宝くじのバラは高額当選確率が連番の2.5倍になるのはなぜか① 簡潔に説明してみた2018年11月30日 01:18

 2.5倍説の最初の連続書き込みは、過去の経緯が長くてごちゃごちゃ読みにくかったので、すっきりさせてみました。今のところ、「○○の方が先だ」という反響は一切ないので、やはり、2.5倍説を発見して最初に指摘したのは8年前の私なのだろう。
 細かい算数をしなくても、科学する心があれば、バラは高額当選確率が大ざっぱに連番の3倍になることは直感的にわかる。科学する心にとって大ざっぱな予測はとても大切だ。
 連番は10個の数字が1カ所に固まっているので、当たれば1等前後賞ほぼ独占する。バラは数字が10個の組にばらけているので、1等が1つ分前か後ろにずれても前後賞があたる。どれかに引っかかる可能性はバラの方が約3倍なのだ。
 どうして、ぴったり3倍にならないかというと、連番でも端っこに前後賞だけが引っかかる場合があるからだ。
 例えば、連番を1組の19万100番から19万109番まで持っているとする。1等が1組の19万99番であれば、後賞が、19万110番であれば、前賞がひっかかる。1等がこの99番から110番までの12通りのどれかであれば、高額当選になる。
 一方、バラは10個の数字のどれかかその1つ分前か後ろが1等になればいいから、30通りある。30通りだから12通りの2.5倍だ。
 で、年末ジャンボの場合、番号が2000万通りあるから、連番で1等前後のどれかに当たる確率は2000万分の12=500万分の3=0.00006%だ。バラだと2000万分の30=200万分の3=0.00015%。

全部買い占めると必ず儲かる宝くじが海外にはあった2018年11月30日 19:02

 宝くじの賞金総額を全売上額で割った数字を還元率(払い戻し率)という。宝くじを全部買い占めた時、受け取る賞金額を買い占めに使った額で割った率だ。くじの発売元(胴元)が必ず儲かる仕組みだから、当然、還元率は1より小さい。日本の宝くじは50%以下と法律で決まっていて、世界的にほとんど例がないほど割に合わないギャンブルだ。
 さて、海外では還元率が1を超えてしまう宝くじがある。当選者が出なかった場合、その賞金を次回に持ち越す「キャリーオーバー」という仕組みが原因だ。胴元は前回、前々回の発売で巨額な利益を出しているから、トータルでは損はしない。しかし、キャリーオーバー連続でとんでもない額になった当選が出たときだけ、見かけ上、賞金額が総売り上げを超える出血サービスのような状態になる。
 実は、このことを利用して、莫大な利益をあげたオーストラリアの投資グループがある。そのグループは92年、アメリカ・バージニア州の1枚1ドルのくじすべての組み合わせ706万枚を買い占めると、2790万ドルの賞金が当たることに気づいた。還元率は395%で、約4倍。各地の売り場にバイトを動員し、3日間で500万枚買い、2700万ドルの賞金を手に入れた。バイトへの支払いを別にすれば、約5億円の投資で、約22億円儲けたことになる。
 このようなやり方は不法であると、胴元と訴訟沙汰になり、その後はこういうことができないような仕組みになったらしい。
 還元率の上限が50%と決まっている日本の法律でも、キャリーオーバーで一時的に100%を超えるのはいいそうだ。ただし、自分で自由に番号を選べないTOTOなどでは、すべての組み合わせの買い占めは不可能だ。