オミクロン株は肺炎になりにくいと言うけども2022年01月27日 13:44

オミクロン株は肺炎になりにくいと言うけども
 気管支の細胞と肺の細胞を使った比較実験で、オミクロン株は、気管支の細胞だとデルタ株や従来株の70倍も増殖効率が高いが、肺の細胞だと逆に10分の1以下になるとの結果。もし本当なら次のようなメカニズムが考えられる。新型コロナウイルスが細胞に侵入するための鍵穴(リセプター)に構造が少し違う2種類がある。一方は肺の細胞に主にあり、もう一方は気道(のど)の細胞に多い。デルタや従来株はどちらにもソコソコよくくっつく。オミクロン株は変異で鍵(スパイクたんぱく)の形が変わり、のどの細胞の鍵穴には非常によく結合するようになったが、肺の細胞の鍵穴にははまりにくくなった。
 しかし、こういうメカニズムは、鳥インフルについてかじった事のある人なら誰でも思いつくような事だ。そういう予断に基づいた仮説を立てて実験すると、故意か無意識か分からないが、そういう結果になりやすいという事が医学生物の世界ではよくある。誰かがそういう論文を書くと、また、それに引きずられて、似たような実験結果が集まってくるということもある。特に、新型コロナ現象のようなニワカ参入者が多いと起きやすい現象。鵜呑みにするのは、医科研あたりが、分子レベルで受容体とスパイクの結合の変化を解析するぐらいまで待った方がいいかと思う。
 それに、これはこのグループも言及しているが、肺炎はウイルスが肺の組織に感染して起きるとは限らず、むしろ、免疫の過剰反応でサイトカインが異常に分泌し、それが血液で全身に巡り、肺に炎症を起こすということもあるので、肺に感染しなければ肺炎にならないとは言えない。
◆HKUMed finds Omicron SARS-CoV-2 can infect faster and better than Delta in human bronchus but with less severe infection in lung
https://www.med.hku.hk/en/news/press/20211215-omicron-sars-cov-2-infection

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