アストラゼネカ製ワクチンは3回目に使えない可能性2021年08月27日 12:32

アストラゼネカは3回接種可のか
 まだ接種希望者が予約すら完了できない日本でも3回目の追加接種の検討が始まっている。気になるのは、アストラゼネカ、J&Jなどのウイルスベクターワクチンで3回目が可能なのかどうかというデータが見当たらない事だ。これらのワクチンには、新型コロナウイルスの遺伝子の運び屋(ベクター)として、チンパンジーなどのアデノウイルスが使われている。運び屋ウイルスを使ったワクチンは、複数回打つと、この運び屋ウイルスそのものに対する抗体ができてしまい、無効化されることが動物実験などで知られている。場合によっては、アレルギーやアナフィラキシー・ショックの原因になる恐れもあるだろう。このリスクは打つ回数が増えるほど上がる。アストラゼネカをすでに2回打っている人が3回目を打っても大丈夫なのかどうか。アデノウイルスにもいろいろな種類があるので、運び屋ウイルスを変えればいいのだが、そうすると、別なワクチンになってしまうので安全性試験をやり直さなければならない。
 今のところ、ビオンテック/ファイザーやモデルナのmRNAワクチンには回数制限がない。これらを2回打った人の3回目にアストラゼネカを使ったり、逆にアストラゼネカを2回打った人の3回目にmRNAワクチンを使えばいいが、メーカーは嫌がる。シェアを争っているライバル同士だし、副反応が疑われた場合、どれが原因だったのが究明が難しくなる。少なくとも、mRNAワクチン陣営側にはメリットがないだろう。
 3回目は何とかなったとしても、変異株対応で、4回目、5回目となった場合、不利。 そもそもJ&Jが1回接種なのは効果があるからではなくてこの問題を避けるためではないかという疑いももたれている。アデノウイルスを使ったワクチンは、アストラゼネカ、J&J以外、ロシアのスプートニクV、中国のカンシノ製などがあり、共通した課題だ。イギリスがけっこうアストラゼネカのシェアが大きいはずなのだが。

◆英政府、ワクチンの追加接種を検討へ 高齢者などに3回目
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-britain-booster-idJPKCN2E62U0

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