レムデシビル先の理由 問題多い特例承認2020年05月08日 15:31

レムデシビル先の理由 問題多い特例承認
 レムデシビルが特例承認された。レムデシビルの発売元のギリアドサイエンシズ社によると、レムデシビルの承認は日本が世界初だそうだ。副作用が強いのに拙速に承認して大丈夫なのか、なぜアビガンより先なのかなど疑問を持っている人が多いようだ。アビガンを特例承認出来ない理由は、薬機法の14条の3の(2)にある。
「外国において、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列することが認められている医薬品であること」
 外国で承認されていないまでも、レムデシビルのようにアメリカで緊急使用許可(EUA)が出ているなどでないと、特例承認できない。アビガンを特例承認するには、RCT(臨床比較試験)の結果を提出してFDA(米食品医薬品局)からEUAを取るなどの手立てが必要だ。
 アビガンで検討されていると噂の「条件付き早期承認制度」という似て非なる制度がある。この制度では「有効性・安全性を再確認するために必要な調査の実施を条件として課される」「承認条件が満たされたかどうか再審査時に確認される」などのハンディがある。通常の承認でも副作用情報は報告しなければならないが、副作用情報を能動的に集める義務などが課される。
 特例承認で、正規の承認と違うこのようなハンディの規定を探したが見つからない。有効性も安全性も検証が不十分なのに、このようなハンディなしに通常の承認と同じ扱いを受けるとしたら、問題だ。
 省略したが、薬機法の「外国」には長い但し書きがあり、どこの国でもよい訳ではなく、日本と同等の承認条件、審査能力の国でないとダメだ。

写真は昨年のおでんの完成品