髪形は脱げない 中3女子の凄み2021年02月26日 18:03

髪形は脱げない 中3女子の凄み
 当時、県内のほぼ全中学生男子が坊主という福島県の丸刈り校則連載の第1回は「矢祭中の挑戦」。後に、「合併しない宣言」などユニークな町長、町民で全国的に有名になった矢祭町だ。県内で見たら南のはずれの矢祭中学で、丸刈り校則廃止を公約にした生徒会長が当選し、生徒らによる校則改正が動き出しました。そのクライマックスは、生徒会内部の改正最終案の議論。丸刈り、おかっぱ強制廃止については一致しているが、「髪形は自由とするべき」という生徒会長ら3年生と「長さなどに一定の規則は必要だ」という次期生徒会長ら2年生が激しく対立した。「もし、自由放任で長髪などまで認めてしまって非行に走る生徒が出たらどうするんだ」という2年生(中2でそんな教育委員会寄りみたいなのがいるのかと上司が呆れていた)。
最後に、おもむろに口を開いたのが知性派の3年生女子。
「私たちには学校生活と私生活という2つの生活がある。制服であれば、学校生活で着用し、私生活で私服に着替えることができる。だが、髪形は脱ぐことができない。学校生活における校則で私生活における髪形まで規制されるのはおかしい」(中3ですよ!)。
 校則改正生徒会案は「髪形は自由」で提出された。その中3、中2がいる間は改正が間に合わず、高校生になっていた生徒会長らに会いに行った。
「自分たちの時に間に合わないのは分かっていたけど、後輩たちのためにやったんです」。
また、議論で負けた次期生徒会長は「あの時は反論できなくて悔しい気持ちでしたが、今では心から彼女の意見に賛成しています」。
 連載終了後、新年度から矢祭中は丸刈りが廃止された。校長も相当悩んだようだが、改正校則には髪形について長さなどの規定が入った。教育のプロセスとして、丸刈りが廃止されるかどうか、自由になるかどうか、結果はさほど重要ではない。生徒たちが何かを変えようと動く時、誰か大人からの借り物の頭ではなく、自分たちの脳を使って物事の是非を判断し、決めていく。それが教育なんだと。
 矢祭中の校則改正がニュースになると、「あんな田舎の中学が」と県の教育者に衝撃を与え、その後、雪崩を打つように丸刈り校則は次々と廃止になる。多くがおかしいとは思っていたけど、先頭を切りたくない。学校が荒れたり、何かあるとそのせいにされ、責任を取りたくない。といういかにも日本の公務員的な思考だ。

◆伝統でもヒトは食べちゃダメ ブラック校則
https://kajiyan.asablo.jp/blog/2021/02/26/9350961

◆くせ毛や栗毛色「地毛証明」都立高の4割 生徒に届け出求める
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210225/k10012885111000.html?fbclid=IwAR0LxZCJOOgjPkEFAzs2jKnZrzeJP6ASOAy202LvzEgCCTynqnmx-LVVHOA

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