インド株がデルタになるは不正確 WHO新名称 ― 2021年06月02日 13:44

「今後は、インド株はデルタ、ブラジル株はガンマとなる」というと不正確だ。WHOが命名した変異株には懸念される変異株(VOC)のアルファ~デルタと、注目される変異株(VOI)のイプシロン~カッパがある。インド株には、主に3系統あり、そのうち二重変異株という恥ずかしい俗称がついてる系統はカッパ。デルタは二重変異(w)でなかった方だ。そっちの方が警戒度が高いと判断しているわけだ。変異を重ねるほどスーパーウイルスになるというのは子ども向けヒーローアニメ的幼稚な発想でむしろ弱体化することは珍しくない。同様にブラジルもガンマとゼータに分かれている。
ガンマ ブラジル由来 P.1 501Y.V3 主な変異 N501Y、E484K
デルタ インド由来 B.1.617.2 主な変異 L452R
ゼータ ブラジル由来 P.2 主な変異 E484K
カッパ インド由来 B.1.617.1 主な変異 L452R、E484Q
◆コロナ変異株に新名称、アルファなどギリシャ文字に WHO決定
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-who-variants-idJPKCN2DC1TV
https://digital.asahi.com/articles/ASP613VGDP61UHBI00H.html?iref=pc_ss_date_arti
◆武漢株はどうする? WHO国名禁止
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/06/01/9383492
◆武漢病NG,武漢株OK WHO規則の分かりにくさが混乱の元
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/05/11/9376447
ガンマ ブラジル由来 P.1 501Y.V3 主な変異 N501Y、E484K
デルタ インド由来 B.1.617.2 主な変異 L452R
ゼータ ブラジル由来 P.2 主な変異 E484K
カッパ インド由来 B.1.617.1 主な変異 L452R、E484Q
◆コロナ変異株に新名称、アルファなどギリシャ文字に WHO決定
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-who-variants-idJPKCN2DC1TV
https://digital.asahi.com/articles/ASP613VGDP61UHBI00H.html?iref=pc_ss_date_arti
◆武漢株はどうする? WHO国名禁止
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/06/01/9383492
◆武漢病NG,武漢株OK WHO規則の分かりにくさが混乱の元
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/05/11/9376447
ハイブリッドベトナム変異 珍妙な用語がまた生まれた いい加減にしろ ― 2021年05月30日 22:20

インドの「二重変異株」とか「変異種」とかおかしな用語がようやく駆逐されたと安心したら、次から次へといい加減にしてほしい。ワイドショーに出るような自称専門家が目立ちたいために耳触りのいいだけの適当な事を言ってるのと同じレベルだ。ハイブリッドというのは、混血、交雑種、合の子のこと。つまり、この場合は異なる変異株が混ざり合って新しい変異株が生まれることだ。そんな事は簡単に起きない。インフルエンザウイルスは、鳥インフルエンザとヒトインフルエンザなど異なる変種が同時感染し、細胞の中で双方のRNAが混ざって、ハイブリッド新型インフルエンザがよく生まれる。それは、インフルエンザウイルスの遺伝子RNAが8個に分かれているため、簡単に混ざるからだ(図ではめんどうなので4本にしたが)。しかし、コロナウイルスのRNAは1本につながっているので、ハイブリッドになるためには、2つの変異株のRNAが途中でちぎれて、クロスしてつなぎ直さないとだめ。しかも、ちぎれる場所が同じでないと長さが合わなくなる。あり得るが、そんな簡単じゃない。本当にそんな現象を見つけたら大発見だ。今回は騙される日本のメディアは少ないと思うが。今回のベトナムで分離された株は、L452Rという変異やE484Qという変異を持つインド由来の株が、たまたま英国由来で有名になったN501Y変異を起こしただけだろう。N501Y変異は英国と無関係なブラジルや南ア由来の株にも起きているんだから、別に不思議はない。
それと、変異はあまり重ねすぎるとアレもコレもとアブハチ取らずになってしまい、返って弱体化する。
◆インド型と英国型のハイブリッド変異株、ベトナムで発見
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-vietnam-idJPKCN2DA05O
適
それと、変異はあまり重ねすぎるとアレもコレもとアブハチ取らずになってしまい、返って弱体化する。
◆インド型と英国型のハイブリッド変異株、ベトナムで発見
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-vietnam-idJPKCN2DA05O
適
武漢病NG,武漢株OK WHO規則の分かりにくさが混乱の元 ― 2021年05月11日 12:40

「武漢肺炎と呼ぶ事を非難するのに、自分たちはインド型と言ってる。なぜ中国だけ庇い、インドは差別するのか」とメディアが叩かれている。新聞やテレビに独自のルールがあるわけではない。WHOのガイドラインなのだが、これがややこしいのだ。「新興ヒト感染症に対する豚インフルエンザ、中東呼吸器症候群といった名称は特定の集団に汚名を着せる」事になるからという。スペイン風邪などすでに定着しているものは遡って改名しないらしく、2015年の勧告以後に適用されるようだ。だが、「地名、人名、動物や食品名、文化、職業に関する用語などを避けるべき命名」とする対象が病名(感染症名)だ。という事は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を武漢病、武漢肺炎などと呼ぶのはダメだが、新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)を武漢ウイルスと呼ぶのは構わないことになってしまう。普通なら、へりくつの類い。ところが、ややこしい事に、ウイルスの株に関しては、2015年以降も地名が使われている。例えば、この前の冬のインフルエンザワクチンには「A/広東-茂南/SWL1536/2019(CNIC-1909)」という株が入っていた。2019年にこの株が分離された中国の地名が名前にしっかりと含まれている。また、新型コロナウイルスも英国株や南ア株などの変異株に対し、従来株を武漢株と呼ぶことが普通にある。武漢病や武漢ウイルスは差別的だが、無数にある株にいろいろな地名が付いたところで差別につながりそうにない事は感覚的には何となく分かる。また、番号とアルファベットだけだと専門家でもどれがどれだか混乱するので分離地域があった方が覚えやすいというのも分かる。だが、このルール、やはり分かりづらい。
ワクチンのランボと格差 厚労省は不人気ワクチンをどうするのか ― 2021年05月09日 12:30

ワクチン界のランボルギーニ、マクラーレンと呼ばれているビオンテック/ファイザーやモデルナのmRNAワクチン。そのランボルギーニのイスラエルでの実績が英医学誌ランセットに載った。何と感染予防効果が95%以上という。これが本当なら、新型コロナウイルスは極めてワクチンが効きやすいウイルスなのか、mRNAワクチンが極めて効果の高いワクチンなのかのどちらかということだろう。さて、これまで「どうせタダなんやからタッカイのにしとき。うちらの税金で買うてるんやで。ヤッスイのは損やろ」と(ハイヒールモモコの声マネで)答えてきたが、ジョークにならなくなってきた。
厚労省の専門部会が5/20にマクラーレンことモデルナ製と、血栓で不人気なアストラゼネカ製のウイルスベクターワクチンの承認可否を判断するという。もし、アストラゼネカ製も承認されたらどうなるのか。河野大臣は以前に希望でワクチンを選べないと言っていた。マクラーレンことモデルナ製しか置いてなくて、住所に関係なく接種できる東京/大阪の大規模接種センターに殺到しないだろうか。アストラゼネカの血栓は10万人に1人とまれだし、死亡は100万人に1人程度とされる。だが、たとえ、わずか50人ぐらいでも副反応で亡くなったら、麻疹風疹など必要性と効果が高く、接種率90数%のワクチンまで忌避が始まるのではないかと心配だ。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)00947-8/fulltext
◆ワクチンのランボルギーニやマクラーレン
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/05/06/9374677
◆新型コロナ ファイザーとモデルナのワクチンに期待集中…ライバルの血栓報告背景に
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/20956/
◆フランス アストラゼネカ不人気で廃棄も
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4260161.html
◆お勧めのワクチンはどれか?
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/28/9371669
◆米,AZワクチンいらんから他国に ババ抜きかよ
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/27/9371393
◆メディアの限界 血栓は治療万全でも死ぬと書けない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/22/9369632
◆血栓ワクチン不要なら買うとか日本じゃ考えられない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368473
◆血栓は死ぬから当然だろう AZ,J&Jのワクチンもう買わない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368409
◆安全だが効かないワクチン 日中の選択 犠牲を厭わず効く欧米
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368564
厚労省の専門部会が5/20にマクラーレンことモデルナ製と、血栓で不人気なアストラゼネカ製のウイルスベクターワクチンの承認可否を判断するという。もし、アストラゼネカ製も承認されたらどうなるのか。河野大臣は以前に希望でワクチンを選べないと言っていた。マクラーレンことモデルナ製しか置いてなくて、住所に関係なく接種できる東京/大阪の大規模接種センターに殺到しないだろうか。アストラゼネカの血栓は10万人に1人とまれだし、死亡は100万人に1人程度とされる。だが、たとえ、わずか50人ぐらいでも副反応で亡くなったら、麻疹風疹など必要性と効果が高く、接種率90数%のワクチンまで忌避が始まるのではないかと心配だ。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)00947-8/fulltext
◆ワクチンのランボルギーニやマクラーレン
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/05/06/9374677
◆新型コロナ ファイザーとモデルナのワクチンに期待集中…ライバルの血栓報告背景に
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/20956/
◆フランス アストラゼネカ不人気で廃棄も
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4260161.html
◆お勧めのワクチンはどれか?
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/28/9371669
◆米,AZワクチンいらんから他国に ババ抜きかよ
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/27/9371393
◆メディアの限界 血栓は治療万全でも死ぬと書けない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/22/9369632
◆血栓ワクチン不要なら買うとか日本じゃ考えられない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368473
◆血栓は死ぬから当然だろう AZ,J&Jのワクチンもう買わない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368409
◆安全だが効かないワクチン 日中の選択 犠牲を厭わず効く欧米
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368564
中国ワクチン効果小に失望 今さら何言ってんの 最初から分かってる事に ― 2021年05月02日 14:44

前にも書いたが、不活化ワクチンの効果が低いのは常識。別に中国製だからではなく、日本のインフルワクチンだって(ほとんど)効いてない。だが、4000-6000円もするワクチン界のフェラーリ、ポルシェと言われるmRNAワクチンを途上国で全国民に使えるわけがない。いいじゃないの、安くて安全なら効かなくても。半分でも発病を防ぎ、重症化を防げれば十分では。その代わり古い技術で安全性が高いという利点もある。安く、速く、大量に接種を済ませる事も重要だ。経験がないコロナ用のワクチンをわずか1年で作るには「100万人を救うが100人ワクチンで死ぬのは仕方ない」と覚悟を決めるか「安全だが毒にも薬にもならないワクチン」でお茶を濁すかの2択だ。
◆中国ワクチン、有効率わずか50% 南米に動揺と失望が広がる
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/04/50-49.php
◆中国製ワクチンは「効果小さい」 中国当局者が発言、すぐ修正
https://www.bbc.com/japanese/56714802
◆安全だが効かないワクチン 日中の選択 犠牲を厭わず効く欧米
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368564
◆血栓ワクチン不要なら買うとか日本じゃ考えられない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368473
◆血栓は死ぬから当然だろう AZ,J&Jのワクチンもう買わない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368409
◆中国ワクチン、有効率わずか50% 南米に動揺と失望が広がる
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/04/50-49.php
◆中国製ワクチンは「効果小さい」 中国当局者が発言、すぐ修正
https://www.bbc.com/japanese/56714802
◆安全だが効かないワクチン 日中の選択 犠牲を厭わず効く欧米
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368564
◆血栓ワクチン不要なら買うとか日本じゃ考えられない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368473
◆血栓は死ぬから当然だろう AZ,J&Jのワクチンもう買わない
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/04/18/9368409
新型コロナ存在せずの根拠がコッホのバカらしさ ― 2021年05月01日 12:16

新型コロナウイルスがコッホの4原則を満たしてないから存在しないというトンデモ理論に対して「おおむね満たしている」という医学研究者からの反論がある。そんな検証自体時間の無駄だ。いくらコッホが偉大でも、ウイルスの存在もDNAもRNAも知らなかった時代の経験則がそのまま現代に通用するわけがない。
「病原体候補を実験動物に感染させると同じような病気になり、その病巣から同じ病原体が検出される」。
そんな事を言ったら、C型肝炎ウイルス(HCV)はどうするのだ。HCVは基本、人間以外の動物に感染しない。チンパンジーなら無理やり感染させる事はできるようだが、現代の科学研究ではチンパンジーを病気の実験に使えない。さて、免疫不全マウスに人間の肝臓細胞を植え付けて人間の肝臓を持ったマウスをつくることができる。このマウスのヒト肝臓にはHCVを感染させられる。ところが、このマウスの肝臓は病気にならない。HCVそれ自体には毒性や病原性はなく、HCVに対する免疫反応で起きる炎症が肝炎や肝硬変や肝がんの原因であるという説を裏付ける(これも広義の病原性だが)。免疫システムを持たなければ病気にもならないのだ。献血血液をPCR検査する事でHCVの新規感染はほぼなくなった。特効薬で既感染者からのHCV排除もできる。効いてるかどうかモニタリングするのもPCRだ。おかげでHCVによる肝がん発生が激減している。それでもHCVがC型肝炎の原因ウイルスであることを否定するのだろうか。
大昔のエラい先生が言った事を満たさなければ証明できない。それは科学ではない。
かつて、京大が「われわれの祖先はホヤだという生物学の常識」を覆す発見をした。我々の祖先はホヤではなく、ナメクジウオだったというのだ。で、教授に「どうして、ホヤが我々の祖先だというのが長年の常識だったんですが?」と質問したら、「昔、生物学のエラい先生がそう言ったのがずっと常識になってたんです」。「どうしてそう言ったんですか?」。「形態からの印象でしょう。単純な構造の物の方が古いと考えたんだと思います」って、オイッ!
◆本学名誉教授 大橋眞氏の活動に対する苦情について
https://www.tokushima-u.ac.jp/docs/22379.html
「病原体候補を実験動物に感染させると同じような病気になり、その病巣から同じ病原体が検出される」。
そんな事を言ったら、C型肝炎ウイルス(HCV)はどうするのだ。HCVは基本、人間以外の動物に感染しない。チンパンジーなら無理やり感染させる事はできるようだが、現代の科学研究ではチンパンジーを病気の実験に使えない。さて、免疫不全マウスに人間の肝臓細胞を植え付けて人間の肝臓を持ったマウスをつくることができる。このマウスのヒト肝臓にはHCVを感染させられる。ところが、このマウスの肝臓は病気にならない。HCVそれ自体には毒性や病原性はなく、HCVに対する免疫反応で起きる炎症が肝炎や肝硬変や肝がんの原因であるという説を裏付ける(これも広義の病原性だが)。免疫システムを持たなければ病気にもならないのだ。献血血液をPCR検査する事でHCVの新規感染はほぼなくなった。特効薬で既感染者からのHCV排除もできる。効いてるかどうかモニタリングするのもPCRだ。おかげでHCVによる肝がん発生が激減している。それでもHCVがC型肝炎の原因ウイルスであることを否定するのだろうか。
大昔のエラい先生が言った事を満たさなければ証明できない。それは科学ではない。
かつて、京大が「われわれの祖先はホヤだという生物学の常識」を覆す発見をした。我々の祖先はホヤではなく、ナメクジウオだったというのだ。で、教授に「どうして、ホヤが我々の祖先だというのが長年の常識だったんですが?」と質問したら、「昔、生物学のエラい先生がそう言ったのがずっと常識になってたんです」。「どうしてそう言ったんですか?」。「形態からの印象でしょう。単純な構造の物の方が古いと考えたんだと思います」って、オイッ!
◆本学名誉教授 大橋眞氏の活動に対する苦情について
https://www.tokushima-u.ac.jp/docs/22379.html
攻撃力のN501Y 防御力のE484K 両方持てばスーパー無敵コロナとかないからね ― 2021年04月17日 13:10

最近はやりのN501Y変異。英国由来のVOC-202012/01株で有名になったこの変異は感染効率を上げ、感染速度を加速するとされる。いわば、攻撃力をアップする変異。これに対し、もう一つ有名なのが、E484K変異。感染回復者の血清やワクチンでできる抗体の攻撃を回避する変異とされる。いわば、防御力をアップする変異。じゃあ、両方の変異を持てば、攻撃力も防御力も最高なスーパー最悪コロナが誕生するとか、そういう安いSFみたいな事はない。どちらも、コロナウイルスが細胞にとりつく時のアンカーに使うスパイクたんぱく(王冠のギザギザ部分)に起きる変異です。501番目と484番目のアミノ酸なので、たんぱくでの位置は違うが。N501Yはスパイクがより細胞にくっつきやすくなる変異。E484Kは抗体がスパイクにくっつきにくくなる変異。これってけっこう矛盾する変異なのだ。両方変異すれば、どっちも最強って、そんなチートゲーマーみたいな事は自然界では起きない。人間のゲーマーだって限られたポイントを攻撃力と防御力にどう振り分けるかでかなり悩むわけで、どっちも最大値とかできない。防振り(防御力に極振り)をテーマにした人気小説があるぐらいだ。
もう20年以上前の満屋裕明さんたちのHIVの研究だが、AZTやddIといった抗HIV薬が複数入った多剤環境でHIVを育てると、最初に起きる変異で多剤耐性を得るが、その代わり増殖能力が大幅に落ち込む。そして、次に起きる変異で、薬剤耐性能力を少し犠牲にして、増殖能力をそこそこ取り戻すという多段階変異をする。
N501Y変異が入った英国由来のVOC-202012/01株は感染が速いので席巻してるが、ワクチンの効果はそれほど落ちない。N501Y変異とE484K変異の両方が入った南ア由来の501Y.V2株やブラジル由来の501Y.V3株は試験管内実験ではワクチンの効果が結構落ちる。しかし、同時に感染速度も上がっているかというと疑問。感染速度が速いというのは、元の株を押しのけてメジャーになることから速度が速いと推定するわけだが、感染速度が遅くても、抗体からの攻撃を避ける能力が高ければ結果的に古い株を押しのけて幅を利かす。それと変異によって試験管内で抗体との反応が弱まっても、人体でも同じ結果になるとは限らない。抗体の能力が半分になっても、抗体の濃度が10倍あれば効く。もともと大して効いてないインフルの不活化ワクチンと違って、コロナのmRNAワクチンは免疫を刺激する効果が引くほど強いので。鬼神のごとき武田や上杉を相手に、兵士1人1人が織田軍のように弱くても、100倍いれば勝てるという事だ。
◆英国型変異株、5月中に全国で主流の可能性 専門家組織
https://digital.asahi.com/articles/ASP4H63V7P4HULBJ00J.html
もう20年以上前の満屋裕明さんたちのHIVの研究だが、AZTやddIといった抗HIV薬が複数入った多剤環境でHIVを育てると、最初に起きる変異で多剤耐性を得るが、その代わり増殖能力が大幅に落ち込む。そして、次に起きる変異で、薬剤耐性能力を少し犠牲にして、増殖能力をそこそこ取り戻すという多段階変異をする。
N501Y変異が入った英国由来のVOC-202012/01株は感染が速いので席巻してるが、ワクチンの効果はそれほど落ちない。N501Y変異とE484K変異の両方が入った南ア由来の501Y.V2株やブラジル由来の501Y.V3株は試験管内実験ではワクチンの効果が結構落ちる。しかし、同時に感染速度も上がっているかというと疑問。感染速度が速いというのは、元の株を押しのけてメジャーになることから速度が速いと推定するわけだが、感染速度が遅くても、抗体からの攻撃を避ける能力が高ければ結果的に古い株を押しのけて幅を利かす。それと変異によって試験管内で抗体との反応が弱まっても、人体でも同じ結果になるとは限らない。抗体の能力が半分になっても、抗体の濃度が10倍あれば効く。もともと大して効いてないインフルの不活化ワクチンと違って、コロナのmRNAワクチンは免疫を刺激する効果が引くほど強いので。鬼神のごとき武田や上杉を相手に、兵士1人1人が織田軍のように弱くても、100倍いれば勝てるという事だ。
◆英国型変異株、5月中に全国で主流の可能性 専門家組織
https://digital.asahi.com/articles/ASP4H63V7P4HULBJ00J.html
コロナ重症化は円谷特撮状態 怪獣よりウルトラマンの迷惑の方が大きい ― 2021年01月14日 14:06
季節性インフル感染者の致死率は0.1%とされるのに対し、新型コロナウイルスは0.5~1%と少し高めだ。しかし、ウイルス自体の粗暴性はインフルの方が上の印象がある。
新型コロナウイルスは本来コソ泥のような気弱なウイルスで、空き巣に入ったところを近所の人で取り押さえればおとなしく捕まるような小悪党。ところが、長年の楽園だったコウモリの体内と違い、人体は初めて来る国なので、右も左も分からずそこら中の警報器や火災報知機を踏みまくり。免疫の方も、これまで侵入を受けた事がない未知の敵性勢力が現れたと大騒ぎになり、機動隊と自衛隊が出動。武器も持たないコソ泥1人に、戦車砲をぶち込むわ、ガンシップからスティンガー発射するわ、周辺の住宅ごと吹き飛ばしている。「やさしい怪獣よりウルトラマンやウルトラ警備隊の破壊行為による街の被害の方が大きい」状態。それが、おそらく重症化の主因だ。新型肺炎もウイルス自体が肺に侵入して感染、増殖して起きるのではなく、免疫の過剰反応(サイトカインストーム)で全身を巡る炎症性物質が血液を通して到達し、肺炎を起こしているのではないかとみられている。重症患者に見られる血栓もいかにもな症状だ。そのため、免疫を抑制する薬がよく効き、免疫を抑えた事でウイルスの活動が高まって悪化するという報告もあまり見られない。
感染を繰り返すうちに、ウイルスと免疫双方の馴れが生じる事で、やがては風邪のような常在ウイルスと化し、穏やかに終息するのだろう。
◆コロナ入院患者の致死率はインフルの3倍 仏の研究結果
https://digital.asahi.com/articles/ASP1D66VGP19ULBJ00Q.html?iref=pc_ss_date_article
新型コロナウイルスは本来コソ泥のような気弱なウイルスで、空き巣に入ったところを近所の人で取り押さえればおとなしく捕まるような小悪党。ところが、長年の楽園だったコウモリの体内と違い、人体は初めて来る国なので、右も左も分からずそこら中の警報器や火災報知機を踏みまくり。免疫の方も、これまで侵入を受けた事がない未知の敵性勢力が現れたと大騒ぎになり、機動隊と自衛隊が出動。武器も持たないコソ泥1人に、戦車砲をぶち込むわ、ガンシップからスティンガー発射するわ、周辺の住宅ごと吹き飛ばしている。「やさしい怪獣よりウルトラマンやウルトラ警備隊の破壊行為による街の被害の方が大きい」状態。それが、おそらく重症化の主因だ。新型肺炎もウイルス自体が肺に侵入して感染、増殖して起きるのではなく、免疫の過剰反応(サイトカインストーム)で全身を巡る炎症性物質が血液を通して到達し、肺炎を起こしているのではないかとみられている。重症患者に見られる血栓もいかにもな症状だ。そのため、免疫を抑制する薬がよく効き、免疫を抑えた事でウイルスの活動が高まって悪化するという報告もあまり見られない。
感染を繰り返すうちに、ウイルスと免疫双方の馴れが生じる事で、やがては風邪のような常在ウイルスと化し、穏やかに終息するのだろう。
◆コロナ入院患者の致死率はインフルの3倍 仏の研究結果
https://digital.asahi.com/articles/ASP1D66VGP19ULBJ00Q.html?iref=pc_ss_date_article
コロナ免疫 長期or短期 矛盾する欧中と日米の研究 ― 2021年01月13日 14:06
新型コロナウイルスに関して、主にヨーロッパと中国から、一度治癒してウイルスが消えても、すぐに再感染する例が多数あり、免疫は長続きしないという研究報告がある一方、日米からは、患者は回復後、ウイルスを攻撃する獲得免疫の免疫記憶が長期にわたって高水準に保たれているという矛盾する研究報告が出ている。
コロナウイルスは、インフルのように免疫記憶が無効になる大変異が突然起きる事はないし、免疫記憶があるのに、それをすり抜ける性質があるなんて北里柴三郎以来の免疫学、ウイルス学の常識に反する。妥当な判断としては、マクロ的には日米の報告が実態を反映していて、欧中の報告は、何かの理由で免疫がつかなかった全体から見れば少数の症例を集めただけなのではないかと。特定のウイルスに対して世界的にこれほど細かく症例研究がされた例がないだけで、インフルでもすぐに再感染している例が今まで考えられてきた以上に多いのかもしれない。
◆Rapid generation of durable B cell memory to SARS-CoV-2 spike and nucleocapsid proteins in COVID-19 and convalescence
There have been some studies reporting that the Bmem cell response to SARS-CoV may not be long-lived (54, 55), however, our results indicate that SARS-CoV-2 infection generates long-lasting B cell memory up to 8 months post-infection that could be protective against systemic disease upon reinfection.
https://immunology.sciencemag.org/content/5/54/eabf8891
コロナウイルスは、インフルのように免疫記憶が無効になる大変異が突然起きる事はないし、免疫記憶があるのに、それをすり抜ける性質があるなんて北里柴三郎以来の免疫学、ウイルス学の常識に反する。妥当な判断としては、マクロ的には日米の報告が実態を反映していて、欧中の報告は、何かの理由で免疫がつかなかった全体から見れば少数の症例を集めただけなのではないかと。特定のウイルスに対して世界的にこれほど細かく症例研究がされた例がないだけで、インフルでもすぐに再感染している例が今まで考えられてきた以上に多いのかもしれない。
◆Rapid generation of durable B cell memory to SARS-CoV-2 spike and nucleocapsid proteins in COVID-19 and convalescence
There have been some studies reporting that the Bmem cell response to SARS-CoV may not be long-lived (54, 55), however, our results indicate that SARS-CoV-2 infection generates long-lasting B cell memory up to 8 months post-infection that could be protective against systemic disease upon reinfection.
https://immunology.sciencemag.org/content/5/54/eabf8891
変異種 変異型 変異株 同じ事に違う言葉を使うな ― 2020年12月29日 14:08
新型コロナウイルスの変異で同じ事を言ってるんだから、統一するべきだと思う。
改めてまとめると、
1)種が違う 新型コロナウイルスと風邪のコロナウイルスの違い、インフルエンザのA型とB型の違い、などに相当する
2)同種だが、亜種、変異種、亜型の違い 新型コロナウイルスとSARSウイルスの違い、インフルエンザA型のA香港型、A新型、Aソ連型の違い(亜型の違い)などに相当する
3)株の違い インフルエンザA香港型のシドニー株、パナマ株、ニューヨーク株などの違い。
現在見つかっている新型コロナウイルスの変異は3)のインフルの株の違いと同程度か、もっと細かい差異
同種でも、2)の違いは、遠い先祖が共通というだけで、感染を続けているうちに一方が他方に変わるという事はない。長年共存してきた宿主の動物や人間に媒介した動物などの出自が違うからだ。
例えば、インフルエンザA型の高病原性鳥インフルエンザ(AH7N9型)は、人間には直接感染する事はめったにない。しかし、ブタは両方に感染するので、ブタに人間のインフルエンザA香港型(AH3N2型)と高病原性鳥インフルエンザ(AH7N9型)が同時感染すると、混血が起こる。例えば、インフルエンザAH7N2型という人間に感染しやすい新しい亜型が生まれ、これが人間に感染すると、これまでの免疫やワクチンが効かないのでパンデミックを起こす。過去のスペイン風邪などのパンデミックもこういうインフルの混血による新亜型が原因と考えられている。香港型もソ連型も最初はそういう感染爆発を起こした。やがて、ウイルスが行き渡ると集団免疫が生じ、比較的おとなしい季節性インフルエンザとして定着した。
インフルのこのような亜型の違いは、感染を繰り返しているうちに、少しずつ変異して生じる事はないので、「不連続変異」(大変異)と言う。現在、新型コロナウイルスに見つかっている変異は、A香港型の株の違いと同じ「連続変異」(小変異)だ。
https://digital.asahi.com/articles/ASNDX7D1RNDXULBJ010.html?fbclid=IwAR0MNx8bnYv9wmMYeiFe3sHbfXqcBemREiXAIK0EtwTZhA-wOE7RBIeKDJA
改めてまとめると、
1)種が違う 新型コロナウイルスと風邪のコロナウイルスの違い、インフルエンザのA型とB型の違い、などに相当する
2)同種だが、亜種、変異種、亜型の違い 新型コロナウイルスとSARSウイルスの違い、インフルエンザA型のA香港型、A新型、Aソ連型の違い(亜型の違い)などに相当する
3)株の違い インフルエンザA香港型のシドニー株、パナマ株、ニューヨーク株などの違い。
現在見つかっている新型コロナウイルスの変異は3)のインフルの株の違いと同程度か、もっと細かい差異
同種でも、2)の違いは、遠い先祖が共通というだけで、感染を続けているうちに一方が他方に変わるという事はない。長年共存してきた宿主の動物や人間に媒介した動物などの出自が違うからだ。
例えば、インフルエンザA型の高病原性鳥インフルエンザ(AH7N9型)は、人間には直接感染する事はめったにない。しかし、ブタは両方に感染するので、ブタに人間のインフルエンザA香港型(AH3N2型)と高病原性鳥インフルエンザ(AH7N9型)が同時感染すると、混血が起こる。例えば、インフルエンザAH7N2型という人間に感染しやすい新しい亜型が生まれ、これが人間に感染すると、これまでの免疫やワクチンが効かないのでパンデミックを起こす。過去のスペイン風邪などのパンデミックもこういうインフルの混血による新亜型が原因と考えられている。香港型もソ連型も最初はそういう感染爆発を起こした。やがて、ウイルスが行き渡ると集団免疫が生じ、比較的おとなしい季節性インフルエンザとして定着した。
インフルのこのような亜型の違いは、感染を繰り返しているうちに、少しずつ変異して生じる事はないので、「不連続変異」(大変異)と言う。現在、新型コロナウイルスに見つかっている変異は、A香港型の株の違いと同じ「連続変異」(小変異)だ。
https://digital.asahi.com/articles/ASNDX7D1RNDXULBJ010.html?fbclid=IwAR0MNx8bnYv9wmMYeiFe3sHbfXqcBemREiXAIK0EtwTZhA-wOE7RBIeKDJA
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