インフルワクチンが効かない真の理由 製法に欠陥2019年01月25日 19:27

 インフルエンザのワクチンが効かない本当の理由を、一言で言うと、製造過程で効く物が効かないワクチンに変わってしまうからだ。
 また、おかしな医者のトンデモ説だとでも思うだろうか?
いやいや、日本のワクチン作りの要、国立感染症研究所による実験結果なのだ。
 製造方法の本質的欠陥を抜本的に解決しない限り、どうしようもない。しかも、製造の最終段階で効果が低そうな事はわかるから、欠陥商品と知りながら出荷しているようなものだ。
 私がこの事を初めて知ったのは、ある新聞記事だ。
「接種で楽観は危険 高齢者のインフルワクチン」という意味不明なタイトルの記事なのだが、その中に、こう書いてあった。

<インフルワクチンは鶏の卵の中でウイルスを培養して作るが、その過程で抗原が変化する。変化が元のウイルスに対し8倍以上になると、効きが悪くなる傾向がみられ、32倍を超すとほとんど効かないとされる。
 感染研が昨季のワクチンをフェレットに打ち抗体を作り、流行株との反応性を調べたところ、全て8倍以上の変化で、うち74%は32倍以上>

 驚いて、国立感染症研究所のサイトを見ると確かにそういう事が書いてあった。
といっても、この記事も感染研のサイトも「日本語できるんですか?」とツッコミたいぐらい意味不明瞭なので、分かりやすく説明しよう。
 人間やフェレットなどの動物は、ウイルスに感染すると、体の中でそのウイルス専用の抗体ができる。抗体がウイルスを攻撃して撃退するが、抗体の量産に時間がかかるので、治るまで時間がかかる。その間に、全身にウイルスが回って死んでしまう人もいる。
 そこで、あらかじめウイルスを注射して抗体をつくって量産体制を整えておけば、同じウイルスに感染した時、ただちに撃退できる。これがワクチンの原理。インフルのワクチンは、培養したウイルスを壊して病原性をなくした物だ。
 ワクチンが効くか効かないかは、ワクチンでできる抗体がウイルスを倒せるかどうかにかかっている。それは、ワクチンに使われるウイルスと実際に流行するウイルスがどれぐらい近いかで決まる。
 で、この記事や感染研が言っていることは、ワクチンを作るために、インフルエンザのウイルスを卵で培養していると、元のウイルスと違うウイルスに変わってしまうため、この変わってしまったウイルスで作ったワクチンは実際に流行するインフルエンザには効かない、ということなのだ。

 この記事を読んだ時は、のけぞった。
いままで医師やワクチンの専門家に聞いてきたことと全然違う。
国立感染症研究所のサイトに昔書いてあったこととも違う。
それまで聞かされてきたインフルワクチンが効かない理由は2つ。
(1)ワクチンを作る時に冬に流行するウイルスの株を予想するが、予想がはずれた。
(2)予想が当たったが、その株がアメリカ大陸やヨーロッパやあちこちで流行しているうちに変化してしまった。

 感染研のサイトにも昔はこの2つの理由が書いてあった。この2つはどっちもしょうがない。
だが、流行する株を的中させ、ワクチンの種に使ったウイルスなら十分効くのに、製造過程でダメになってしまう。しかも、培養したワクチン用のウイルスを調べた段階でダメだとわかっているのに、出荷している。ワクチンがないというわけにいかないし、ないよりはまし。もし、それで出荷できないようなら、どこもインフルワクチンなど作らなくなってしまう。
 そこで、卵で培養してもなるべく変化しにくいようなウイルスを選ぶようにしているのだが、ほとんど効果が上がってない。