トイレットペーパーで怒鳴られた2020年03月01日 12:29

超高級ティッシュだけ売れ残ったコンビニの棚
 ふだんから宇宙の真理と会話しているような人の通常営業はともかく、コロナウイルス騒動のせいでいつもはまっとうそうな人まで頭がおかしくなっている。「どうして、トイレットペーパーがないんだ」と怒るお年寄り2人に怒鳴られた。「供給不足になるというデマを流した人がいるからです」「そんなヤツは逮捕しろ」「誰が流したかわかりません(てか警察に言って)」「メーカーが在庫が十分にあるというならどうしてないんだ?」「供給量は変わらないのに、デマを信じた人が一斉に買い占めに走ればなくなるのは当たり前でしょう」「なんでそんな上から目線でものを言うんだ」「オイルショックの時を覚えてますよね。あの頃は口頭のデマがほとんどでしたが、今はいろいろな方法でデマを流す人がいるので」
 長引く不況で流通在庫を極限まで減らす社会になっているから、急には供給量を増やせないのは理の当然。しかも、マスクのようにホントに消費量が増えたわけではないし、腐るものではないので、何カ月分も買い占めた人が一巡したら今度はピタッと売れ行きが落ちるから迂闊に在庫を増やせない。なにしろ、売り場面積当たりの単価・儲けがメチャメチャ安いから邪魔。
 スーパーはチラシの配布をやめたので、何を特売しているかわかりにくくて迷惑している。

野田秀樹全国紙1面初掲載で暗躍したの誰? 最後の社会部記者鍛治壮一2020年03月01日 16:06

 一般的にはまだメジャーではなかった野田秀樹を、なぜ、社会部の鍛治壮一が全国紙の1面で初めて紹介したのか。
<演劇はスポーツだを一人歩きさせて野田秀樹を困らせた>
https://kajisoichi.hatenablog.com/entry/2020/02/23/123619
その裏で”暗躍”したのは妻のみさ子だった。
 みさ子は演劇雑誌か東大新聞か何かで東大の駒場小劇場で活動する「夢の遊眠社」の記事を読んで興味を持ち、本多劇場の「小指の思い出」、紀伊国屋ホールの「瓶詰のナポレオン」などを見に行った。後に、夢の遊眠社の創立メンバーで、制作の中心だった高萩宏さん(現・東京芸術劇場副館長)に会った時、笑い話をしてくれた。「その日初めて会ったお客さんなのにいきなり説教されたんです」。芝居に詳しいみさ子は、まだ素人集団を抜け切れていなかった夢の遊眠社のチケット販売や受け渡しの方法が「なってなくて」見ていられなかったらしい。現場にいた高萩氏にいろいろ言った。それ以来、公演のたびに雑談するようになった。
 1984年、野獣降臨(のけものきたりて)の再演。地方展開など劇団がプロ集団として脱皮する重要な局面を迎えていた。「今回はチケットの出足がよくないんですよ」と高萩氏はなんとはなしにみさ子に言った。大学生が自分たちで作った劇団を苦労して続けている、何とか応援したいものだ。家に帰ったみさ子はふと思いついて、高萩氏に電話した。「毎日の鍛治壮一に取材してもらったら?」。「私の名前は出さずに、大学の後輩のよしみで電話すればいい」と付け加えるのも忘れなかった。自分が糸を引いていると知ったら、絶対へそを曲げると思ったのだ。どう言ったのか分からないが高萩氏は普通に毎日新聞に電話して、普通に鍛治壮一に取材依頼したようだ。大学の後輩と言ったって、教養学科と文学部。ゼミやサークルが同じわけではない。年間3000人から卒業生がいて、年も20以上離れているのに、どこで自分の事を知ったのか、不思議に思わなかったのだろうか?
 毎日新聞朝刊1面のひと欄で野田秀樹が紹介された日、みさ子は高萩氏に「今日載りました」と電話。高萩氏は知らず、「そうですか。どおりで、今日はチケットの予約が妙に多いなと不思議だったんです」と納得していた。

コロナ報道はどうあるべきか 意見交換2020年03月01日 20:49

コロナ報道どうあるべきか意見交換会
 先日、「新型コロナウイルスの報道がどうあるべきか」という少人数の意見交換会に誘われ、出席した。
 出席者は、エボラウイルス対策の経験がある医師や狂牛病対策の経験がある獣医師など。マスコミからは新聞やテレビ、ネットメディアで医療、科学報道に関わっている編集委員、論説委員、社会部記者など。
 医療側からはこんな話が出た。
◆写真、遺伝子などの提供が異例、異常に早かった
 今回異例だったのは、これまでエボラ、SARSなど病原体の特定までが大変で1年ぐらいかかったが、新型コロナウイルスは何も分からない状況で、中国からすぐ電顕写真が来て、プライマーもすぐ提供された(*この辺がウイルス研・流出源説の理由になっているのかもしれない)
◆(明治時代の赤痢、コレラのような)中国と日本の医療状況の違いが伝わってない
 感染率、致死率など疫学分析情報がない。エボラは最初、致死率70%、その後、30%と言われたが、ほとんどが脱水症状(低カリウム血症など)が原因で死んでいた。アメリカの医師と一致したのは母国であれば救える。低カリウム血症を起こしている事が明らかでも、カリウム濃度を測れないので治療できない(*カリウムは血中濃度がわからないのに当て推量で補充する事はできない)
 中国の医療が日本と比べてどんな状況なのか、そういう情報が報道されていない。突貫工事で病院を作ったとかそんな情報しかない。死亡者は本当に新型コロナウイルスで亡くなったのかも分からない。武漢で、年間どれぐらいの人が亡くなっているのかという情報もない。そういった情報は調べられるはず。日本の死亡例も本当にコロナウイルスが原因かはっきりしない。
◆官邸の意向から生じたテレビ報道が恐怖をあおる主因
 厚労省はある程度情報がまとまってから出したいのだが、官邸の意向で、それではだめ、2時間おきに情報を出せと言われたという話だ。その結果、東日本震災報道で毎日、死者・行方不明者が積み上がっていくのと同じような報道の仕方になり、恐怖心をあおっている。まるで、恐ろしい病気に高率に感染しているような印象を与える。感染している可能性の高い人を選んで検査しているのだから陽性率が高いのは当たり前。
◆正しく書いても正しいメッセージになってない
 大手メディアの報道は、詳細に読むと非常に正確に書いてある。だが、詳細に読む人は少ない。大部分のぼーっと見ている人、ぼーっと読んでいる人には全く違うメッセージとして受け止められている。特にNHKの罪が大きい。(クロ現などで)おどろおどろしい音楽をバックにつける。アナウンサーのニュースの口調も暗く重々しい読み方をする。2/14ぐらいからNHKは「冷静になりましょう」という報道に舵を切ったと思う。
◆テレビや新聞がウイルスや感染症の専門家でない医師などをコメンテーターとして使っている。
◆一般のコロナウイルスと同じく常在化して、かぜの原因のひとつになるのではないか。
◆最初、不顕性感染がこんなに多いという知識はなかった。不顕性感染者からの感染がある以上、封じ込めは困難。
◆マスクさえあればいいかのような誤解が広まっている。

 これに対し、報道側からは
●専門家として話すべき人がまったく出てこない。最初に治療した国立国際医療研究センターは1回も記者会見を開いていない。研究者同士の学会では情報交換するが、学会場で質問しようとしても、「マスコミの取材は受けない」と拒否する。
●新型インフルの時は、感染研の岡部部長が定期的に会見を開いていた(私の記憶では、2、3日に1回のペース)。今回、感染研はほとんど会見を開かない。
●マスクの使い方はちゃんと説明している
といった反論もあった。
 ちなみに、二十数人いて、マスクをしているのは報道関係者でも医者でもない1人だけ。

 私は、インフルだって、通常のコロナだって、この種の急性感染症で不顕性感染がない病気があるのか、認識がおかしいのではないかと質問したら、「はしかのように100%発症するウイルスもあるからないとは言えない」とのこと。
 この物と人の動きが激しい時代に、ウイルスの流入阻止なんてできるがはずがない、プーチンやトランプの入国制限なんて、何もしないわけに行かないから、「ヤッテル感」出したいだけの政治的パフォーマンスだ、と言ったら、でも、厚労大臣は会見ではちゃんと「水際作戦は時間稼ぎに過ぎない」と正確な事を言ってるとの事。しかし、厚労省のサイトにある説明書きや配布資料を見ると、まるでコロナの上陸を阻止できるかのようなインフォグラフになってますね、という意見が出た。
 私は、今、コロナ報道に関わってないから自分の責任だけで自由に何でも言えるので、ブログなどに本当に思っている事をはっきり書いてるけど、もし、組織の人間として、報道に携わった時に同じように書けるかと言ったら絶対無理。
 また、記者は、何でもない事を大騒ぎするオオカミ少年で責められる事はないが、大事件を大したことないと思って騒がなかったらメチャメチャ怒られると、新人の頃からドーベルマンのように躾けられているので、こういう時に騒がないのは絶対無理です、と言ったら、通信社の記者も絶対無理と同意してた。
 報道も非報道側も全般的に騒ぎ過ぎと感じているようだったが、新聞の科学部門で1人だけ「肺炎の出方がこれまでの感染症と違うので、常在化すればいいという意見はどうかと思う」というスタンスだった。「常在化すればいいではなく、排除は不可能だから常在化は不可避」ということだと反論があった。