我々は遠くから来た そして遠くへ行くのだ 10代からの疑問が解けた2023年02月23日 14:16

我々は遠くから来た そして遠くへ行くのだ 10代からの疑問が解けた
 中高生の頃、中間・期末の答案で、解答とは直接関係ないが、設問と関連のあるトリヴィア的なことを欄外や裏面に長々と書くという事をやっていた。英語の教諭は「へえ、なるほど」などと書き込んで返してきたり。社会科か何かでやはり表の空欄から裏面にそういう「ちなみに」をびっちり書き込んだら、記述式の設問の字数制限を何倍もオーバーしていると減点されたこともある。解答文とは別のつもりだったのだが。
 さて、そんなある日、世界史の答案に、忍者武芸帳の影丸の辞世の言葉「我々は遠くから来た そして、遠くへ行くのだ」が気に入ってると書いたら、「それはイタリアのトリアッチの言葉を白戸三平が流用した物」と書き込まれて返ってきた。大人になってからトリアッチがいつどこで言ったのかいろいろ調べたが、結局分からずじまい。卒業する前にその世界史の教諭に聞いておけばよかったのだが。そして、ごく最近、ついに答が見つかった。国会での演説だった。
 この言葉に込められた意味は「自由と平等という民主主義の理念を人類共通のものとするために、我々は果てしない苦闘の道を歩んでようやくここまでたどり着いた。だが、我々が目指すゴールはまだはるか遠くにある」ということだろう。



イタリア語では、Veniamo da molto lontano e andiamo molto lontano!
英語では、We come from very far and we go very far!
続きを英訳すると、
Without a doubt! Our goal is the creation in our country of a society of free and equal people, in which there is no exploitation by men over other men."
- Palmiro Togliatti Origin: From the Speech For the No Confidence in the Fourth De Gasperi Government, Constituent Assembly, September 26, 1947, in Parliamentary Speeches: 1946-1951
https://le-citazioni.it/autori/palmiro-togliatti/

ちなみに、正確には、影丸の言葉(白戸三平の訳)は「我らは遠くから来た そして、遠くまで行くのだ」だそうだ。昔は特にどうとも思わなかったが、この教諭はなにげにすごい。それと、解答に直接関係ないうんちくで答案用紙を埋め尽くしているのも、今になって冷静に考えれば相当な奇行だ。それに対して、「記述式は字数制限を守らなければだめです」などとマジレスするだけで、何も言わない学校というのも相当変。麹町中とかまともな学校なら呼び出しだろう。