元警察庁長官は逮捕されない 後藤田氏をもてはやしたマスコミの罪は大きい2019年06月10日 07:58

 池袋事故の元工技院院長が逮捕されないのは上級国民だからというあり得ないデマが流れている事を以前に書いた。事務次官にだって大した権力はないのに、たかが工技院にそんな権力があるわけない。しかし、これがもしも元警察庁長官や財務大臣の息子とかだったら、ケガもウソなのに逮捕されないという噂を信じる気になる。
 6/9(日)の日経新聞のコラム風見鶏「後藤田恩赦再び」。恩赦の対象があからさまに選挙違反に偏っている事。そのため、自民党の運動員が「すぐ許される」とたかをくくっていたから日本の選挙が、長らく買収・供応やり放題だった事。衆院選前の1993年、後藤田正晴副総理が対象となる犯罪を明らかにしない特別恩赦を実施。衆院選後にその4分の3が選挙違反だったと分かったという。
 後藤田氏の晩年、新聞を初めとする多くのマスコミが政治改革の旗手ともてはやした。死去の際も、「国会のご意見番」などと持ち上げている。それにうんざりしていた身としては、このコラムにめっちゃいいね100個ぐらい付けたい。
 それらの評伝に書かれていなかった歴史的事実がある。落選した最初の参院選で、史上最悪と言われる選挙違反をしながら逮捕されなかったのが、後藤田氏である。そりゃあ、県警が、ついこの間まで警察庁長官だった人を逮捕できるはずがない。そんな人を清い政治のシンボルのように祭り上げた罪は大きい。その頃の政治部社会部記者は選挙違反の件を知らなかったのか。
 歴史を知らない人間が今を書いちゃいけないですな。
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2019/04/28/9065552