主役降板はホント?マイワシ、サンマ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(16)2025年09月12日 19:46

主役降板はホント?マイワシ、サンマ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(16)
主役降板はホント? マイワシ(真鰯)、サンマ(秋刀魚) 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(16)
 フランス大使館に関するこんなエピソードを聞いたことがある。
大使館員が日本人の料理人にアンチョビ(anchois)が食べたいと言った。アンチョビとはカタクチイワシ(ニシン目カタクチイワシ科カタクチイワシ属)の塩漬けのこと。しかし、大使館に雇われるほどの料理人。プライドにかけてイワシなんて下魚を出すわけにいかないと「アンチョビは売ってない」とウソをついた。大使館員は自ら築地市場に行き、「あるじゃないか。これを料理しろ」と怒ったという。
 イワシ類は大量に取れて安く、飼料や肥料にも使う下魚の代表選手だった。
 ところが、1990年代までは100万トン単位だったマイワシ(ニシン目ニシン科マイワシ属)の漁獲量が90年代に急減し、2000年代には1000トンほどにまで落ち込んだ。価格も高騰し、当時、築地にあった寿司大でも「イワシはもう高級魚」と言っていた。
「あのころはキロ5、6000円もしたからとても使えなかった」。
 2010年代から増え、2022年の日本の漁獲量は56万トン。
 そして、近年、不漁が続いているのがサンマ(ダツ目サンマ科サンマ属)。1999年に13万トン台だった漁獲量が2000年代から20万トンを超えた。08年の34万トン台をピークに下がりだし、23年には2万トン台、24年も4万トン弱だった。15年間で10分の1以下になってしまったのだ。
 日本近海では、マイワシが減るとカタクチイワシやサンマが増え、カタクチイワシやサンマが減るとマサバ(スズキ目サバ科)が増え、マサバが減るとマイワシが増えるとされている。魚種交代という現象だ。
 これらの青魚は近縁種ではないが、大きさや住んでいる場所、食べる物が似通っている。そのため、ある種が増えるとほかの種が減るのではないか。成長に適した水温が違うため、海水温の変化によって交代するのではないか。魚種交代の原因についてそのような説がある。
「でも、それってピンと来ないなあ」と店長。「今年はサンマもイワシも豊漁だけど、サバが全くない」。
 研究者の間でも、本当に魚種交代が起きているのかどうかも含め、異論も多い。漁獲量が減るのは乱獲が原因であり、自然現象だからまた増えると安易に構えていると漁業資源が枯渇すると警鐘を鳴らす。
(写真上は、右からアジ、サンマ、マイワシ、ニシン)

◆今日の27貫
気仙沼カツオ、千葉真鯛、神奈川真蛸、三重メイチダイ、青柳、エボダイ江戸前、鯵、秋刀魚、イワシ、ニシン、平目エンガワ、平目、イトヨリダイ、北海道ぼたん海老、長崎ヤリイカ、(ぼたん海老頭唐揚げ)、三重サゴシ、神奈川甘鯛昆布〆、山口煮アワビ、小笠原メカジキ、赤貝、東京湾タチウオ、スミイカ、北海道生いくら、マゴチ塩、車海老ボイル、キンメダイ昆布締め、北海道ウニ

◆そのほか
お通し カンパチ
秋刀魚、赤貝肝
卵焼き
中落ち鉄火巻き

◆今日の酒
ササ正宗、上喜元純米吟醸、山形正宗

■のぶっこ 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(1)
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■鱚(キス) BSS(僕が先に好きだったのに) 白身は釣りたて締めたてはうまくない 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(9)
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■ワラサ ハマチは禁句 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(12)
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■白身魚はネコ型短距離選手 マゴチ(真鯒) 豊洲おさかな図鑑-今日も寿司大に行ってきました(15)
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