職業科学の例えツッコミ ノーベル物理 惑星探しに思う2019年10月09日 17:18

 太陽系外惑星発見のノーベル物理学賞。ジュネーブ大の最初の発表は1995年で、その1年後、発見が10個ぐらい貯まった時に「太陽系以外の恒星を回る惑星探しが世界の天文学者の間でちょっとしたブーム」というのを書いた。
 その中で、惑星を望遠鏡で直接見て見つけるのが難しい理由をこう書いている。
「惑星は自分自身で光らないため、非常に暗い。その上、すぐそばに明るい星が輝いている。例えば、太陽系で一番大きい木星と比べても太陽は十億倍も明るい。やみ夜に灯台のライトのそばにいる虫を見分けるようなものだ」
 この「灯台と虫」の例えは自分で考えたのだが、きっと記事を読んだのだろう、国立天文台の教授が会見や記者向け説明会でこの例えをパクルようになった。まあ、芸人の例えツッコミと同じで著作権などないが。
 大学や研究機関のプレスリリースは、その分野を知っている人間にとってはとても分かりやすいが、固い用語が次々出てきて、一般読者には近寄りがたいもの。科学の例えツッコミ役として、科学ジャーナリストの存在意義はなくならないだろう。ほかの分野同様、ちょっと詳しい第三者として外部から批判する役割ももちろん重要だが。

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