大阪府警を騙る犯罪集団と長電話できたが痛恨のミス2025年04月05日 12:37

大阪府警を騙る犯罪集団と長電話できたが痛恨のミス
 少しでも多くの人へのアラートになるように少し長めだが。
 数日前の朝、固定電話に“NTT”から機械音声で「この電話は料金未払いのため、利用停止になる」と電話がかかってきた。
 この半年ぐらいに各種料金を口座振替からクレカ、さらにクレカの番号を変えるというのをやり、変更をミスっていたり、し忘れたりして水道料金や電話料金などの引き去りが滞ったりしていたので、「またか」と。
 ガイダンスに従って”オペレーター”につながると、「契約している携帯電話の料金が未払いのため、です」という話。
「携帯の未払いなのに、固定に連絡が来るの?」
「連絡が取れない場合の別な連絡先にこの番号が記入されてました」
この時点で変だと思うべきなのかもしれないが、寝ぼけてたし、昔、携帯を契約するとき、確かに連絡先に固定の番号を書いたことがある。どの携帯のことだろうと思った。
 ところが、契約は今年の1/15、ドコモ梅田北店。行ってないし。そのときに、免許証を提示したそうだ。で、免許証に記載されていた住所は、住んだこともない東大阪市荒川・・・。
これは、偽造免許証でなりすまし不正契約をされたと思った。
 ここまでは割とちゃんとだませてると思うのだが。被害届を出したいと言ったら、届け先は大阪府警になると言われ、さらに大阪府警の専用電話につないでくれると。
 ここからは、けっこう独り言で声に出して突っ込んでたような気もするが、ツッコミは心の声だと思って読んでほしい。
で、電話に出た”大阪府警刑事部捜査二課”の”伊藤○司警部補”に、偽造免許証でなりすまし不正契約被害(仮)にあった経緯を話し、被害届を出したいと伝えた。
「本来は被害届は面談で作るんですが」
「数カ月大阪に行く予定はありません」
「大阪に来るのは難しいでしょうから、では、オンラインのビデオ通話で事情を伺います。録音などを取らせていただきます。他の人の声などが入ってしまうと、証拠能力がなくなってしまうんですが」
「1人だから大丈夫です」(一人暮らしだと分かったら強盗に来るつもりじゃないだろうな)
「アイフォンですか、アンドロイドですか、LINEは使ってますか」
「アンドロイドでLINEは使ってます」
「では、こちらからLINEに送りますので、固定電話はお切りください。なお、こちらの映像は写りませんのでご了承ください」(そうでしょうね)。
そして、LINEに通知。(おお、大阪府警刑事部捜査二課とLINE友だちになっちゃったよ)
 その後、伊藤警部補の警察手帳画像を送ってきました。
で、ビデオ通話で、“被害”の詳細を説明。
「なりすましだとすると、他の犯罪にも使われている可能性があるので警視庁に照会します」と、”警視庁”と無線で連絡。(こらこら聞こえよがしにやるなよ)。
「待っている間、伺いたいことがあるんですが。ここ最近で、免許証を提出したり、見せたりするような事が何かありましたか?」
「書留郵便を郵便局に取りに行ったときなんか、郵便局員は免許証のコピーを取りますね。それとこの間、国会図書館に行ったとき、登録するのに免許証を提出しましたね」
すると、国会図書館にやたら食いつき、「国会図書館に行くなんて聞いたことがない。すごいですね」
「いや、国民なら誰でも使えますよ。そりゃ、最寄りの図書館にあれば、そこで借りるし、なかったら区の中央図書館に行くし、それでもなかったら都立中央図書館、で、最後が国会図書館ですよ。大阪からもオンラインでコピーを取り寄せられますよ」と話が脱線。ちなみに何を調べに行ったのか聞かれたので、信玄餅について調べるために(わざわざ休みの日に)山梨日日新聞の昔の紙面をコピーに行ったと。
 と、そこに”警視庁”から連絡あり。なんかの事件に該当者ありとか言ってます(聞こえよがしにすんなよ)。
「4000人もの口座を使って、5000億円をマネーロンダリングしたとして、中国人3人が逮捕された事件を知っていますか?」
「聞いたかもしれないけど、覚えてません」
「押収された証拠品の中に、あなた名義の通帳があります。いま、画像を送ります」(ずいぶん簡単に送るなあ。押収証拠を一般人に見せていいのかよ)
送られてきた画像には、複数の通帳がちょっと扇状に重ねて並んでいて、その中に、私のフルネームが入った三井の緑の通帳と三菱の赤い通帳が!!!。ガーン。
「ええ、それは大変なことになりましたね」(私のこの大根な演技によくおまえは笑わないな)
「逮捕状が出る可能性があります。ここからは機密保持法に関係があります。ここからの話は絶対に口外しないでください.自分も家族などに一切話せません。仮にこの事件について無実が証明されても、話してしまうと別な罪に問われることがありえます」
「秘密は、どの範囲までですか。免許証を偽造されてなりすまし被害に遭ったこともダメなんですか」
「それも今度の事件に関係がある可能性があるので、誰にも話さないでください」
「そうですか」(そんな重要な捜査機密を被疑者(仮)に話すなよ)
「なぜ機密かというと、3人でこれほどの大規模な犯罪をするには、お恥ずかしいことですが警察関係者にも内通者がいます。逮捕者も出てます。なので、限定したチームで秘密裏に捜査してます」(ずいぶん簡単にばらすなあ)
「逮捕された外国人は、あなたから直接口座を10万円で買い、8000万円を振り込み、さらに報酬として1割を払ったと供述してます。逮捕状が請求される可能性があります。受け取ってませんか」
「手渡しですか。それはないですね。振り込まれてるかどうか最近通帳記入してないからわかんないけど」
「職務として疑ってかからないとならないんですが」
「逮捕される可能性があるなら、上司に相談したいんですけど。だって、ある日のこと、急にいなくなって、無断で連絡も取れなくなってじゃあ、困る。詳しいことは言えなくても、警察関係の事件があって逮捕されるかもしれないと説明しておきたいですよ」
「いや、逮捕はほぼありません。私が止めてます」(おい、警察権力ふわふわだな)
で、無実を証明するなら、何かよく覚えてないが、検事の許可を得て、なんかの証明書をつくって、本当に自分が使っている口座以外は凍結する必要があるとかなんとか。で、ちょっと検事に相談するといい、しばらくすると、「許可が出ました」(いやあ、警部補がそんなに簡単に検事に会えないよ。てか、どこにいるんだよ)
で、これ以上続けると、各銀行の口座番号や預金額を聞いてくるな、と。
「通帳は三菱UFJ銀行ですか?三菱東京UFJ銀行ですか?」
「どういう意味?」。すっとぼけてるんだけど、本当に違いがよくわからない。それから、ビデオ通話をフリーズさせたり。その間に、念のため、大阪府警代表に電話して捜査二課に伊藤がいないことを確認。
「いったん、切るのでもう一度、出てください」で、再びLINEにかかってきたけど、無視していたら、固定電話にかかってきて、「ビデオ通話に応答してください」
「ちょっとトイレに行きたいんですけど」
「行ってもいいですから、先に通話をつなげてください」
「なんでトイレに行くのにビデオ通話しなければならないんだ。逮捕されて取り調べだってトイレぐらい行かせるだろう」
「だから、トイレの中まで持って行けとは言ってません。外に置いといていいから、つなげてください。そうしないと何をしているかこちらに分からないので困ります。証拠隠滅とかされると困るので」
とりあえず、つなげておいて、本当にトイレに行った。で、話の続き。自分から切りたくないので、何とか煙に巻き、”伊藤警部補”を怒らせて切らせたい。
「でさ、ちょっと仕事の作業しなけりゃならないから、ちょっと待ってくれないかな。しばらくでいいから」
「そうは行きませんよ」
「だってさ、事情を説明しちゃいけないんだろう。事情を説明すれば、上司や同僚もそれならしょうがないって、分かってくれるけど、事情も説明せずに、仕事をしないと、ぼくの成績評価とかに悪影響が出るんだよ」
「そんな非協力的なことでは困ります」
「だってさ、逮捕状が出てるわけじゃないんだろう。だったら、容疑はあっても、ぼくは参考人だろう。参考人の事情聴取は任意だろう。それなのに、ちょっと仕事の時間も取らせないなんてことは許されないだろう」。
「そんな非協力ならもう助けられません。逮捕状出ますよ。ああ、出ました。送ります」
逮捕状の画像送ってきた。
「よく見えないけど、これどこ?」
「大阪地裁に請求しました」
「あのさ、最終的に無実になるだろうけど、逮捕状が出たら、自分から警察に自首した方が罪が軽くなるんでしょう。どこに行けば良いの? 世田谷警察署?」
「こっちから行かせます」
「どっから?」
「警視庁から」
「なんで大阪地裁に逮捕状を請求したのに、警視庁が来るんだよ。(もはや、ツッコミが地の声に)。まあ、いいや、冷静になりましょうよ。ところで、伊藤さんは捜査二課の警部補ですよね。どういう担当なんですか?」
「特殊詐欺と金融関係です」
「いやそういうことじゃなくてさ」
「捜査二課の仕事内容ってことじゃないんですか?」(捜査二課の仕事内容は特殊詐欺と金融だけじゃねえよ)
「そうじゃなくて、役職は何ですか?」
「だから、警部補です」
「警部補は役職じゃないでしょう」
「どういう意味ですか」
「警部補ってなんですか」
「なんで質問されなきゃならないんですか」
「いやあ、あなたが役職は警部補だなんて言うから私の中に疑問が生じたんですよ。警部補って何ですか」
「巡査部長から警部補になって、いずれは警部になりたいと思ってます」
「そうですよね。その巡査部長、警部補、警部って、警察において何ですか」
「階級ですよ」
「そうですよね。だから、階級は警部補だって分かったけど、役職は何ですかと聞いてるんです」
「どういう意味ですか」
「あなたねえ、大阪府警に何年もいて、いや、何年いるのか知らないけど、階級と役職の違いも知らないんですか」
「がちゃ」。切れました。
勝ったと思ったのだが、痛恨のミス。
 しばらくして見ると、警察手帳、押収証拠品のニセ通帳、そして、何と言っても私の逮捕状という画像が消えていた。LINEでは送ってしまった画像でも後から消せるという仕様を知らなかったのだ。
 いやあ、二度と手に入らない3点セットを失ったのは悔しすぎる。自分の逮捕状なんて誰にも手に入らないんだから是非飾っておきたかった。
 なんか、試合に勝って勝負に負けたかのような喪失感。
 その後、本当の世田谷署に聞いたが、当然、被害がないので、被害届は出せないそうだ。自分は預金額を聞き出して空き巣か強盗にでも入るつもりなのかと思ったのだが、それよりもネットバンキングに誘導して送金させるのが第一目的だそうだ。強盗もなくはないが、預金額を言ってないので、たぶん来ないだろうとのこと。住所や携帯番号を知られてしまったので、なりすましで犯罪に使われるのではないかと聞いたら、「3、4人で捕まるリスクもあってやってるから、そんな効率の悪い犯罪をするより、とにかく、どんどん電話して、送金させるのに忙しいからやらない」とのことっだった。
 実際のやりとりはもっと長いが、割愛した。弁護士は守秘義務があるから相談してもいいだろうとか、信玄餅のうんちくもずっと語り、さらには八つ橋の話に入ろうとしたら止められた。
 信玄餅に食いつくのに、八つ橋に興味を示さないなんて、伊藤は本当は関西人じゃねえな。

 格言

固定電話にかかってくるのは、世論調査でなければ、すべて詐欺