コロナワクチン効果は発病予防でやはり感染予防ではない2020年11月26日 18:04

コロナワクチン効果は発病予防でやはり感染予防ではない
ファイザーやモデルナのワクチンは、新型コロナウイルスの感染を90%阻止したのではなく、新型肺炎の発病を90%を阻止しただけではないかと以前に書いた。エイズウイルス(HIV)に感染する事とエイズを発病する事が全く違うように、感染予防と発病予防は全く意義が異なる。ところが、いつも正確で信頼性が高く、かつバランス感覚に優れた記事を書く忽那医師まで、《「感染していたはずの45人(90%)の感染を防いだ」という意味で90%の予防効果があった》《ワクチンの予防効果とは、「ワクチンを接種した人が、接種していない人と比べて、どれくらい感染を減らせたか」を意味します》などと書いている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20201122-00209031/

そこで、ファイザーが公開しているプロトコル(実験計画書のようなもの)も見てみた。被験者を集める際には過去の感染歴を調べ、また、ワクチンか偽薬を投与する前にウイルスに今現在感染してないかどうか確かめているが、その後のフォローアップの日程表にはウイルス感染の有無の項目が見当たらない。やはり、接種後に感染したかどうかを調べているデータではないようだ。おそらく、その後の感染を全員で検査しているのではなく、4万人のうち、症状が出た人を訪問し、確定診断しているのではないか。
 考えていてもしょうがないので、ファイザーの広報に聞いてみた。最終結果でないので、詳細はノーコメントだったが、ワクチンの効果は、プレスリリースにある通り、「ワクチンのCOVID-19発症予防効果は95%」だそうだ。日本語文でも原文でもプロトコルでも、新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)というウイルスに感染する事と、感染者が新型肺炎(Covid-19)という病気を発症する事を明確に分けて書いている。

 プロトコルにも、効果は
100 × (1-IRR) [ratio of active vaccine to placebo]
IRR illness rate ratio
とある。つまり、発病した率を比べているのだ。
 プレスリリースの日本語訳は、
「SARS-CoV-2感染歴のない参加者の集団・・・において、ワクチンの有効率が95%であったことに基づいています。・・・170例の確定診断されたCOVID-19発症例を対象に実施されました」とある。
 この日本語訳はプロトコルの全文(146ページをあります)に目を通している技術者がチェックしたものだそうだ。
 やはり、現時点でのワクチン効果のデータは感染予防ではなく、発病予防で正しいだろう。ただし、試験開始の時のプレスリリースに
「本治験の主要評価項目は、ワクチン接種前にSARS-CoV-2に感染していない参加者に対するCOVID-19の予防と、過去のSARS-CoV-2感染の有無に関わらないCOVID-19の予防です。副次評価項目には、重度のCOVID-19の予防が含まれています。また、COVID-19を引き起こすウイルスであるSARS-CoV-2の感染予防も探索します」
と書いているので、今後、感染予防に関するデータが出てくる可能性はある。
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2020/2020_11_19.html
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2020/11/10/9315160