ウイルスは高温多湿に弱いは良くない言い方2020年06月19日 12:20

ウイルスは高温多湿に弱いは良くない言い方
 インフルや(旧来の)コロナウイルスは高温多湿条件では感染しにくくなる事が動物実験や経験則から示されている。しかし、その原因はウイルス自体の増殖力や感染力が弱まっているからとは限らない。のどの状態が良くなる、代謝が変わるなど感染される側の状態や感染を阻止する物理的要因もありうる。むしろ、高湿度が生命活動にとってマイナスに働く事は考えにくい。
 人間側の要因であっても、ウイルスは高温多湿に「弱い」、「苦手である」という表現は許容範囲だが、ウイルス自体の弱体化と受け止められる可能性が高い。見出しではつい「弱い」としてしまいがちだが、なるべく、「勢いをなくす」「勢いがそがれる」「流行しにくくなる」など中立的な表現がいい。
 どちらの要因かによって結果も変わってくる。ウイルスの弱体化が主なら一律の現象になりやすいだろうが、人間側の要因が主ならたとえ高温多湿になっても住人の状態如何で必ずしも勢いがそがれないだろう。