偽陽性確率を出さないのは全員検査したくないからかと疑いたくなります2021年04月02日 18:01

 新型コロナウイルスのPCR検査が始まってからずいぶんたつのに、いまだに偽陽性の確率に関するデータがほとんどありません。ほとんどが1%程度と仮定してますが、いくらなんでも1%がホントなら社会の混乱が大きすぎるかと。厚労省が全員検査に否定的な根拠が偽陽性なんですが、全員検査したくないからあえて見積もりを出さないのかと疑いたくなります。例えば、緊急事態宣言が開ける3/21までの1週間で、都の検査数49827人、陽性者数は1798人。陽性率は3.6%。感染者のうち何%が陽性と判定されるか(感度)と、非感染者のうち何%が陰性と判定されるか(特異度)を決めれば、感染者数と偽陽性者数を求めることができます。感度はおおむね7割(感染者の3割が陰性判定になってしまう)ぐらいとされてます。特異度を変え、非感染者が陽性判定になる確率を1%から0.01%まで変えると、偽陽性の割合は、

陽性者数 検査数 感度 特異度 感染者数 偽陽性者数 偽陽性者比率
1798  49827 0.7 0.99 1884 479 26.7%
1798  49827 0.7 0.995 2229 238 13.2%
1798  49827 0.7 0.999 2501 47 2.6%
1798  49827 0.7 0.9999 2562 5 0.3%

非感染者の1%が偽陽性になる検査(特異度99%)だと、陽性者の4人に1人が偽陽性になる計算。検査の精度が一定なら感染率が低いほど偽陽性者の比率が大きくなります。広島のような感染率が低い地域で全県検査をやったらすごいことに。

◆日本代表の斉藤俊秀コーチは新型コロナ偽陽性と発表 代表活動の再合流は見送り
https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2021/03/29/kiji/20210329s00002014396000c.html

計算式はこうなります。

偽陽性者数=(検査数-感染者数)×(1-特異度)
陽性者数=感染者数×感度+(検査数-感染者数)×(1-特異度)=感染者数×(感度+特異度-1)+検査数×(1-特異度)
感染者数={陽性者数-検査数×(1-特異度)}÷(感度+特異度-1)
偽陽性者数=陽性者数-感染者数×感度=陽性者数-{陽性者数-検査数×(1-特異度)}×感度÷(感度+特異度-1)

薩摩の古武士のような研究者 ご冥福を 赤崎勇先生2021年04月02日 20:45

雄弁は銀、沈黙は金。古き良き時代の研究者の見本のような方でした。ご冥福をお祈りします。

ホントに私の本読んだ? 赤崎勇さんとの初対面 私が会ったノーベル受賞者22021年04月02日 21:34

大阪にいた時、京都にいらっしゃった赤崎さんにお話を伺う機会があった。ちょうどその直前に、研究生活を振り返った自叙伝のような本が出版されたので、事前に読んでおいた。メーカーなどほとんどの研究者が作れないと早々に撤退した青色LEDを絶対にできると諦めなかったある意味頑強な研究者。で、どうして、赤崎さん以外の人たちは諦めたのかについて質問したのだけど。赤崎さんは「あなたは本当に私の本を読んだのですか?}と真顔で聞く。つい1日前に通読したばかりでその内容はよく覚えていた。「私の本に書いてあるんですけどね」とあきれたような顔をしながらも、説明していただけた。そんなこと書いてあったかな? 私は首をかしげ、帰ってから見直してみた。そんなこと書いてない。いや、無理に解釈すればそう取れないこともない。どういう事か。つまり、この話は、自分がいかに優れていて、他の研究者がいかに愚かだったかという自慢話の類い。そして、これは私の解釈あdが、赤崎さんは研究能力は突出しているが、自分の能力や業績がいかにすごいかという自画自賛をするのが極めつきに下手くそなのだ。欧米の研究者は昔から自分を大きく見せる誇大宣伝が得意だし、留学でアメリカナイズされた近年の日本人研究者も自己アピールが上手。しかし、昔の日本人研究者はまったく違った。評価は他人がするものであって、自分の業績を吹聴して回るものではない。ましてや、ペラペラしゃべるでないと幼少時から叩き込まれる薩摩隼人。今や絶滅しかかっている古き良き時代の研究者だったのだ。

◆高山の酒中の仙 私が会ったノーベル受賞者1
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2020/11/13/9316167