国内致死率,クルーズ船の3.4倍 上級国民優先? 統計でウソをつく法2020年03月18日 12:07

 厚労省の発表によると、3/17現在の国内の感染者累計は873人、死者29人。致死率は3.3%。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の感染者数累計は712人、死者7人。致死率は0.98%。国内の致死率はクルーズ船のなんと3.4倍。同じように国内で検査し、同じように国内で治療しているにも関わらず。
 ワイドショーのいい加減なディレクターなら、「クルーズ船乗客は上級国民だから国内の平民より優先的に手厚い治療を受けている」特集にしちゃうのじゃないか。
 さて、これぞ、このブログで何度も取り上げているまさに「統計でウソをつく法」。
どこにウソがあるのか。
 クルーズ船は乗員乗客約3700人の全員調査。感染者の47%が無症状。これに対し、国内の調査は、症状が重い人や症状がはっきりしている人を優先した偏ったサンプル調査。無症状は11%しか含まれていない。のどが少し痛いとか微熱があるとか普通の風邪と区別がつかない感染者は対象外だ。当然、重症者の比率が実際よりも高くなり、致死率も高くなってしまう。クルーズ船の致死率約1%が高齢者比率が多い場合の実際の致死率に近いのではないか。若年、壮年、子どもも含めた日本人全体ではもっと低いだろう。
 そもそも国別の感染者数比較などほとんど意味がない。無作為に選ばれた人を検査しているのではなく、たまたま目に付いた人を調べているのだ。各国で国全体がどうなっているのか全く分からない。うつされた自覚もうつした自覚もないステルス感染者からステルス感染者へバトンが渡される。たまに重い症状が出る人にバトンが渡った時だけ顕在化するから、バトンの広がりを追跡できないのだ。
 ところで、クルーズ船を国内の感染者に含めてしまった方が、日本の致死率が下がり、日本の医療は優秀だと世界にアピールできる。混ぜるなとうるさい人がなぜ多いのか不思議だ。

新型コロナウイルスに関連した患者等の発生について(3月17日公表分)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10264.html

さすが中国 アビガン有効比較試験 日本ではできん2020年03月18日 17:14

 薬の効果を確かめる一番確かな方法は、患者を薬群と偽薬群に分け、死亡率の差が出るかどうか見る事だ。日本ではこういう(人命に関わる)比較試験は絶対出来ないが、さすがは中国、やったのね。欧米も昔はやっていたが、今は無理だろう。
 ほかの報道では、被験者は武漢市と深セン市あわせて200人だそうだ。
死亡率の差は報道されてないが、これだけ自信を持って効くと断言するからには、死亡率に統計的に意味のある確かな差があったのではないか。
さて、ちゃんと偽薬を使っているかどうか、医者にも本人にもどちらが本物の薬か分からないブラインド試験になっているかなど科学的な作法通りの研究かどうかという疑問はある。また、インフルエンザ治療で使う通常の用量では効きそうにないのだが、どれぐらいの量を使ったのかも知りたい所だ。中国なら大胆な量を使っている気もする。

>>深センの病院で行われた臨床研究では、「アビガン」を投与しなかった場合、ウイルス検査で陽性から陰性になる日数の中央値が11日だったのに対し、投与した場合は4日だったとしています。
 また、胸部のエックス線画像の解析では、症状が改善した人の割合は、投与しなかった場合は62%、投与した場合は91%だったという
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3932238.html