論文1本に振りまわされるのはやめよう コロナバブルでチェックいい加減2020年07月09日 13:54

論文1本に振りまわされるのはやめよう コロナバブルでチェックいい加減
 非常時だからこそ、最低でも3つの独立機関が同じ結果を出すまで気にするのは止めるという原則に立ち返るべきだろう。
 今回、「怪しいデータ会社に頼んだらいい加減だった」と言い訳しているが。だが、今回の事件以外にも怪しい論文は山ほどある。ブランド力(インパクトファクターと言う)の高い雑誌に多くの論文が採用された事が評価の主眼になり、雇用の継続や新たな就職先につながる研究者にとって、コロナバブルで判定がゆるくなっている一流紙に論文を載せるチャンス。ウイルス学や疫学、免疫や製薬にそれほど詳しいわけでもないニワカも参戦する。データの意図的ねじ曲げもあるだろうが、間違いに気づかない者もいるだろう。誰が見ても「さもありなん」という研究は取り上げられにくい。常識の斜め上を行くような論文の方が一流紙に大きく載る。そういう有名紙やメディアの食いつきが良さそうなテーマを思いついたら、その仮説に沿ってデータを集めてしまう。意図的捏造も無意識の偏りもある。
 例えば、インフル薬とエイズ薬を処方したら治ったという報告。最初は日本でも治療に使ったが、今は否定的なデータが多く、WHO主導の試験も中止になった。これなど、インフルエンザの患者だったから治ったのではないかと言われている。季節的に新型コロナ患者よりインフルエンザの患者の方がはるかに多く、同時感染もある。
 いま、疑わしいと思ってるのは、ネイチャーの医療系論文誌に載ったこれ↓
「新型コロナウイルス罹患後2,3月で抗体が急減する(ネイチャーメディシン)」
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0965-6
 免疫学の教科書には書いてない現象らしいが。しかし、新型コロナに関しては、一度快復してもすぐに再感染するなど、免疫が有効でないといった怪しい言説がいろいろ流布している。ほとんど根拠がないそんなあいまいなストーリーに沿って結果を出そうとする研究者が多いのではないか。

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