事故機の免責は世界の常識2024年01月05日 18:34

事故機の免責は世界の常識
航空安全推進連絡会議が羽田の海保機-JAL機事故に緊急声明
1)この主張の通り、事故調の報告書を刑事裁判の証拠にしてはならないという国際的なルールを日本が守っていないのは問題だ。刑事被告人には自分に不利となる事柄に関しては黙秘権があり、事故当事者を免責しないと真実を話さなくなり、航空機事故の原因究明、再発防止ができなくなるからだ。
 欧米の法律では、よほど悪質なものでない限り過失には刑事罰を科さないのが伝統で。その点では日本の法律はドイツ法やイギリス法をモデルにしたにもかかわらず、非常に特異だ。
 またこの問題には日本の国民性の要素もある。何か過失による重大事故が生じると、「誰が悪いのか犯人捜し」に躍起になり、「犯人」を決めると、引きずり出して謝罪させ、罰を与えたがる。そして、罰を与えると満足して、すっかり忘れてしまい、なぜそのような事故が起きたかというシステムの欠陥の問題には興味を示さず、結局、教訓を生かすことができなくなる。
2)最後から2番目の段落、「また、・・・」で始まっているが、その前は「ICAOの精神を遵守するべき」なのに対し、日本は正反対のことをしているという主張なので、「また」はおかしい。「而るに」「しかしながら」「にもかかわらず」などを使うべき。この声明の主張の核となる部分なのに、惜しい失敗。
3)前段の部分は不要。これがあるために、最も訴えたい後段の主張がぼけてしまうので、むしろ、邪魔。
4)特に、報道機関やSNSの情報の取り扱いに関する注意喚起は無用。運輸安全委員会の事故調の調査はそんな雑音に左右される物ではない。日本の裁判の判決が報道機関やSNSの臆測に左右されたりしないのと同じ。

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