受験業界震撼の問題作 「今後の仕事大丈夫?」2022年12月16日 12:43

受験業界震撼の問題作 「今後の仕事大丈夫?」
 教育関係のルポで定評のあるおおたとしまさんの対談イベントを見てきた。最新著書は「勇者たちの中学受験」は物語風ノンフィクション。大型書店で平積みになっていてとてもよく売れてるようだ。もちろん私もおもしろかったが、良い反響も悪い反響もある問題作だ。
 コロナ以降だからかなり最近受験した小学生の親3人の体験実話を大手学習塾や中学などを実名のまま書いている。おおたさんは教育虐待や不登校の問題などもやっていて受験専門ではない。だが、受験業界も重要なネタ元であるフリーの教育ジャーナリスト。その彼が(あまりネタバレはしないが)、塾の講師からこんなひどいことを言われたなど大手学習塾や業界からにらまれるような事を書いている。実際、その塾の講師たちが激怒しているという噂も聞いた。
 フリーランスというのは自由ではなく不自由で、書きたいことを何でも好き勝手に書けるわけではない。故・野沢尚の「砦なき者」という小説がある。砦とはテレビ局や新聞社などのことを指す。砦に守られているからこそ書くべき事を書くという戦いに出られる面がある。その代わり、特に新聞社では、記者の勝手な思い込みではないか、ネタ元の一方的な見方、主張に引きずられていないか、もっと有り体に言えば、「訴えられても勝てるどころか、相手が訴える気をなくすぐらい完膚無きまで武装できているか」を厳しく内部チェックされる。今回の本はもしも大手報道機関の企画だったら、実名なのに一方的なため中立性に懸念があるなどの理由で没になるだろう。講師からこう言われたと子どもが言っていたという親からの又聞きの又聞きに証拠能力がなく、言った本人に確認ができない限り記事にできない。帰りの燃料を積んでいない戦艦大和のごとき戦い方ができるのも砦なき者のだいご味かもしれない。

◆中学受験で「子どもを守る親」になるには? おおたとしまさ×尾崎英子・作家対談
https://www.asahi.com/edua/article/14791508

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