神仏分離のゆがみ2025年06月23日 17:02

神仏分離のゆがみ
泉涌寺というちょっと変わった寺の見学会に行ってきた。
 まず、周りを山に囲まれた低いところにある。これは、山の上にあると下界のいろいろ(煩悩の元)が見えて修行の邪魔になるからだそうでだ。そして、宗派と関係なく、あらゆる修行僧を受け入れるという方針でつくられたため、元々、どの宗派でもなかった。あらゆる宗派を包含すると力が強くなりすぎるので、明治政府の命令で、宗派を一つにすることになり、一応、真言宗の寺ということになったそうだ。
 南北朝あたりから歴代天皇の葬儀を担当している皇室の菩提寺。普通の寺だと法要は月7、8日ぐらいなのが、泉涌寺は歴代天皇の月命日で月15日ほど法要があるとのこと。しかも、天皇によって信仰していた宗派が違うので、天台宗や浄土宗などそれぞれ違う経を読まなければならない。真言宗の修行をしたけど全部できる必要がある。
 天皇の位牌があり、歴代天皇の墓ももともと寺の敷地だったのが、明治時代以降、宮内庁の管理下に。江戸時代までの皇族は仏教への信仰が強く、法要の際の部屋もあるのだが、神仏分離により、皇族は泉涌寺の法要に「参加」できない。なので、泉涌寺で「ご休憩された」と言うそうだ。天然記念物のモリアオガエルが鳴く庭なんかもあった。