国産ワクチン ズルはよくない2021年09月21日 13:19

国産ワクチン ズルはよくない
 ファイザーやアストラゼネカのように数万人規模の臨床試験をやるのは、資金的にも物理的にも不可能。だから、「先行ワクチンと同じように中和抗体ができるかどうかを数千人で調べる簡易実験で通してしまおう」。という前から厚労省と国内製薬が談合していた抜け道だが。いろいろ問題だらけ。
 1)中和抗体ができたからといって、実際に使ってみたら同じように効くという保証がない。
 2)同じmRNAワクチンならともかく、アンジェスのプラスミドDNAワクチンや塩野義の組み換えたんぱくワクチンは仕組み自体が先行ワクチンと全然違う。
 3)数万人規模で試験しても見つからなかった血栓や心筋症などの副反応が起きている。数千人規模の試験では実践でどんな事が起きるか予想がつかない。

 治療薬は数百人規模の臨床試験で通る場合もある。患者に使うので有効性が判定しやすく、病気を治すためだからある程度のリスクは許容される。しかし、ワクチンは接種しなければ健康なまま長寿だったかもしれない健常人に使うのだから、リスクははるかに低くなければならない。
 いい加減な治験が横行していた半世紀前から、数々の薬害事件を経て、厚労省の承認手続きは欧米先進国の中でもトップレベルの非常に厳しいものに整備されてきた。そう簡単にズルを受け入れるべきではない。

◆国産ワクチンの壁、治験方法変更で突破目指す 国内企業も準備
https://digital.asahi.com/articles/ASP9N5WFZP8RULBJ00L.html

◆ズルでパスの国産ワクチン打ちたい人いる? 日本のワクチンの将来のため無償で実験台になる崇高な方々?
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/07/13/9397649

AZ製ワクチン母国英はしない3回接種 日本ではするようだ2021年09月17日 12:39

AZ製ワクチン母国英ではしない3回接種 日本ではするようだ
 アストラゼネカ製ワクチンを作ったイギリスではアストラゼネカの3回打ちはしないのに、日本では3回打ちを推奨するようだ。3回ぐらいは大丈夫ということなんだろううか。混ぜ打ちは避けられるならしない方がいいに決まってるが、まさか厚労省がウイルスベクターワクチンの多回接種のリスクを知らない事はないだろうし。
 厚労大臣の会見で「3回目の接種は2回までと同じメーカー製にするとのことですが、先行するイギリスでは3回目はファイザーとモデルナのみでアストラゼネカ製の3回接種は避けています。日本ではなぜアストラゼネカ製の3回接種をするんですか?」と質問してほしい。YES-NO質問ではなく、WHY質問にするのが肝。
 もちろん、イギリスが推奨しないのは、供給の問題や不人気のせいかもしれないが。

>>使用するのは原則、2回目までの接種と同じメーカーのワクチンとし、
◆コロナワクチン 3回目の接種行う方針固める 厚生労働省
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210917/k10013263641000.html

◆AZワクチンの3回接種はやはり不可なのか
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/09/15/9423855

◆アストラゼネカ製ワクチンは3回目に打てない可能性
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/08/27/9415940

AZワクチンの3回接種はやはり不可なのか2021年09月15日 21:55

AZワクチンは3回接種やはり不可か
>>3回目はファイザー製かモデルナ製が推奨
 アストラゼネカ製は、オックスフォード大が開発したイギリスにとっての国産ワクチン。接種者も多いはず。なのに、推奨しないとは、やはり、アストラゼネカ製(ウイルスベクターワクチン)は3回以上の接種には適さないという事なんだろうか。国内でも、アストラゼネカ製を1、2回目接種に使っている。原則、同じワクチンを打つ事になっているのに、3回目はあまり安全性が検証されてない交差接種にしなければならないかもしれない。そういう不利益もちゃんと説明するべきだ。

◆英、来週から「ブースター接種」開始 50歳以上など対象
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4360376.html

◆イギリス、50歳以上に3回目の接種開始へ 条件付きでマスク義務化
https://digital.asahi.com/articles/ASP9H2DJXP9HUHBI004.html

◆アストラゼネカ製ワクチンは3回目に打てない可能性
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/08/27/9415940

「ミューは抗体効かない」は変な見出し2021年09月14日 07:45

「ミューは抗体効かない」は変な見出し
 この見出しでは、ミュー株が抗体一般に抵抗性を持っているかのような誤解を与える。「ワクチンが効きにくい」の方がまだマシ。「ワクチンでつくられる」、「○○ウイルスに感染してできる」など何に対する抗体なのか限定しなければ無意味だ。抗体というものは、この世に数億種類あるたんぱく質(抗原)ごとに別々なものが作られ、自分が攻撃するべき目標を厳密に見分ける。ミュー株のたんぱく質で作られた抗体なら当然ミュー株によく効くし、ミュー株とは違うたんぱく質で作られた抗体が効きにくいのは当たり前。あるウイルスのたんぱく質で作られた抗体が、そのウイルスの変異株にどれぐらい効くか、効きにくいか。これを抗原性の違いと言う。インフルエンザのワクチンは株が違うとほぼ効かない。新型コロナウイルス用のワクチンは従来株(いわゆる武漢株)のたんぱく質を利用してるが、英国生まれのアルファ株にもインド生まれのデルタ株にもかなりよく効く。
 抗体の効果を見るにはいくつか方法があり、一番原始的なのは、抗体の含まれた血清(回復患者やワクチン接種者の血液の上澄み液)を10倍、20倍、40倍、80倍、160倍と希釈していき、どれだけ薄めてもウイルスたんぱくと反応して無効化するか見る。例えば、従来株に対しては血清を40960倍まで希釈しても効くのに、変異株には5120倍希釈までしか有効でなければ、抗原性が8倍違うと言う。単純に言えば効果が8分の1に落ちたということ。インフルの場合、差が8倍以上になるとワクチンの効きが悪くなり、32倍を超すとほぼ効かなくなるとされる。新型コロナの場合は分からない。mRNAワクチンはヒクほど強く免疫に作用するので、インフルの不活化ワクチンよりはしぶといと予想するが。

◆ミュー株に中和抗体「ほぼ効果ない」最新研究で判明
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000228313.html
◆「ミュー株」抗体効果“低い”研究結果発表 - 日テレNEWS24
https://www.news24.jp/articles/2021/09/10/07937445.html

◆新なコロナ薬 なぜ抗体薬ばかりか
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/09/07/9420500

新なコロナ薬 なぜ抗体薬ばかりか2021年09月07日 13:09

新なコロナ薬 なぜ抗体薬ばかりか
 英グラクソの「ソトロビマブ」。また抗体医薬かという感じだが、抗インフル薬・タミフルのような工業的な化合物より抗体の方が安易なのだ。

1)抗体医薬は開発が簡単
コロナウイルスのスパイクたんぱく質などターゲットを決め、これに反応して無力化させるような抗体をつくるのは機械的に誰でもできる(*)。いろいろできた中から、特に効き目のいいものを選別するだけ。タミフルのような人工的化合物を設計するのは大変で、最適化にも時間と手間がかかる。

2)抗体は人体とのなじみがよく、効果が確実でほとんど副作用がない
 抗体はもともと人体の中を無数に回遊しているたんぱく質だから、人体にほとんど害はない(ただし、リウマチやがんに対する抗体医薬のように人の細胞に作用するものは主作用が強すぎて支障が起きる事はある)。また、もともと人体内で働いているものだから確実な効果が期待できる。マウスなどで抗体を作った場合、拒絶反応が起きる事があるが、今はほぼ完全に人間と同じ抗体がつくれる。また、コロナウイルスのたんぱく質など攻撃目標のみに反応する特異性が非常に高く、余計な所に働かない。タミフルなどの人工的な化合物は生体内でどんな挙動をするか予想がつかず、まったく効かないかもしれない。また、全く予想もしなかった臓器や組織、細胞などに作用して問題を起こすこともある。人工的な化合物なので、腎臓や肝臓への負担もある。

3)抗体医薬はバカ高い価格設定が可能
 抗体医薬は純粋な工業的な化合物と違い、大腸菌や動物に作らせるたんぱく質なので原価が高いというイメージからプレミア価格をつけられる。がん免疫療法の抗体医薬オプジーボやキイトルーダのように年間薬価1000万円というのは莫大な開発費を上乗せした価格だろう。比較的古い乳がんや胃がんの治療薬ハーセプチンでも週1の点滴で年間200万円ぐらいかかる。コロナの抗体医薬はそんなに何度も点滴しないが、それでも数万円、場合によって数十万円の値を付けてるだろう。

 つまり、抗体医薬は、治療薬候補探しや開発の手間をあまりかけずに、確実で副作用が少なく、儲けの多い治療薬を作れる方法なのだが、こればかりになると治療費が高額になり、医療費が大変な事になる。

*原始的なものでは、北里柴三郎のころに、蛇の毒を馬やウサギに注射して作っていた血清が抗体医薬。コロナの回復患者の血清を輸血するのも抗体医薬。

◆英GSK、治療薬を承認申請
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15035359.html

2回目接種を遅くすれば3回目は必要ないかも2021年09月03日 20:03

2回目接種を遅くすれば3回目は必要ないかも
「3回目によるブースター効果が必要」なのか、「2回目接種が早すぎてブーストが弱く2回目の接種をもっと後にすればいい」のかの検証をするべきだと思う。

◆「ワクチン3回接種が標準の可能性も」米ファウチ首席医療顧問
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210903/k10013240561000.html

◆短期間のワクチン反復は無意味 3回目強行ブームだが
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/09/02/9418411

短期間のワクチン反復は無意味 3回目強行ブームだが2021年09月02日 12:40

短期間のワクチン反復は無意味
 高齢者枠と医療従事者枠を二重利用したこの先駆的なおじいちゃんを始め、独自の手法で3回目を接種してしまう例が広がっているようだ。が、短期間に3回も4回も打つのはおそらく無意味。ワクチン接種から1、2週間たつと抗体の量が上がってくるが、増えている時に追い打ちをかけても華々しい効果は見込めない。試験勉強でも長時間ぶっ続けにやっても非効率なのと同じで、一度忘れかかったころにやり直すのが効果的。1回目と2回目の3週間、4週間という間隔はベストなタイミングではなく、本当はもっと空けた方が効果的だが、接種業務の効率などを勘案して「最低これぐらいはたってないと」という保証期間と考えた方がいい。実際に、もっと間を空けた方が効果が高いという報告も出ている。ましてや2回目を完了してからすぐに3回目、4回目を打ったって上乗せ効果はほとんど期待できない。ただ、何らかの理由でワクチンが効かなかったワクチンフェイラーという場合があり、京都の診療所のように抗体量を量ってワクチンの効果が上がってなさそうな人だけに3回目接種するのは意味があるかもしれない。2回で効果がなかった人は3回目も失敗に終わる可能性もあるが。

◆コロナワクチン4回接種した80代男性「早く5回目を打ちたい」
https://www.news-postseven.com/archives/20210827_1686823.html/2

◆「抗体少ない」15人に3回目のワクチン接種 京都の診療所
https://mainichi.jp/articles/20210826/k00/00m/040/238000c

アストラゼネカ製ワクチンは3回目に使えない可能性2021年08月27日 12:32

アストラゼネカは3回接種可のか
 まだ接種希望者が予約すら完了できない日本でも3回目の追加接種の検討が始まっている。気になるのは、アストラゼネカ、J&Jなどのウイルスベクターワクチンで3回目が可能なのかどうかというデータが見当たらない事だ。これらのワクチンには、新型コロナウイルスの遺伝子の運び屋(ベクター)として、チンパンジーなどのアデノウイルスが使われている。運び屋ウイルスを使ったワクチンは、複数回打つと、この運び屋ウイルスそのものに対する抗体ができてしまい、無効化されることが動物実験などで知られている。場合によっては、アレルギーやアナフィラキシー・ショックの原因になる恐れもあるだろう。このリスクは打つ回数が増えるほど上がる。アストラゼネカをすでに2回打っている人が3回目を打っても大丈夫なのかどうか。アデノウイルスにもいろいろな種類があるので、運び屋ウイルスを変えればいいのだが、そうすると、別なワクチンになってしまうので安全性試験をやり直さなければならない。
 今のところ、ビオンテック/ファイザーやモデルナのmRNAワクチンには回数制限がない。これらを2回打った人の3回目にアストラゼネカを使ったり、逆にアストラゼネカを2回打った人の3回目にmRNAワクチンを使えばいいが、メーカーは嫌がる。シェアを争っているライバル同士だし、副反応が疑われた場合、どれが原因だったのが究明が難しくなる。少なくとも、mRNAワクチン陣営側にはメリットがないだろう。
 3回目は何とかなったとしても、変異株対応で、4回目、5回目となった場合、不利。 そもそもJ&Jが1回接種なのは効果があるからではなくてこの問題を避けるためではないかという疑いももたれている。アデノウイルスを使ったワクチンは、アストラゼネカ、J&J以外、ロシアのスプートニクV、中国のカンシノ製などがあり、共通した課題だ。イギリスがけっこうアストラゼネカのシェアが大きいはずなのだが。

◆英政府、ワクチンの追加接種を検討へ 高齢者などに3回目
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-britain-booster-idJPKCN2E62U0

mRNAワクチンPEGのアレルギー持ちはアストラゼネカでも危険なのでは2021年08月14日 16:41

mRNAワクチンPEGのアレルギー持ちはアストラゼネカでも危険なのでは
 厚労省は、不人気アストラゼネカ製ワクチンの押し付け先として、「ビオンテック/ファイザーやモデルナのmRNAワクチンでアナフィラキシー・ショックの原因と疑われているポリエチレングリコール(PEG)に対するアレルギーがある人」を想定しているようだ。アナフィラキシー・ショックはファイザー、モデルナの独占ではない。アストラゼネカ製の添付文書にもアナフィラキシー・ショックが付け加えられた。アストラゼネカ製にはPEGのそのものは含まれていないが、類似物質のポリソルベート80が含まれていて、一方にアレルギーがあるともう一方でもアレルギーが起きるという「交差反応」がある。厚労省の役人はちゃんと分かってるんだろうか。危ないと思う。
 アナフィラキシー・ショックは医療従事者による監視下で起きて、すぐに処置すれば救命率は高い。それでもハイリスクな人は禁忌にするべき事案。卵アレルギーの人がインフルワクチンを打てないのと同じ。自分は生まれて此方花粉症などのアレルギーにかかったことがないし、近い血縁にアナフィラキシー・ショック経験者がいるという話を聞いたこともないので、まったく心配してないが、人それぞれだ。高齢者の両親や医療従事者のきょうだいなどはすでに2回接種を完了してずいぶん時間がたっている。

◆宣言下6都府県に重点配分 アストラゼネカ製ワクチン
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14999106.html
>>今回の接種対象として、---ファイザー社製やモデルナ社製に含まれる「ポリエチレングリコール(PEG)」という成分でアレルギーを引き起こす人、---らを想定している。

◆アストラゼネカ製COVID-19ワクチンが40歳以上で臨時接種の対象に
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202108/571321.html
>>具体的な対象としては、「40歳以上」に加えて、(1)他のCOVID-19ワクチンに含まれるポリエチレングリコールなどの成分にアレルギーを有するといった医学的見地から特にアストラゼネカ製ワクチンを希望する場合、

妊婦のワクチン接種で胎児に免疫はつくか2021年08月11日 18:46

妊婦のワクチン接種で胎児に免疫はつくか
 ワクチンで不妊とかいうデマは論外として。母親がワクチンを接種した場合、新型コロナウイルスに対する抗体が新生児にも移行するのかどうかは調べてほしい。そうであれば、ワクチンを接種できない新生児もコロナに対する抵抗力を持てるので。
 母親がはしかや風疹にかかったことがあると、妊娠中にはしかや風疹の抗体が胎盤を通して胎児に移行し、0歳児は生まれながらにしてはしか風疹への獲得免疫を持つ事が知られている。なお、抗体の濃度は母親より濃くなる仕組み。ただし、効力は半年・1年程度で、1歳児になったらはしかや風疹のワクチンの第1回接種をする。まあ、コロナに関してはあと1年も抗体があれば十分だろう。
 では、はしかや風疹にかかったことがなくても、はしかや風疹のワクチンを打った母親だったらどうか。当時、感染研にいた岡部信彦部長は「調べてみないと分からないが、同じように新生児に移行する可能性はある」と非常に科学的な回答だった。その後、別な室長に同じ質問をしたら、ワクチンでも移行するに決まっていると頭から決めつけていて、疑問を持たないようだった。同じ感染研でも、科学的に厳密な研究者寄りの人とそうでない人がいるんだなと感じた。感染とワクチンでは獲得免疫は厳密に同じわけではないんだから、同じになるかどうかは実験してみなければ分からないのが生物学というものだ。
 とりあえず、新型コロナウイルスのワクチンを母親が打っていた場合、胎児にも抗体が移行するのかどうかはぜひ調べてほしい。新生児の血液をちょっと取って抗体検査をすれば分かる。

◆NHK「ワクチンで不妊」デマ なぜ拡散しつづける? 
https://www.nhk.jp/p/ts/XKNJM21974/

 こんなデータがあるようですが、定量的にどうなのかが分からない。

◆Coronavirus disease 2019 vaccine response in pregnant and lactating women: a cohort study
https://www.ajog.org/article/S0002-9378(21)00187-3/fulltext
◆妊娠中にワクチンを接種したら赤ちゃんが抗体をもって生まれてきた
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/08/post-96883.php