「アマギがピンチなんだよ」 大人でも泣ける2020年09月28日 13:35

 たぶん学生の時以来、ウルトラセブンの再放送は見ていない。そんな今でも最終回「史上最大の侵略」のストーリーをそらで再現できる。
 脈拍360、血圧400、熱が90度。人間が触ったら火傷するほどの発熱に苦しむダン。無敵を誇ったさしものウルトラセブンも度重なる激しい戦闘でけがと疲労が蓄積し、病魔に襲われる。でも、人間の医者にはかかれない。地球人でない事がばれてしまうから。まあ、かかったところで身長40メートルに巨大化する生物の治し方なんて知らないだろうけれども。ついにウルトラの星の上官から帰還命令が出る。命令はもう一つ。帰還するまで、絶対に変身して戦ってはいけない。破ったら命の保証はない。
 そんな中、ダンは宇宙での警戒勤務中、意識を失い、侵略者の地球圏侵入を許す。命令を破って変身。侵略者が操る怪獣と戦う。飛び道具のアイスラッガーやエメリウム光線は往時の勢いを失い、倒せない。アイスラッガーを小刀のように使い、押さえつけた怪獣の手足を切断するというおよそヒーローらしからぬ戦い方でなんとか第1波攻撃をしのぐ。だが、同僚のアマギ隊員が敵に捕らわれ、人質になってしまう。
 第2波攻撃が迫る中、ダンは最後の戦いに出る決意をし、アンヌ隊員に別れを告げに行く。「僕は地球人じゃない。ウルトラセブンなんだ」と告白。重病だと知るアンヌは「行かないで」と止める。振り切って一言。「アマギ隊員がピンチなんだよ」。
 ウルトラ警備隊の一員として地球防衛に協力してきたモロボシ・ダン=ウルトラセブン。時に、単純な侵略者ではない、止むに止まれぬ事情で地球に来る異星人と、地球人の板挟みになって悩む事もあった。そんなダンが最後に死地に赴く理由は何か。全人類のためとも、地球のためとも言いやしない。地球防衛軍さえ見捨てたたった1人の個人、アマギがピンチだから。こういう言葉選びにセンスを感じる。

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http://kajiyan.asablo.jp/blog/2020/09/27/9299853

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