桔梗でない信玄餅 本家がどっちか調べた人がエライ2019年12月28日 17:33

 昔の話だが、山梨出張で部に信玄餅を持って帰った。
東京生まれの同期はそれを見て「わあ、信玄餅だ」
 体格が良く、態度もでかい大阪生まれの後輩がチロッと見て、
「なんですか、これは」
「ええっ、知らないの?」
「○○さんが知っているからといってみんなが知っているとは限らないでしょう。そういう風にね、自分の常識が日本の常識みたいに思っちゃいけないって、ぼくがいつも注意しているでしょう」

(て、間違ってはないかもしれないけど、たかが信玄餅ぐらいのことでそこまで言われたくない。というより、いつもそんなエラそうなことを彼女に注意しているのか。私の同期と言っても私より6つぐらい年上だから、その後輩より干支1回りは年長だぞ)
 ことほど左様に、関東生まれの人間であれば山梨土産として知らぬ者はない信玄餅は、県外に店を出さなかったことで有名。昔は今のように東京駅などでは売ってなかったから関西人は見た事がなかったのだ。
 その信玄餅が東京のスーパーで売っていた。あれっ?でも、こんなデザインだったっけ?
よく見ると、登録商標「信玄餅」とある。東京人にとって、信玄餅と言えば桔梗信玄餅だ。中身は桔梗屋と同じ。ただ、黒蜜のキャップが見慣れた赤ではなく白。
 なぜこのようなそっくり商品が併存しているのか?
わざわざ古い地元の新聞広告で調べた人がいた。
 要約すると、こうだ。
まず、金精軒が信玄最中という最中を発売。その後に、桔梗屋が信玄餅を発売。金精軒が商標侵害で訴え、勝訴。桔梗屋が信玄餅を桔梗信玄餅に改名。金精軒が桔梗信玄餅の類似品・信玄餅を発売、商標登録。
 つまり、和菓子に信玄の名前を付けたのは金精軒の方が先だが、実体としての信玄餅そのもののオリジナリティーは桔梗屋にあるという事になる。
https://w.atwiki.jp/kainokunio/
商標登録されている信玄餅の方が元祖だと誤解されているケースが多いらしい。会社に聞いても本当の事を言うか分からないからという理由で、公に残っている記録を丹念に調べたこの人はエライ。プロの民俗学者や社会学者並みの知恵と根性だ。

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