マブマブ,舌かみそうなコロナ薬,命名の意味は2021年09月28日 12:55

マブマブ,舌かみそうなコロナ薬の意味は
カシリビマブ、イムデビマブ、ソトロビマブ。何で覚えにくい名前ばかりなのかと質問された。薬には一般名と商品名があって、一般名は主成分の化合物名なので、堅苦しい名前が付く。抗体医薬でも、がん免疫療法のキイトルーダやオプジーボ、乳がん・胃がんなどの治療薬ハーセプチンなど、古代神話の怪物やアニメのヒーローメカみたいな覚えやすい商品名。でも、一般名は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、トラスツズマブ。
 マブ(mab)というのはモノクローナル抗体(monoclonal antibody)の事で、抗体医薬には基本この語尾が付く。
 mabの直前のアルファベットは、その抗体がどの動物由来かを示す。
uは100%人間(human)、zuはほぼ人間に近い(humanized)、xi(キメラ 人とマウスなどが混ざっている)、i(サル)、o(マウス)などと決まっている。
 そして、そのさらに前のアルファベットは抗体医薬の攻撃対象のたんぱく質を表す。最近承認されたコロナ治療薬のようにウイルスのたんぱく質に対する抗体だったらviralのvi。抗腫瘍抗体だったらtumorのtu。
 ハーセプチンのTrastuzumabは、腫瘍(がん細胞)のたんぱく質を攻撃する大部分ヒト化された抗体だと分かる。キイトルーダのPembrolizumabやオプジーボのNivolumabのl、liは免疫に関連するたんぱく質を攻撃するという意味。
 阪大が開発したリウマチ薬で新型コロナウイルス感染の重症化防止にも使われるアクテムラ(Tocilizumab)も同様、免疫に関係するたんぱく質(サイトカインIL6受容体)に対するヒト化された抗体。

◆コロナ軽症用二つ目の治療薬「ソトロビマブ」を特例承認 厚労省
https://digital.asahi.com/articles/ASP9W4DW9P9WULBJ003.html

◆新なコロナ薬 なぜ抗体薬ばかりか
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/09/07/9420500

◆コロナ"治療薬"なら日本企業でも可能だろうが
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/09/27/9427442

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