エイズ薬濃度200倍ならコロナに効く?2020年03月16日 08:19

 以前に、新型コロナウイルスにアビガンが効く濃度はかなり高めというデータについて書いたが、
<アビガン濃度20倍!にすれば効くかも コロナ 大丈夫か?>
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2020/03/07/9221674
同じ感染症学会の抗ウイルス薬使用指針に抗HIV薬のカレトラ(ロピナビル、リトナビル配合剤)についても書かれている。

>> 過去の流行時の報告では MERS ウイルスは EC50 8.0±1.5μM(in vitro)、SARS ウイルスは EC50 17.1±1.0μM(in vitro)であるため、HIV-1 と比較し、200 倍以上の EC50である。このため、MERS・SARS ウイルスの近縁種と捉えられる COVID-2019 についても、HIV-1 と比較して高濃度の EC50を示す可能性があり、用量については有害事象のモニターと合わせ今後の検討が必要である。

 EC50(50%効果濃度)とは、ざっくり言うと、この薬をかけたらウイルスの活動(増殖など)が半分に抑えられる濃度。ロピナビルでは、8.0μM=(8.0*0.62881=)5.0μg/mL、17.1μM=10.8μg/mLになる。
 カレトラの添付文書によると、(ヒト血清非存在下では)「HIV-1標準株に対するロピナビルの平均EC50は10-27nM(0.006-0.017μg/mL)であり」とあり、確かにMERSで300倍、SARSで600倍ぐらいだ。用法通り投与した場合の定常期血中濃度は最大約10μg/mL。最大でSARS、MERSのEC50とどっこいどっこい。しかも、HIV1に対してヒト血清存在下では7-11倍の効力低下がみられたとあるので、どうして効くのか不思議。

 http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_antiviral_drug_200227.pdf

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