1回分廃棄 日本では当然 コロナワクチン2021年02月17日 13:22

1回分廃棄 日本では当然 コロナワクチン
 ファイザーのワクチン1瓶を無駄なく6回使える、アメリカでは普及している注射器が日本にはほとんどないと聞いて、当然だろうなと。ファイザーワクチン1回分は2000円ぐらいだが、日本は1瓶何十万円もする抗がん剤を余らして大量に捨てている先進国では稀な国だ。日本では治療薬1瓶は患者1人に使うのが原則。100mgの瓶で売っていて、ある患者に60mgしか必要なかったら残り40mgは捨てる。アメリカなら複数の患者で使い回し、極力余りが出ないようにする。日本の場合、実際は一部しか使ってなくて残りを捨てていても1瓶分保険請求できる。少しでも余りを出さないようにしても経営的なメリットはなく、そのためにわざわざ高い注射器に変えるのは余計な経費が増えるだけのマイナスだ。廃棄を減らすための体勢が整えられたのはつい最近。日本は誰でも標準治療が受けられ、薬の流通在庫はいつも豊富。アメリカのような先進国でも治療薬の在庫が切れて治療ができない事がある。国際会議で日本の現状を知った他国の医師が「捨てるならうちにくれ」と怒っていたそうだ。
 今から4年前の推定値で日本の抗がん剤年間廃棄額は740億円。
 さて、今回のワクチンのように1人分の用量がきっちり決まっているものもある。ポテトチップスの袋に内容量100gと書いてあっても110gぐらい入ってるのと同じで、薬の瓶も表示容量より必ず多めに入ってる。新人は注射器の扱いが下手で瓶から取る時にこぼしてしまってキリギリになったり、ベテランだとほぼぴったりで余りが多かったりと人によって違う。ファイザーの瓶は元々5人分で表示している。その余り分がもったいないから有効に使おうというのが、欧米では基本6人分という事になってしまったというわけだ。
 モノ余り廃棄大国日本の弱点が露呈したのではないかと。