始まりの星の痕跡初発見 なぜプロは素人に意味不明な矛盾を書いてると気づかないのか2022年09月29日 12:48

始まりの星の痕跡初発見 なぜプロは素人に意味不明な矛盾を書いてると気づかないのか
 始まりの星(ZERO-METAL星)と呼ばれる種族3(PopⅢ)の恒星が爆発して飛び散った痕跡をアメリカや東大の研究グループが初めて発見したという。恒星は生まれた時代によりMETAL(*)の含有量が違う。ビッグバンでは水素、ヘリウム、リチウムなどの軽い元素しか創生せず、恒星の材料となる水素のガスには最初、重い元素が含まれない。恒星が生まれ、その中心部で核融合によって炭素、酸素やそれより重い元素がつくられ、さらに超新星爆発によって鉄より重い重金属が生成し、宇宙にばらまかれる。そのため、新しい恒星ほど水素ガスに含まれるMETALの比率が大きい。種族1は太陽(50億歳)など比較的新しい恒星でmetalの含有率が高く、種族2は古い星でmetalの含有率が低い。そして、種族3がmetalの含まれない始まりの星だ。種族3はこれまで見つかっていない。
 今回、グループは新たに観測したのではなく、ジェミニ望遠鏡が過去に観測した約131億年前のクエーサー(宇宙の始まりから7億年後ぐらいのもの)のデータを再利用した。天文学の世界ではよくあること。グループはクエーサーの輝線スペクトルからmetalの存在比を決める新たな方法を考案し、このクエーサーの周りのガスの鉄とマグネシウムの比が太陽の10倍以上も大きい事がわかった。鉄とマグネシウムの比率がこのような異常な値になるのは、太陽の300倍程度の質量で、金属を含まない「始まりの星」が爆発する以外にないという。超新星の質量によってどのような元素の組成になるかは日本の野本グループとアメリカのグループが計算していて、その結果と照らし合わせると、太陽の300倍程度のゼロメタル星の爆発以外ありえないそうだ。

◆なぜ専門家は自分たちだけが分かっている事が素人には理解不可能な事に気づかないのか

 と、この発表を読んで、いつもながらの感想。「ZERO-METAL星(PopⅢ)を見つけた」と言いながら、「鉄/マグネシウムの比率が太陽より10倍も大きいのがZERO-METAL星の証拠」。これが素人には意味不明だということを一般向けのプレスリリースを書いていてなぜ気づかないのか。ビッグバン直後のZERO-METALの水素ガス雲から生まれたZERO-METAL星でも時間がたつと核融合によって中心部に金属が生じる。マグネシウムや鉄もできる。しかし、観測できるのは恒星の表面だけで、表面の水素ガスは生まれた時のZERO-METALのまま。なので、表面上、始まりの星はZERO-METAL星として観測される。という説明がないと意味不明。質量の大きい恒星の中心部では鉄ができるまで核融合が進み、その後に超新星爆発が起きる。爆発のエネルギーでも鉄やマグネシウムができる。そして、太陽の数十倍の質量のこれまで知られた超新星爆発では中心部にブラックホールが残るため、中心部にあった鉄の一部しかばらまかれないけど、100数十倍を超えるような恒星だと爆発ですべて吹き飛ぶため、鉄の含有比率が上がるそうだ。こんな巨大な質量の超新星の痕跡が見つかったのも初めてという。

*注 ここでいうメタルは本来の金属だけでなく、炭素、酸素などビッグバンでは創生されない元素一般を指す。

https://www.newscientist.com/article/2339828-light-from-a-quasar-shows-hints-of-one-of-the-universes-first-stars/
https://noirlab.edu/public/news/noirlab2222/