ理解していない愚者の何と多い事か。偽陽性の率が一定なのは検査実施総数に対して偽陽性が発生する率。検査結果が陽性判定の時に、それが偽陽性である確率は、感染率の高い地域か低い地域か、あらかじめ疑い例を集めているか(スクリーニングしているか)どうかなどで変わる。
 オリンピック代表やプロ野球選手が受けているのは、症状も濃厚接触もない無差別検査。一般人が受けているのは疑い例を集めたスクリーニング済み検査だ。
 さて、今現在感染していて新型コロナウイルスが体内にいる人が日本人口の0.1%(約12万人)いるとしよう(すでにウイルスが消えている元感染者は除く)。日本人を無差別に1万人集めると、感染者が10人いることになる。しかし、偽陰性になる人が最低でも20%ぐらいはいるから、陽性判定は8人ぐらい。これに対し、偽陽性の確率は0.5~1%ぐらいとされる。0.5%とすると50人。つまり、無差別に集めた日本人1万人を検査すると、58人が陽性判定され、そのうちなんと86%が偽陽性という事になる。内村選手のように、症状もなく、濃厚接触者でもない人間を全員検査して、陽性が出た場合、偽陽性の確率が高いのは当たり前なのだ。
 では、条件を絞ったらどうなるか。感染者0.1%のうち、コロナと疑われる症状がある人は2割とする。そして、日本人全体のうち、風邪やインフルなど何らかの理由でコロナと疑われる症状がある人が0.2%としよう。すると、疑いのある人1万人集めると、感染者は1000人(10%)になる。陽性判定になるのは800人と偽陽性50人を合わせて850人。陽性判定に占める偽陽性の確率は6%まで下がるのだ。
 これが全人口検査をしてはいけない理由なのだが、いくら言ってもワイドショーのコメンテーターは、・・・

無症状感染隠蔽 そうだろうと思ってたけど
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2020/10/09/9304073

感染は止められない? ファイザーのコロナワクチン2020年11月10日 16:43

感染は止められない? ファイザーのコロナワクチン
90%以上の効果というファイザーの新型コロナウイルスワクチン。BBCの日本語訳では6カ国4万3500人の試験参加者のうち、94人が検査で「陽性」だったとあり、ロイターの日本語訳では94人が「発症」とある。94人が、発病した人数なのか、感染した人数なのかで、意義、意味合いが全然違う。
原文を見ると、どちらも「develop covid・・・」とある。covid-19はウイルスの名前ではなく、病名。ウイルスに感染して陽性になったではなく、新型肺炎covid-19を発病したという意味だろう。
さらに、no more than 8 of the 94 people who caught COVID-19 had been given the vaccineとある。正確な人数は発表してないようだが、86:8だとちょうど90%阻止になる。被験者を2万2000人ずつに分け、ワクチンと偽薬を接種したら、偽薬群では86人(以上)が発病、ワクチン群8人(以下)が発病したという事だろう。
未感染の人が1億人いた時、40万人が発病するが、ワクチンを使っておけば、4万人まで患者を減らせるという事だ。
しかし、発病を抑える効果があっても、感染を抑える効果があるかどうか分からないと困る。新型コロナウイルスは無症状の感染者であっても感染を広げるので、ワクチンを接種しているからといって、安心して出歩き、感染すると、無症候キャリアとなってあちこちにウイルスを運んでばらまく事になる。全人口が接種していればお互いに感染し合ってもみんな無症状or軽症で済むからモウマンタイという意見もあるだろうが、ワクチンが効かない人(免疫不全)や危険で使えない人もいる。
なぜ、感染(検査陽性)で評価せず、発病で評価するのか。感染の有無で評価するには、接種前に、抗体検査で過去の感染歴がない事を確かめ、PCRか抗原検査で今感染していない事を確かめ、接種後に、抗体やPCRで陰性が陽性になったかどうか確かめなければならない。これを40万人でやるのはコストも手間も大変すぎるからだろうう。発病で評価するなら、とりあえず、症状が見られた人間だけ検査すればいいので楽。
暫定報告なので、今後解析が進むと、検査陰性→陽性の率も出てくるのかもしれないが。
それと、このワクチンは、ウイルスの遺伝子(mRNA)を投与して、体内でウイルスのたんぱく質を作らせるというまだ実用化例がない新技術の一つなのだが、免疫への刺激が強く効果が高いとすると、ウイルスや細菌のたんぱく質が要因とされるギランバレー症候群など免疫系の病気が起きないか心配。マイケル・ジャクソンがかかっていた全身性エリテマトーデス(SLE)などもウイルスたんぱく質との関連が疑われている。
https://jp.reuters.com/.../health-coronavirus-vaccines...
https://www.bbc.com/japanese/54869478

高山の酒中の仙 私が会ったノーベル受賞者12020年11月13日 15:49

高山の酒中の仙 私が会ったノーベル受賞者1
小柴昌俊さんに初めて会ったのは、ノーベル賞受賞より数年前の小柴さんが71歳の時。岐阜県高山市の国際ニュートリノ会議。早朝、会場外でぽつんとベンチに座っていたので、隣に座って質問した。「アメリカに同じ研究をしている競争者がいたのに、どうして日本のチームは勝つ事ができたんですか?」「アメリカは既製品の光電子増倍管を使っていた。日本は浜松フォトニクスが特注で、大きいのを作った。増倍管の数やプールの水量は少なくてもより多くの微弱な光を捉えられる」。そのご様子は、二日酔いではなく、どう見ても朝から聞こし召してるとしか思えない。健康問題があって晩年は酒を断たれたそうで、ノーベル賞決定後に会った時はシャキッとされておられたが。

小田原参陣かっ!2020年11月15日 20:42

小田原参陣かっ!
 日本にもトランプ支持者はいて、まだ確定していないのに、確定と書いたり、各国首脳が祝意を表明するのはおかしいとご立腹だ。「中国、ロシアは、アメリカの憲法上まだ確定していないと祝意を控えている」。「じゃあ、中国やロシアが正しくて、菅さんは祝意を出すべきじゃなかったと言うんですか?」「もしも、万が一、ひっくり返ってトランプが大統領になったら、トランプは気が悪い。国益に反する」「それは逆だって同じじゃないですか。まだ決まってないから祝意を出さないと言ったら、バイデンに決まった時、バイデンが気を悪くするじゃないですか。秀吉の小田原征伐と同じで早い者勝ちですよ。遅くなったら損します」「決まってないのは事実なんだからバイデンが気を悪くする道理はない」
 しかし、この表を見ると、本当、我先に参陣って感じだ。政宗とかみたいに、本当はトランプの方と仲良いのに。

ダメな政策,ワザと?2020年11月17日 12:46

ダメな政策、ワザと?
運用が二転三転した高収益作物次期作支援交付金。コロナで打撃を受けた生産者を支援する制度だが。初期の段階で農家からこの制度はおかしいという声が出ていた。高収益作物って何かと言えば、キャベツ、レタス、大根、にんじん、タマネギ、・・・・。外食産業の落ち込みはすごくても、日本人全体の食欲が落ちたわけじゃない。どこで食べるかの違いで大根やにんじんの消費量は変わらないだろう。観光客向けの農家は苦しくても、大消費地近郊の農家は逆に売り上げが増えているはず。ところが、収穫面積のみで申請できるので、儲かっている農家からも応募が殺到。募集した後で、減収の証明を要件に入れたら、対象外にされた農家から「当てにして来年の機材や肥料を買ってしまったじゃないか。どうしてくれる」とすごまれ、撤回。来年用の肥料って補助がなくても毎年一定量買わなければならないものなんじゃ。増産してさらに儲けようという意欲を感じる。
 応募要件に減収の証明を入れなかったとは信じられない。そういう間抜けな役人もいるかもしれないが、誰もその不備に気づかないなんてことがあり得るだろうか。この制度は誰の発案か知らないが、反対したり、欠点を指摘したりするとにらまれて飛ばされるので、気づいてもあえてダンマリを決め込んでいるのではないか。最近、霞が関の奇妙な政策を見ているとそんな気がする。菅・杉田コンビの「逆らったら徹底的に冷や飯を食わせて見せしめにし、官僚を意のままに操る」術の成果では。

「応募殺到→締切後に条件追加 農家コロナ補助金で大混乱」
https://digital.asahi.com/articles/ASNBQ6WKJNBQULFA01V.html?iref=pc_ss_date

1÷3=0.33 アメリカ人算数苦手かも モデルナワクチン94.5%2020年11月18日 09:32

1÷3=0.33 アメリカ人算数苦手かも モデルナワクチン94.5%
テレビ局に勤めている知人から、「モデルナのワクチンの効果94.5%というのはどういう事なのか教えてほしい」と頼まれた。
 ワクチンの有効率の考え方は、ワクチンを接種する事で、本来、罹患するはずだった人の何割が罹患を免れたかという事。ワクチンを接種しなければ80%の人が罹患するはずなのに、接種で20%の人しか罹患しなければ、60%の人が罹患を免れたので、有効率は60/80=75%。
 モデルナの試験では、ワクチン接種群と偽薬群それぞれ15000人ずつで、偽薬群は90人罹患、ワクチン群は5人罹患。90人罹患するはずが、85人が罹患を免れたのだから、有効率は85/90=94.4444・・・%
94.5%と微妙に違う理由はワクチン接種群の方がわずかに多いからではないか(15050人:14950人など)と思ったのだが。もしかしたら、アメリカ人が以下のような計算をしてしまったのかもしれない。
 
ワクチンの有効率(%)=(1-接種群罹患率/非接種群罹患率)×100
今回、接種群罹患率は、5/15000=0.03333・・・・%
非接種群罹患率は、90/15000=0.6%

有効率(%)=(1-0.0333・・・/0.6)×100=(1-0.5555・・・)×100=94.4・・・%
で、上と同じ。

しかし、5/15000=0.033で計算すると、(1-0.033/0.6)×100=(1-0.55)×100=94.5%
 1÷3=0.33で計算しても結果は大して違わないから別にかまわないが、丸めてしまった時点で、3桁目以降の数値が無意味になる。そもそも、90人と5人というデータで94.5%と3桁も刻むのがどうかしている。医学研究者には有効数字が分かってない人が多い。

https://www.cnn.co.jp/business/35162542.html

為政者の良いウソなんてない2020年11月23日 16:51

為政者の良いウソなんてない
安倍前首相やその政策を踏襲する菅首相を熱心に支持している人たちと話す機会がある。話していて驚き、意外だった事。
「あなた方は首相が学術会議の会員(任命拒否者)を恣意的に選んだという事で・・・」「断定はしませんよ。政府は否定しているし」「あなた方は恣意的に選んだと首相に言わせたいんだろうけど、言うわけがないだろう」「ちょっと待ってください。自分では首相が恣意的に選んだと思ってるんですか?」「ほぼそうだろう」
 前首相や首相を熱烈に支持しているのに、国会や記者会見での弁明や説明はウソだと思ってる。「過去の法案への反対は関係ない」「恣意的に選んでない」。首相や官房長官の答はウソだと思っていて、国民にウソをついてもかまわないから支持するということだ。
ニューオータニの前夜祭5000円も首相や官房長官の説明をそのまま受け売りしていた人もいたが、しかし、本気で信じていたとはとても思えない。紀尾井町にある一流ホテルが、酒の出る宴会を1人たった5000円で請け負い、しかも、ホテルがまだ受け取ってもいない現金5000円の領収証を事前に人数分発行し、事務所が徴収してまとめて渡した。そんなやり方はあり得ないし、参加人数は事前の予約と必ずずれるはず。誰も信じないようなおかしな話でも千回言い続ければ、そして、証拠さえ出なければ、逃れられる。これが前政権が7年間で残した負の遺産の1つ。もう1つは、官僚が人事の報復を恐れて政権にまともな異論を言わなくなった事。答弁できない大臣を派閥の都合で任命する昔の自民党の悪しき習慣を復活させたことも1つだが。
さて、冒頭の続き。熱心な支持者は「民意によって選ばれた首相なんだから恣意的に選んで良いと思う」と主張。「あなたの言ってる事はスターリンや毛沢東の言ってる事と同じですよ」と言ったら、少し黙ってしまったが。為政者のつくウソに「良いウソ」と「悪いウソ」なんてないし、独裁体制に「良い独裁」と「悪い独裁」なんてない。

◆“安倍前首相側が一部費用負担”示す領収書などホテル側が作成
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201123/k10012726821000.html

コロナワクチン効果は発病予防でやはり感染予防ではない2020年11月26日 18:04

コロナワクチン効果は発病予防でやはり感染予防ではない
ファイザーやモデルナのワクチンは、新型コロナウイルスの感染を90%阻止したのではなく、新型肺炎の発病を90%を阻止しただけではないかと以前に書いた。エイズウイルス(HIV)に感染する事とエイズを発病する事が全く違うように、感染予防と発病予防は全く意義が異なる。ところが、いつも正確で信頼性が高く、かつバランス感覚に優れた記事を書く忽那医師まで、《「感染していたはずの45人(90%)の感染を防いだ」という意味で90%の予防効果があった》《ワクチンの予防効果とは、「ワクチンを接種した人が、接種していない人と比べて、どれくらい感染を減らせたか」を意味します》などと書いている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20201122-00209031/

そこで、ファイザーが公開しているプロトコル(実験計画書のようなもの)も見てみた。被験者を集める際には過去の感染歴を調べ、また、ワクチンか偽薬を投与する前にウイルスに今現在感染してないかどうか確かめているが、その後のフォローアップの日程表にはウイルス感染の有無の項目が見当たらない。やはり、接種後に感染したかどうかを調べているデータではないようだ。おそらく、その後の感染を全員で検査しているのではなく、4万人のうち、症状が出た人を訪問し、確定診断しているのではないか。
 考えていてもしょうがないので、ファイザーの広報に聞いてみた。最終結果でないので、詳細はノーコメントだったが、ワクチンの効果は、プレスリリースにある通り、「ワクチンのCOVID-19発症予防効果は95%」だそうだ。日本語文でも原文でもプロトコルでも、新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)というウイルスに感染する事と、感染者が新型肺炎(Covid-19)という病気を発症する事を明確に分けて書いている。

 プロトコルにも、効果は
100 × (1-IRR) [ratio of active vaccine to placebo]
IRR illness rate ratio
とある。つまり、発病した率を比べているのだ。
 プレスリリースの日本語訳は、
「SARS-CoV-2感染歴のない参加者の集団・・・において、ワクチンの有効率が95%であったことに基づいています。・・・170例の確定診断されたCOVID-19発症例を対象に実施されました」とある。
 この日本語訳はプロトコルの全文(146ページをあります)に目を通している技術者がチェックしたものだそうだ。
 やはり、現時点でのワクチン効果のデータは感染予防ではなく、発病予防で正しいだろう。ただし、試験開始の時のプレスリリースに
「本治験の主要評価項目は、ワクチン接種前にSARS-CoV-2に感染していない参加者に対するCOVID-19の予防と、過去のSARS-CoV-2感染の有無に関わらないCOVID-19の予防です。副次評価項目には、重度のCOVID-19の予防が含まれています。また、COVID-19を引き起こすウイルスであるSARS-CoV-2の感染予防も探索します」
と書いているので、今後、感染予防に関するデータが出てくる可能性はある。
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2020/2020_11_19.html
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2020/11/10/9315160