大坂なおみ発言誤訳の理由①慣用表現を知らない2019年01月28日 00:28

 前回書いた大坂なおみの コメント、I don't really want to say anything wrong at this point.を「悪く言いたくない」と訳している件。これと似たような例は英語曲の訳詞でもよく見かける。

 例えば、THE CARSのヒット曲でカバーも多い「DRIVE」。歌詞の以下の部分の訳。

You can’t go on
thinking nothing's wrong

先になんて進めないよ
何も悪くないなんて考えでは
https://ameblo.jp/heartlight1962/entry-11425629011.html

このままじゃやってけないよ
何も悪いところはないと思っているうちはね
http://pingpongkingkong.blog108.fc2.com/blog-entry-409.html


このまま続けるのはムリだよ、上手く行くと思い込んだままで
http://rittor-music.jp/column/love/15123

↓こちらはだいぶ意訳だが、大意は取っている。

君は自分が間違ってるってことに、いつか気がつくさ
https://blogs.yahoo.co.jp/incheaven325/19103352.html

 上の3つの誤訳はgo on doingという慣用表現を知らないために起きている。
歌詞の直訳は、「悪い事なんて何もないと思い続ける事なんてできない」
悪い事ではなく、まずい事、間違っている事かもしれないが。
 この歌詞が言っていることは、すでに破局している、破綻しているのに、「何も悪い事なんて起きていない」と、現実から目をそらしているが、そんな風に自分をだまし続けるのは無理だということだ。それを端的にまとめれば4番目のようになるだろう。
 もし、上の3つのように、go onが先に進む、やっていくなのだとしたら、go onとthinkingとの間にwithか何か前置詞などが必要だ。

 インタビューの誤訳もsay anything wrong(間違ったことを言う)という慣用表現を知らなかったことが原因だろう。