mRNAワクチンでは重症化誘発は起きないという常識が崩れた? 日経サイエンスの阪大研究紹介2021年10月27日 18:11

mRNAワクチンで重症化誘発はない常識が崩れた? 日経サイエンスの阪大研究紹介
 日経サイエンス11月号のmRNAワクチン特集。カタリン・カリコ博士らの苦労物語に関してはネイチャーの9月の特集とほとんんど同じで目新しいことは書いてない。阪大の荒瀬教授が5月に発表した研究について詳しく書いていて、少し面白かった。
ワクチンでできる抗体には、感染や発病を防ぐ「中和抗体」と、感染を返って促してしまう「抗体依存性感染増強(ADE)抗体」がある。それ以外にどっちでもない役立たず抗体もあるが。これまでmRNAワクチンやベクターワクチンでは中和抗体しかできないので、抗体が感染を促進するADE現象は起きないとされてきた。しかし、mRNAワクチンでもADE抗体ができるという報告だ。
 ウイルスの表面には鍵のようなたんぱく質が突き出ており、細胞膜の表面に突き出ている鍵穴にその鍵を差し込むことで、細胞に侵入する。ウイルスでは、中和抗体とは「この鍵にくっついて細胞に感染できなくさせる抗体」とされている。コロナウイルスの場合、この鍵は王冠のギザギザ部分のスパイクたんぱく質にある。mRNAワクチンやベクターワクチンはこのスパイクたんぱく質専用の抗体をつくるワクチンだから、中和抗体しかできず、ADE抗体はできないという理屈だった。ここに落とし穴があって、鍵と言っても実際に鍵穴に働くのは先端部分のみ。スパイクたんぱく質を鍵と見なすのは、持ち手の部分やキーホルダーまで一体で鍵としていることになる。荒瀬研で見つけたのは、スパイクたんぱく質の持ち手部分やキーホルダー部分にくっつく抗体は感染を防ぐ効果がなかったり、場合によっては感染を後押ししてしまうことだ。

◆中和抗体の定義に問題

 以前から感じていたのだが、中和抗体の定義がぶれていてあいまいだ。北里柴三郎の伝統に則れば、中和抗体とは、病原体や毒物の機能を失わせ、無害化する抗体。当時は、ウイルスと抗体の具体的な形なんて分かってない。細かい形までわかるようになって、ウイルスでは表面の鍵にくっついて細胞に感染できなくする抗体という定義が生まれたわけだ。これらの中和抗体の役割によるマクロな定義と分子レベルの結合によるミクロな定義が一致していればいいが、当然ずれてくることがある。

◆mRNAワクチンでも感染重症化誘発は起き得るか?

 さて、ワクチン接種による抗体が返って重症化させてしまうADE現象はワクチンによる免疫が中途半端で中和抗体が少ない場合に起きるとされる。mRNAワクチンは免疫を強く刺激するので起きにくいはず。しかし、グループが懸念しているのは、鍵の先端部に変異が起きてしまった場合だ。ワクチンでできる従来株に対する中和抗体は鍵の先端部分に結合できなくなるので、中和抗体はないのと同じ。変異しないキーホルダー部分にくっつくADE抗体は従来株用でも変異株でも同じなので、ワクチン接種でこの変異株の感染が増強される恐れがあるというのだ。一理ある。ただし、鍵先端部の変異は鍵穴との相性も悪くしてしまうことが多いので、感染力が弱い雑魚キャラになる確率が高く、それほど心配することはないと思う。

http://www.biken.osaka-u.ac.jp/achievement/research/2021/154

マブマブ,舌かみそうなコロナ薬,命名の意味は2021年09月28日 12:55

マブマブ,舌かみそうなコロナ薬の意味は
カシリビマブ、イムデビマブ、ソトロビマブ。何で覚えにくい名前ばかりなのかと質問された。薬には一般名と商品名があって、一般名は主成分の化合物名なので、堅苦しい名前が付く。抗体医薬でも、がん免疫療法のキイトルーダやオプジーボ、乳がん・胃がんなどの治療薬ハーセプチンなど、古代神話の怪物やアニメのヒーローメカみたいな覚えやすい商品名。でも、一般名は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、トラスツズマブ。
 マブ(mab)というのはモノクローナル抗体(monoclonal antibody)の事で、抗体医薬には基本この語尾が付く。
 mabの直前のアルファベットは、その抗体がどの動物由来かを示す。
uは100%人間(human)、zuはほぼ人間に近い(humanized)、xi(キメラ 人とマウスなどが混ざっている)、i(サル)、o(マウス)などと決まっている。
 そして、そのさらに前のアルファベットは抗体医薬の攻撃対象のたんぱく質を表す。最近承認されたコロナ治療薬のようにウイルスのたんぱく質に対する抗体だったらviralのvi。抗腫瘍抗体だったらtumorのtu。
 ハーセプチンのTrastuzumabは、腫瘍(がん細胞)のたんぱく質を攻撃する大部分ヒト化された抗体だと分かる。キイトルーダのPembrolizumabやオプジーボのNivolumabのl、liは免疫に関連するたんぱく質を攻撃するという意味。
 阪大が開発したリウマチ薬で新型コロナウイルス感染の重症化防止にも使われるアクテムラ(Tocilizumab)も同様、免疫に関係するたんぱく質(サイトカインIL6受容体)に対するヒト化された抗体。

◆コロナ軽症用二つ目の治療薬「ソトロビマブ」を特例承認 厚労省
https://digital.asahi.com/articles/ASP9W4DW9P9WULBJ003.html

◆新なコロナ薬 なぜ抗体薬ばかりか
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/09/07/9420500

◆コロナ"治療薬"なら日本企業でも可能だろうが
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/09/27/9427442

コロナ"治療薬"なら日本企業でも可能だろうが2021年09月27日 12:51

コロナ"治療薬"なら日本企業でも可能だろうが
 メルクのモルヌピラビルは元はインフル用とのこと。アビガンもレムデシビルなどそうだが、流用はイマイチというか、時間がかかってもやはりそのウイルス専用の抗ウイルス薬を作らないとダメだではないかと。
 抗体医薬は割と楽に開発できるがバカ高いという欠点の他、抗体の性質上、飲み薬にはできないという問題がある。点滴できる設備が必要。それで、経口投与、腸から吸収できる人口化合物の抗ウイルス薬が期待されてるわけだが。健康な人を数万人集めて、病気になるのを防げるかどうかをみるワクチンに比べれば(ファイザーの治験では2万人に偽薬を接種して発病したのはたった162人)、治療薬は数百人規模の患者を集めれば検証できるので、国内製薬企業でも開発できるお手頃感がある。しかし、コロナやインフルのように、何もしなくても99%ぐらいは勝手に治ってしまう病気で治療薬の効果を確かめるのは非常に困難だ。治療しなければ100%死に至るエイズの場合、死ななくなるから効果は明らか。また、C型肝炎のようにウイルスが肝臓に居座って、自然には絶対いなくならない病気なら、99%の感染者でウイルスが消える薬は特効薬と言える。
 タミフルの場合、「発熱から72時間以内に飲んで、症状がなくなるまでの期間が5日から4日にたった1日間縮まるだけ」と反対派に酷評された。それでも承認されたのは高病原性鳥インフルエンザのパンデミックを恐れたからだ。高病原性鳥インフルエンザは人にめったに感染しないが、感染すると非常に致死率が高い。臨床試験ではないので厳密性に欠けるが、早くタミフルを飲んだ人ほど死亡率が下がるというゆるいデータがある。季節性インフルの場合、健康な人なら72時間もすれば抗体が増えてきて、放っておいてもウイルスが減る。新型コロナウイルスも同様。おそらく、統計的に意味のある差が見られるのは、入院期間が短くなるというデータぐらいで、死亡率が下がるというデータは数百人程度では無理だろう。

◆軽症者が自宅で使える「コロナ飲み薬」開発大詰め…米、年内にも実用化
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210913-OYT1T50207/

◆飲み薬のスピード開発、コロナ収束のカギ 世界が注視
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC107TD0Q1A910C2000000/

◆コロナ飲み薬、年内にも実用化 軽症者治療の切り札に
メルクやファイザー、治験最終段階
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1744F0X10C21A9000000/

◆国産ワクチン ズルはよくない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/09/21/9425664

◆ズルでパスの国産ワクチン打ちたい人いる? 日本のワクチンの将来のため無償で実験台になる崇高な方々?
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/07/13/9397649

◆国産でも不活化ワクチンでは期待薄
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/09/24/9426569

国産でも不活化ワクチンでは期待薄2021年09月24日 14:10

国産でも不活化ワクチンでは期待薄
>>発病を阻止する有効性については「一定の有効性が期待できる結果が得られた」としているものの、具体的な数字は示していない。

 何十年も使われている季節性インフル用と同じ不活化ワクチンだから、かなり安全であることは期待できる。しかし、インフルでも分かる通り、不活化ワクチンはほとんど効かない。中国製の不活化ワクチンはmRNAワクチンやウイルスベクターワクチンに比べ、かなり効果が低いとされ、不人気。
 国産ワクチンは数万人規模で偽薬と発病率を比べるまっとうな臨床試験を端折るため、先行ワクチンとの比較で審査される方針だ。中国やインドの不活化ワクチンにまっとうな臨床試験データはないので、mRNAワクチンやベクターワクチンのファイザーやアストラゼネカなどのデータと比べることになるだろう。
 しかし、抗体のでき方を比較しただけで正しく評価できるかどうか疑問。mRNAワクチンやベクターワクチンはコロナウイルスのたんぱく質に対する抗体ができる「液性免疫」だけではない。ウイルスが感染した細胞に免疫細胞が襲いかかり、乗っ取られた細胞ごと殲滅する「細胞性免疫」も誘導されている。細胞性免疫も働く事がmRNAワクチンやベクターワクチンの強さの秘密ではないかという説もある。不活化ワクチンや塩野義の遺伝子組み換えたんぱくワクチンにはこの効果はない。

 ・液性免疫 体内に侵入したウイルスが壊れて、そのたんぱく質がばらまかれる。落ちているウイルスたんぱくを巡回している免疫細胞が拾い食い。「こんなよそ者が紛れ込んでいる」とウイルスたんぱくの回状を回すと、専用に攻撃する抗体が量産体制になる。
 ・細胞性免疫 ウイルスの感染を受けた細胞は、ウイルスのたんぱく質を作る工場として使役される。感染細胞は、細胞表面にウイルスのたんぱく質を目印の看板にして「こんなよそ者に乗っ取られた」と掲げる。すると、その目印に特化した免疫細胞が作られ、襲いかかり、感染細胞ごと殲滅する。

◆KMバイオが最終段階治験 コロナワクチン、来月にも
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15051308.html

◆KMバイオ、コロナワクチン10月最終治験 22年度実用化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC182CE0Y1A910C2000000/

◆ワクチン接種をためらっている人に朗報「KMバイオロジクス」が国産新型コロナワクチンの実用化を1年前倒し
https://maonline.jp/articles/kmbiologics_vaccine20210923

◆国産ワクチン ズルはよくない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/09/21/9425664

◆ズルでパスの国産ワクチン打ちたい人いる? 日本のワクチンの将来のため無償で実験台になる崇高な方々?
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/07/13/9397649

横浜市長選IR反対派候補教授 間違い2021年06月23日 12:55

横浜市長選IR反対派教授 間違い
市長選に出る出ないでもめている横市の教授の新型コロナウイルスワクチンに関するインタビュー。明らかな間違いがある。また、これまで聞いてきた医学の常識と違う事も書かれている。教授が言い間違えたのか、インタビューアーの聞き間違え、勘違いなのか分かりらないが。この教授、経済出身で、院から理転。医療といっても統計解析などの専門家で、ウイルス学や免疫学そのものに詳しいわけではないようだ。

◆ワクチン、「かかった人」は受けるべきか 専門家に聞く
https://digital.asahi.com/articles/ASP2D36JPP27UTFL002.html

>>世界で行われているファイザー社やモデルナのワクチンの治験は、「感染したことのない人」を対象に行われているため、「1度感染した人は打たなくてもよいのか」ということについて、世界でもまだ定まった見解はありません。

 ファイザーのプロトコル(実験計画書のようなもの)を読めば明らかだが、ファイザーの臨床試験には感染歴がない場合と感染歴の有無を問わない場合の2つがある。ファイザーのプレスリリースには、「本解析において、2回目接種7日後から評価したSARS-CoV-2感染歴のない参加者の集団(1つめの主要評価項目)、SARS-CoV-2感染歴のある参加者と感染歴のない参加者を含む集団(2つめの主要評価項目)の両方において、ワクチンのCOVID-19発症予防効果は95%(p<0.0001)であることが示されました」と書かれている。定まった見解がないことはその通りだが。
◆ファイザーとBioNTech、COVID-19ワクチン候補の国際共同第3相臨床試験ですべての主要な有効性評価項目を達成
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2020/2020_11_19.html

少なくとも「感染した事のない人を対象に行われている」は間違い。「感染した事のある人についてはまだ明確でない」ぐらいならぎりぎりOK。

>>水ぼうそうでは、感染して回復した人には免疫がつくので、ワクチンを接種する必要はありません。

なんで水ぼうそうなんかを例に挙げたのだろうか。無難にはしかとか風疹とか言っておけばいいのに。水ぼうそう(水痘)のヘルペスウイルスは回復しても体内に居座り続け、帯状疱疹の原因になる。水ぼうそうにかかったことがある成人に水痘ワクチンを接種することで帯状疱疹を予防できる事は今は医学の常識のはずだ。

◆水痘ワクチンによる帯状疱疹の予防
https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2433-related-articles/related-articles-462/8236-462r08.html

コロナの飲み薬 構造見る限り期待できそうにない2021年06月14日 18:35

経口コロナ薬 構造見る限り期待できそうにない  新型コロナウイルス初の飲み薬ということでニュースになっていたが、構造式を見る限りほとんど期待を持てない。このモルヌピラビルも、レムデシビルやアビガンも、元は抗がん剤だ。そして、帯状疱疹の特効薬アシクロビルも、C型肝炎の特効薬も、HIVのAZTも、みなそうだ。これらはDNAやRNAの合成を邪魔するため、がん細胞の増殖を抑える。同じ仕組みでウイルスのDNA、RNA合成も妨げる。原理は簡単で、DNAやRNAそれぞれの4種類の部品のどれかに似た化合物。DNAやRNAを作る酵素が正規の部品と間違えて作りかけのDNA、RNAにつないでしまうため、正常なDNA、RNAができなくなってしまう。しかし、正常な細胞の酵素のDNA、RNA合成も妨げ、細胞に対して毒性がある。そこで、ウイルスの酵素のみに作用するようにいろいろ工夫する。例えば、B型肝炎やHIVで使うFTCは、イオウ(S)やフッ素(F)で炭素(C)を置き換えている。何より、右手系と左手系を入れ替えている。細胞の酵素はこの鏡に映したような右手系左手系を厳密に区別するが、HIVの酵素は騙されてしまう。そのため、FTCは非常に毒性が低い。  ところが、モルヌピラビルは、構造はシチジンとほとんど同じ。これではウイルスの増殖を抑える濃度と細胞に障害を与える濃度の差を大きくできず、副作用が大きいのではないかと予想される。もともとインフル用だったが、異なるウイルスに幅広く効くということは結局いろいろ害をなすというのと裏腹だ。やはりコロナウイルス専用の薬剤を開発しないとうまくいかないではないか。
 新型コロナウイルス初の飲み薬(といっても、コロナで承認されている抗ウイルス薬はレムデシビルしかないが)ということでニュースになっていたが、構造式を見る限りほとんど期待を持てない。このモルヌピラビルも、レムデシビルやアビガンも、元は抗がん剤だ。そして、帯状疱疹の特効薬アシクロビルも、C型肝炎の特効薬も、HIVのAZTも、みなそうだ。これらはDNAやRNAの合成を邪魔するため、がん細胞の増殖を抑える。同じ仕組みでウイルスのDNA、RNA合成も妨げる。原理は簡単で、DNAやRNAそれぞれの4種類の部品のどれかに似た化合物。モルヌピラビルはRNAの部品A、G、U、Cのうち、Cのシチジンによく似た化合物です。RNAを作る酵素が正規の部品と間違えて作りかけのRNAにつないでしまうため、正常なRNAができなくなってしまう。しかし、正常な細胞の酵素のRNA合成も妨げ、細胞に対して毒性がある。そこで、ウイルスの酵素のみに作用するようにいろいろ工夫する。シチジンの類似化合物では、例えば、B型肝炎やHIVで使うFTCがあり、イオウ(S)やフッ素(F)で炭素(C)を置き換えている。何より大きな特徴は右手と左手で持つ物がシチジンと逆になっている。細胞の酵素はこの鏡に映したような右手系左手系を厳密に区別するが、HIVの酵素は騙されてしまう。そのため、FTCは非常に毒性が低い。
 ところが、モルヌピラビルは、構造はシチジンとほとんど同じ。これではウイルスの増殖を抑える濃度と細胞に障害を与える濃度の差を大きくできず、副作用が大きいのではないかと予想される。もともとインフル用だったが、異なるウイルスに幅広く効くということは結局いろいろ害をなすというのと裏腹だ。やはりコロナウイルス専用の薬剤を開発しないとうまくいかないではないか。
 この契約は、臨床試験の結果がよければ緊急使用許可 (EUA)か正式承認が出て、その場合は買うということ。レムデシビルと同様入院期間が短くなる程度で、死亡率が劇的に下がるとか考えにくい。何が起きるか分からないのが医学生物学だが。
 ちなみに、モルヌビラビルの 左の方にくっついているのは、細胞膜を透過させるための保護基(イソ酪酸エステル)で、細胞の中ではずれて、シチジンと同じOH基に戻る。結局、違いは、シトシン部分のNH2がNHOHになっているだけ。
◆Merck 社は,軽症から中等症の COVID-19 の治療のための経口抗ウイルス薬の治験薬候補であるモルヌピラビル(Molnupiravir)の米国政府との供給契約を発表
https://kitasato-infection-control.info/swfu/d/ivermectin_20210612_j.pdf

武漢病NG,武漢株OK WHO規則の分かりにくさが混乱の元2021年05月11日 12:40

武漢病NG,武漢株OK WHO規則の分かりにくさが混乱の元
 「武漢肺炎と呼ぶ事を非難するのに、自分たちはインド型と言ってる。なぜ中国だけ庇い、インドは差別するのか」とメディアが叩かれている。新聞やテレビに独自のルールがあるわけではない。WHOのガイドラインなのだが、これがややこしいのだ。「新興ヒト感染症に対する豚インフルエンザ、中東呼吸器症候群といった名称は特定の集団に汚名を着せる」事になるからという。スペイン風邪などすでに定着しているものは遡って改名しないらしく、2015年の勧告以後に適用されるようだ。だが、「地名、人名、動物や食品名、文化、職業に関する用語などを避けるべき命名」とする対象が病名(感染症名)だ。という事は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を武漢病、武漢肺炎などと呼ぶのはダメだが、新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)を武漢ウイルスと呼ぶのは構わないことになってしまう。普通なら、へりくつの類い。ところが、ややこしい事に、ウイルスの株に関しては、2015年以降も地名が使われている。例えば、この前の冬のインフルエンザワクチンには「A/広東-茂南/SWL1536/2019(CNIC-1909)」という株が入っていた。2019年にこの株が分離された中国の地名が名前にしっかりと含まれている。また、新型コロナウイルスも英国株や南ア株などの変異株に対し、従来株を武漢株と呼ぶことが普通にある。武漢病や武漢ウイルスは差別的だが、無数にある株にいろいろな地名が付いたところで差別につながりそうにない事は感覚的には何となく分かる。また、番号とアルファベットだけだと専門家でもどれがどれだか混乱するので分離地域があった方が覚えやすいというのも分かる。だが、このルール、やはり分かりづらい。

インド変異株致死率低い 東大等の統計分析で2021年05月10日 15:35

インド変異株致死率低い 東大等の統計分析で
 インドの変異株は感染速度は速いが致死率は低いという結果。東大、ミュンヘン工科大の統計分析。インドの被害増大は強毒化ではなく、医療崩壊が原因の可能性が高い。攻撃速度(感染速度)、破壊力(強毒性)、防御力(免疫逃避能力)は互いに矛盾する面があるから、そうどれもこれもMAXという都合のいい変異は生まれない。

◆インド型変異ウイルスの正体と予防策 感染力は増強、ただし致死率は低下か
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65166

◆インドの二重変異博士は適当なワイドショー専門家と似ている
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/05/07/9375119

◆もう頭痛が 今度はインドの三重県の変異株かい 変異種とかお馬鹿用語が消えたと思えば
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/24/9370382

◆バカっぽい用語・二重変異 日本でも定着か
https://kajiyan.asablo.jp/blog/

◆インド二重変異株 頭の悪い人が書いてる感じで意味不明
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/19/9368814

ワクチンのランボと格差 厚労省は不人気ワクチンをどうするのか2021年05月09日 12:30

ワクチンのランボと格差 厚労省は不人気ワクチンをどうするのか
 ワクチン界のランボルギーニ、マクラーレンと呼ばれているビオンテック/ファイザーやモデルナのmRNAワクチン。そのランボルギーニのイスラエルでの実績が英医学誌ランセットに載った。何と感染予防効果が95%以上という。これが本当なら、新型コロナウイルスは極めてワクチンが効きやすいウイルスなのか、mRNAワクチンが極めて効果の高いワクチンなのかのどちらかということだろう。さて、これまで「どうせタダなんやからタッカイのにしとき。うちらの税金で買うてるんやで。ヤッスイのは損やろ」と(ハイヒールモモコの声マネで)答えてきたが、ジョークにならなくなってきた。
 厚労省の専門部会が5/20にマクラーレンことモデルナ製と、血栓で不人気なアストラゼネカ製のウイルスベクターワクチンの承認可否を判断するという。もし、アストラゼネカ製も承認されたらどうなるのか。河野大臣は以前に希望でワクチンを選べないと言っていた。マクラーレンことモデルナ製しか置いてなくて、住所に関係なく接種できる東京/大阪の大規模接種センターに殺到しないだろうか。アストラゼネカの血栓は10万人に1人とまれだし、死亡は100万人に1人程度とされる。だが、たとえ、わずか50人ぐらいでも副反応で亡くなったら、麻疹風疹など必要性と効果が高く、接種率90数%のワクチンまで忌避が始まるのではないかと心配だ。

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)00947-8/fulltext

◆ワクチンのランボルギーニやマクラーレン
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/05/06/9374677

◆新型コロナ ファイザーとモデルナのワクチンに期待集中…ライバルの血栓報告背景に
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/20956/

◆フランス アストラゼネカ不人気で廃棄も
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4260161.html

◆お勧めのワクチンはどれか?
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/28/9371669

◆米,AZワクチンいらんから他国に ババ抜きかよ
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/27/9371393

◆メディアの限界 血栓は治療万全でも死ぬと書けない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/22/9369632

◆血栓ワクチン不要なら買うとか日本じゃ考えられない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368473

◆血栓は死ぬから当然だろう AZ,J&Jのワクチンもう買わない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368409

◆安全だが効かないワクチン 日中の選択 犠牲を厭わず効く欧米
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368564

インドの二重変異博士は適当なワイドショー専門家と似ている2021年05月07日 18:20

インドの二重変異博士は適当なワイドショー専門家と似ている
 インドの二重変異で有名なウイルス学者シャヒド・ジャミール博士。メディアにけっこうトンデモ理論な事を言っている。
「ジャミール博士は、E484QとL452Rは別の地域で蔓延し、どこかで合体した可能性があると述べた」
インフルであれば、A香港型(AH3N2型)とAソ連型(AHI1N1型)という2種類が同時感染し、細胞内で混じり合って、AH1N2型という混血児(新亜型)が生まれる事がある。鳥インフルエンザとヒトインフルエンザの両方に感染するブタの中でも起きると考えられている。スペイン風邪のようなパンデミックはこのような大変異(不連続変異)が原因だと言われている。このような事が容易なのは、インフルのRNAが8個に分かれているからだ。しかし、コロナのRNAはひとつながりだから「合体」には相同組み換えが必要。つまり、ジャミール博士は、2種類の変異株の同時感染でRNAの相同組み換えが起きたと言ってるということ。そりゃあ、教科書にはコロナは相同組み換えすると書いてはある。だとしても、相同組み換えで新変異株が生まれているとしたら大発見。もしそうなら、インフルのような大変異がしょっちゅうあることになり、一大事。極論を言えば、新型コロナウイルスとSARSウイルスに同時感染した人の中で、相同組み換えが起きて、全くワクチンの効かない新ウイルスが生まれるかもしれない。別系統の株でたまたま変異が被っただけではないか。これが本当なら大問題。これまで多くのウイルス研究者が、コロナが変異するのはRNA複製時の写し間違い、書き間違いが原因であり、コロナは校正機能があるからRNAウイルスとしては例外的に変異しにくいと説明してきた。しかし、ジャミール博士の主張するような相同組み換えによる大変異(不連続変異)が新型コロナで簡単、頻繁に起きるのであれば、そのような常識は全く通用しない。ウイルス学者の意見は否定的。日本のワイドショーによく出てくる目立ちたがり研究者の世迷い言に似てると思う。

◆コロナウイルス:インドで発見された「二重変異体ウイルス」
https://kagonma-info.com/c0011/india-double-mutant-virus/

◆もう頭痛が 今度はインドの三重県の変異株かい 変異種とかお馬鹿用語が消えたと思えば
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/24/9370382

◆バカっぽい用語・二重変異 日本でも定着か
https://kajiyan.asablo.jp/blog/

◆インド二重変異株 頭の悪い人が書いてる感じで意味不明
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/19/9368814

◆二重変異株、国内で5件確認 加藤官房長官、拡大防止を徹底
https://www.47news.jp/news/new_type_pneumonia/6151929.html

◆ワクチンが効かない可能性も… インドで新型コロナウイルスの「三重変異株」が見つかる
https://www.businessinsider.jp/post-233697