今年も奈良人形の干支で新年をお迎え2021年01月01日 19:43

今年も奈良人形の干支で新年をお迎え
今年は京都の丸餅が手に入らなかったので、何年かぶりで、関東の餅を予約。列に並んでいる時、関東風は何と呼ぶのか思い出せなくなった。丸餅の逆だから角餅ともいう。手で丸めた丸餅に対しては切餅。切餅を切る前の平らなのは何て言ったっけ?
自分の順番が来るまでには思い出したが。
 1個1個丸めて作る丸餅が元々の形。人口増加が著しい江戸で大量生産法として生まれたのが切り餅という。米屋がついて平らにした餅を、長屋の軒下に置いていく。それを各家庭で切る。

未承認輸入ワクチン 無害だろうけど効かなそう2021年01月04日 14:15

 すごい話。こういう所に、かつての「特ダネの毎日」の潜熱を感じる。密かに中国ワクチンを使った日本の社長たちというのが誰なのか知りたいが。ただ、中国製は不活化ワクチンなので、たぶん害もないけど、大して効かないと思う。一度も作った事がないウイルスに対するワクチンを1年で開発するには、「効果は確実だが、100人ぐらいワクチンで死んでもしょうがない」と覚悟を決めるか、「安全だが、毒にも薬にもならないワクチン」でお茶を濁すかの2択しかない。先行した1、2番手のmRNAワクチンは非常に効果が高く、3番手のベクターワクチンもそれに準じる成績だが、効き目が強い分、何が起きるか分からない。後発勢は不活化ワクチンだけでなく、アンジェスがやってるプラスミドDNAワクチンも効果が弱いというのは意外だった。プラスミドでもmRNAワクチンでも原理はそんなに違わない気がするのだが。先行組の臨床試験では2万人規模の被験者で100人ぐらいしか発病してない。それでも効果が非常に強烈だったので、統計的に効果が証明された事になってる。しかし、同規模の試験で不活化ワクチンやアンジェスワクチンは有効性を証明できるのかどうか。塩野義の組み換えワクチンも同様。中国はデータを出さないが、日本企業はまたアビガンのような事になるのではないかと。

◆水面下で出回る中国ワクチン 富裕層から永田町へ? 狙われる日本市場
https://mainichi.jp/articles/20201231/k00/00m/040/137000c

中国政府ご不満 >未承認輸入ワクチン報道2021年01月05日 12:53

>>我々は一部の日本メディアが関連状況の事実確認をせぬまま、中国による新型コロナワクチンの対外協力に勝手な論評を加えたことに、強い不満を表明する。

 おもしろいネタで、取材を尽くしたけれど、証拠や証言がどうしても詰め切れず、泣く泣く諦める事が結構ある。この話が本当なのかどうか取材した記者にしか分からない。記者すら騙されていることだってある。慎重な新聞なら諦めていても不思議はないネタかと。毎日新聞は、逃げようとして背中から斬られた傷は許さないが、斬りかかって行った「向こう傷」はいくら受けても罪を問わない所だとライバル紙の人から聞いた事がある。いい意味でも悪い意味でも(3:7ぐらいだが)「特ダネの毎日」の真髄だろう。

◆在日本中国大使館、「中国製」ワクチンが日本流入との日本メディア報道についてコメント
http://j.people.com.cn/n3/2021/0104/c94474-9805628.html?fbclid=IwAR1WaJj-IWVe5fHULd4e5u87hldqDeeltKMPrsFdan2f3w5yRDJmQLn2xlM

◆未承認輸入ワクチン 無害だろうけど効かなそう
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/01/04/9334189

5千円取られちゃ寄付を認識できない山口有権者2021年01月06日 13:26

 桜を見る会前夜祭の会費を最初から1万円にしとけばよかっただけのことではないか、という意見もある。
 小6になる直前、千代田区麹町から目黒区に引っ越した。母親が近所にある八百屋(今、アルコタワーがある目黒銀座界隈)で売ってる野菜が安い事にびっくり。麹町小の同級生の母親たちに声をかけたら、5、6人がわざわざ野菜などを買い出しにやってきた。
 生まれた時から年間350日は東京で過ごしていた自分は、就職して初めて東京以外の場所で1週間以上続けて暮らした。大阪に転勤になった時、外食が量が多くて味もいいのに、安いことに驚いた。ところが、博多から大阪に引っ越した友人が「大阪は飯が高い」と不平を言っていることにまたビックリ。
 外から来た人は、麹町界隈でちょっと喫茶店やレストランに入ると、めちゃくちゃ高いので驚く。地代を飲み食いしているようなものだ。そんな千代田区民の常識からしたら、上智大学や麹町中学のそばにある「ホテルニューオータニ」で5000円のパーティーができるなんて絶対にあり得ない。
 しかし、桜を見る会の前夜祭に安部首相の地元選挙区から参加した有権者たちは、おそらく博多よりも物価の安い所に暮らしてるのだろう、5000円でもぼったくりだと思ったようだ。紀尾井町のホテルでしょっちゅうパーティーをしているような人とは通貨の価値が違うのだ。1万円なんて取れないだろう。1万円でも破格の安値だから碌なもんは出ないが。

>>また補填は有権者への寄付や選挙の買収に当たり、公選法違反だと訴えたが、こちらも不起訴となった。前夜祭は立食パーティーで飲み物のほかは簡素な食事だったため、参加者が特捜の聴取に「5000円でも高いと思った」と供述したことや、衆院選の時期と離れていたため、安倍前首相側や参加者に寄付や買収の意図・認識はなかったと判断したもようだ

◆安倍前首相、桜前夜祭の補填「知らなかった」は常識では考えられない
https://diamond.jp/articles/-/258483?page=2

ワクチンのガワを明らかにして ショックの原因かもというなら2021年01月09日 10:42

 にわかに脚光を浴びているmRNAワクチン。
この技術の肝は、体内では不安定ですぐ分解されてしまうRNAを細胞内部までどうやって無事送り届けるかのドラッグ・デリバリー・システム(DDS)にある。
カタリン・カリコ博士のノーベル賞級の業績もこの辺が密接に関わっている。基本は、脂質ナノ粒子(LNP)で包むか、ポリマー粒子で包むかだそうだ。
 この記事によると、カリコたちが開発したのは脂質の方だが、接種されているビオンテックのワクチンでは、ショックの原因はポリエチレングリコール(水と混じりやすいポリマー)ではないかと言ってる。脂質からポリマーに変えたのか、脂質とポリマーの複合的な粒子なのか、よく分からない。mRNAを何で包んでいるのかはmRNA医薬の成功を左右するノウハウだから企業秘密にしたいのは理解できる。しかし、ビオンテック、ファイザーのmRNAワクチン接種が始まった当初の報告では、通常のワクチンに比べ、ショックの頻度がかなり高いそうだ。どういう物質でどう包んでいるのか詳しく明らかにしてほしいものだ。

◆コロナワクチン画期的貢献のカリコはノーベル賞当確か 英雄視はまだ怖い
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2020/12/26/9330638

◆続・コロナの革命的ワクチンを導いた女性移民研究者
>>さらに2013年、ワイスマン研究室のノーベルト・パーディ(Norbert Pardi)博士と共同研究で、脂質ナノ粒子(lipid nanoparticle, LNP)でmRNAを包んでマウスに注入すると、ごく少量のmRNAで効果的なたんぱく質合成が可能となることが分かり、ここにいたってmRNA導入による治療法が技術的に実現可能なことを確信した。
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020122200005.html?page=2

コロナ免疫 長期or短期 矛盾する欧中と日米の研究2021年01月13日 14:06

 新型コロナウイルスに関して、主にヨーロッパと中国から、一度治癒してウイルスが消えても、すぐに再感染する例が多数あり、免疫は長続きしないという研究報告がある一方、日米からは、患者は回復後、ウイルスを攻撃する獲得免疫の免疫記憶が長期にわたって高水準に保たれているという矛盾する研究報告が出ている。
 コロナウイルスは、インフルのように免疫記憶が無効になる大変異が突然起きる事はないし、免疫記憶があるのに、それをすり抜ける性質があるなんて北里柴三郎以来の免疫学、ウイルス学の常識に反する。妥当な判断としては、マクロ的には日米の報告が実態を反映していて、欧中の報告は、何かの理由で免疫がつかなかった全体から見れば少数の症例を集めただけなのではないかと。特定のウイルスに対して世界的にこれほど細かく症例研究がされた例がないだけで、インフルでもすぐに再感染している例が今まで考えられてきた以上に多いのかもしれない。

◆Rapid generation of durable B cell memory to SARS-CoV-2 spike and nucleocapsid proteins in COVID-19 and convalescence

There have been some studies reporting that the Bmem cell response to SARS-CoV may not be long-lived (54, 55), however, our results indicate that SARS-CoV-2 infection generates long-lasting B cell memory up to 8 months post-infection that could be protective against systemic disease upon reinfection.
https://immunology.sciencemag.org/content/5/54/eabf8891

コロナ重症化は円谷特撮状態 怪獣よりウルトラマンの迷惑の方が大きい2021年01月14日 14:06

 季節性インフル感染者の致死率は0.1%とされるのに対し、新型コロナウイルスは0.5~1%と少し高めだ。しかし、ウイルス自体の粗暴性はインフルの方が上の印象がある。
 新型コロナウイルスは本来コソ泥のような気弱なウイルスで、空き巣に入ったところを近所の人で取り押さえればおとなしく捕まるような小悪党。ところが、長年の楽園だったコウモリの体内と違い、人体は初めて来る国なので、右も左も分からずそこら中の警報器や火災報知機を踏みまくり。免疫の方も、これまで侵入を受けた事がない未知の敵性勢力が現れたと大騒ぎになり、機動隊と自衛隊が出動。武器も持たないコソ泥1人に、戦車砲をぶち込むわ、ガンシップからスティンガー発射するわ、周辺の住宅ごと吹き飛ばしている。「やさしい怪獣よりウルトラマンやウルトラ警備隊の破壊行為による街の被害の方が大きい」状態。それが、おそらく重症化の主因だ。新型肺炎もウイルス自体が肺に侵入して感染、増殖して起きるのではなく、免疫の過剰反応(サイトカインストーム)で全身を巡る炎症性物質が血液を通して到達し、肺炎を起こしているのではないかとみられている。重症患者に見られる血栓もいかにもな症状だ。そのため、免疫を抑制する薬がよく効き、免疫を抑えた事でウイルスの活動が高まって悪化するという報告もあまり見られない。
 感染を繰り返すうちに、ウイルスと免疫双方の馴れが生じる事で、やがては風邪のような常在ウイルスと化し、穏やかに終息するのだろう。

◆コロナ入院患者の致死率はインフルの3倍 仏の研究結果
https://digital.asahi.com/articles/ASP1D66VGP19ULBJ00Q.html?iref=pc_ss_date_article

新コロは何故人を殺す 動物から来たと分かるのが何故かと密接な関係2021年01月20日 13:23

新コロは何故人を殺す 動物から来たと分かるのが何故かと密接な関係
 「ウイルスは宿主が死んだら自分も困るのに何故致死的なウイルスが存在するのか」。昨年、この類いの質問に何度も答えさせられた。ウイルスが人に重い病気を起こす原因は、ウイルスが他の動物から人にやってきたと何故分かるかという事と密接な関係がある。
 さて、人類とチンパンジーとゴリラの共通祖先に感染し、長年、先祖から子孫へ受け継がれてきたウイルスがいるとしよう。ヒトゴリラチンパンジーは、今から約650万年前、人類とチンパンジーの共通祖先と、ゴリラの祖先に分岐した(年代には諸説あり)。その後、約500万年前、ヒトチンパンジーは人類の祖先とチンパンジーの祖先に分岐した。受け継がれるヒトゴリラチンパンジー・ウイルスも、まず、650万年前に分かれて、ゴリラ・ウイルスとヒトチンパンジー・ウイルスとなり、さらに500万年前にヒトチンパンジー・ウイルスが分かれてヒト・ウイルスとチンパンジー・ウイルスになる。人類とチンパンジーの遺伝子(DNA配列)は共通部分が多く、先に分かれたゴリラは違いが大きい。ウイルスも同様に、ヒト・ウイルスとチンパンジー・ウイルスの遺伝子が近く、ゴリラ・ウイルスの遺伝子は違いが大きいはずだ。ところが、予想に反して、ヒト・ウイルスとチンパンジー・ウイルスの違いが大きく、むしろ、ヒト・ウイルスとゴリラ・ウイルスの遺伝子の方が非常によく似ていたとしたら、どうだろうか。ヒト・ウイルスは先祖から代々受け継いだものではなく、人類とチンバンジーが分岐した後の最近になって、ゴリラから人にゴリラ・ウイルスが感染したものだと分かる。
 少し昔の研究だが、京大ウイルス研の速水教授たちがサルのエイズウイルス(SIV)について、上記のような分岐を調べた。
 人にHIV-1とHIIV-2があるように、チンパンジーなどでも感染しているSIVは1種類ではない。人のHIVも含め、5つの群に分かれるSIVの遺伝子の近縁関係が宿主のサル種の近縁関係と一致せず、異なるサル種の間でいろいろなSIVが行き来している事が分かった。そして、SIVは本来の宿主のサルには病気を起こさないが、宿主とは別な種類のサルに感染実験をすると病気を起こした。つまり、先祖代々、長年、宿主と共生してきたウイルスは病気を起こさないが、異種の宿主に引っ越すと凶悪化するという事だ。
 その後の研究で、HIV-1は、アフリカのサルにいたSIVがサルを食べたチンパンジーに感染し、さらにチンパンジーをさばいた人に感染したと考えられている。HIV-2はチンパンジーとは全く別なサルから人間に感染している。これは、SARS、MERS、新型のいずれもコロナウイルスだが、違う動物から感染したため、遺伝子が大きく違うのと同じ。
 HIVも、エボラ、SARS、MERS、新型コロナもみなずっと昔からサルやコウモリと仲良く暮らしてきたのに、人間に引っ越したため、病気を起こしているのだ。しかし、宿主を殺してしまうようなウイルスは生き残れないから、長い目で見ると病原性の高いウイルスは感染を繰り返すうちに必ず弱毒化する。これは実験室で細胞培養しても同様。生ワクチンは基本そうやって作っていた。
 ウイルス感染症の病態は発熱、痛み、下痢、せきなど致死性のものも含め、ほとんどが免疫の過剰反応、異常反応が原因。おそらくだが、淘汰されて残ったウイルスは免疫に目を付けられないようにごまかす術を身につけているのだろう。また、HIVのように、細胞内で急激に増えすぎて、その負荷に耐えられず、細胞が壊れる事がある。増殖の速度を下げる事も重要だ。さらには、細胞にはアポトーシスという自爆装置があり、その起爆スイッチをウイルスが踏むよう罠が仕掛けているので、うっかり踏まないよう注意も必要。免疫の仕組みとは違うが、これも細胞を占拠した敵を道連れに自殺するという一種の生体防御機構だろう。

ワクチンの効果が見えないのは当たり前 小坊でも分かる算数2021年01月22日 14:18

新型コロナウイルスワクチンの接種が英米で始まって1カ月たったのに全然効果がないじゃないかという質問もよく受けるが、当たり前。小学生でも分かる算数だ。臨床試験に参加した2万人でたった160人しか発病しないのに、それが20分の1の8人まで減ったって「効果の見える化」は不可能。接種率が人口の数十%に達しなければ実感は無理だ。
 発症予防効果95%というのは、接種した人たち限定の中で、さらに発病する人限定の人数が95%減るだけなのだ。
 国民全員がワクチンを打てば、発病者は95%減って20分の1に減るが、国民の1%しかワクチンを打っていないと、減るのは1%に対する95%で、全体から見れば0.95%しか減らない。国民の2割がワクチンを打てば、発病者が19%減るので、少し減ったなという実感は出るだろう。
 仮に、イギリスで毎日1万人が発病しているとする。国民全員がワクチンを接種すれば、これが500人に減るということ。そして、1万人を5000人以下に半減させるには国民の53%がワクチンを接種する必要がある。
 さて、400万人の中には接種したばかりの人もいるから、十分免疫がついている人は半分の200万人ぐらいとしよう。国民の3%だ。この3%の中から発病するはずの人数は毎日1万人のうち300人。その95%にあたる285人(2.85%)が発病しなくなる。1万人が9715人に減る計算。これじゃあ日々の変動と区別がつかない。
 接種率が今の5倍ぐらいになって、やっと少しは減ったと実感できるぐらいだろう。
 感染予防についてはまだ信用できそうなデータがないので省略したが、感染もある程度阻止できるなら効果の見える化は上記より早まる。


◆イギリスのワクチン接種、400万人を達成 対象者拡大へ
https://www.bbc.com/japanese/55716147

ワクチン効かない変異は流行できない理由2021年01月23日 13:50

 変異株にワクチンが効く可能性が高いというメーカーの言葉を信じられない心理は理解できるが、ちゃんと科学的な根拠がある。
 まだ駆け出しの頃の事。「抗菌薬が効かない多剤耐性菌の集団感染が高齢者施設で問題になっている」という報道を見てパニックになった女性に応対する羽目になった。
 曰く、高齢者施設にいる母親に面会に行ったら、施設の職員の「あなたがやりなさい」という無言のプレッシャーでおしめを替えさせられた。その時に感染したのではないかと。
「その施設で多剤耐性菌が発生したという情報があるんですか?」
「ないです。でも、心配で」。
ノイローゼや妄想気質の類いです。堂々巡りのやりとりにうんざりし、
「私の立場では医学的な相談には答えられませんが、大丈夫です」
「どうしてですか?」
「MRSAとか多剤耐性菌というのはブドウ球菌とか緑膿菌です。どこにでもいる細菌です。あなたにもふだんからたくさんくっついてます。でも、平気でしょう。多剤耐性菌はそういう菌の中でも特に虚弱な仲間なので、病院のようなほかの菌がいないようなところでしか生き延びられません。お母様が高齢で体力が弱っていたらひ弱な多剤耐性菌でも病気になりますが、あなたのような元気があふれている人には感染しません」
多剤耐性菌を、殺傷力や感染力が強いスーパー悪質細菌かのように「もてはやす」ワイドショーとかが悪いのだが、薬が効かないのは強いからではない。

 ◆人は何か望む物を得るためには、何か大事な物を失わなければならない
よく文学のテーマになる命題は、ウイルスや細菌にも当てはまる。抗ウイルス薬に対する変異を獲得すると、ウイルスは弱体化する。抗ウイルス薬に取り囲まれている病院では生き残れても、ワイルドな野生株と競争しなければならない外ではメジャーになれない。
 同じ事がワクチンでも言えると知り、なるほどと。
ウイルスに感染したり、ワクチンを打つと、中和抗体というものができる。ウイルスの感染を受ける細胞の表面には、細胞に侵入するドアを開けるための鍵穴(リセプター)があり、ウイルスの表面にはその鍵(リガンド)が突き出ている。コロナで言うと王冠のギザギザ(スパイク)にこの鍵がある。中和抗体は、この鍵を認識してくっつき、鍵穴に鍵を差し込めなくする抗体。中和抗体に対する抵抗力を持つ変異というのは、この鍵の形を変えて、中和抗体がくっつけなくなるような変異。そんな変異をしたら、ドアを開けるのも下手になって、細胞への侵入にもたつく。
変異していないウイルスとの競争に負けるので、偶然そういう変異が起きても、次世代のメジャーとして定着するのは困難。
ましてや、本当かどうか分からないが、感染速度が速いと言われている変異株がそういう変異を持っている可能性は非常に低い。「耐性を得ると、感染力は落ちる」。これは宿命なのだ。