官僚と違う 愚策に賛同させられる訳がない2020年10月10日 17:30

官僚と違う 愚策に賛同させられる訳がない
 緊急事態宣言の全国拡大を話し合う政府の諮問委員会で、事務局が「5月6日までの間、学校を一斉休業することが望ましいという専門家会議の見解を踏まえ」と勝手に作文し、方針に付け加えたら、誰がそんな事を言ったんだということに。西村大臣が「一斉休校」寄りで改めて意見を求めたが、学者らが次々反対。対役人の時は、忖度で都合のいい提案をさせておいて問題になったら全く責任を取らないといういつもの手が、学者連中には全然通用しなかったという顚末。
 東大の河岡教授は、お気に入りの記者を囲い込むようなイメージがあり、アレだったのだが、この議事録には、「不公平が生じるから一斉休業をするというのは、流行のコントロールという目的と異なる」と骨のある発言があって少し見直した。理系人間は、正義感からというより、科学的に間違った知識や思考が一般に広まる事を単純に忌避する事が多い。ましてや、その後押しを自分たちがしたとレッテルを貼られるのは我慢がならないのだろう。

 「全国一斉」休校が天下の愚策である事は明らかです。

(1)インフルは小中高で流行するので限定的な学級閉鎖、休校は効果が期待できる。新型コロナウイルスは学校が流行源になっている兆候はなく、今もって学校でのクラスターの発生は極めて散発的、少数である。
(2)新型インフルの時でも休校は流行が明らかな地域に限定された。
(3)緊急事態宣言後であれば、外出自粛の一環として休校はありうるが、宣言前、大人(特に主たるクラスター源である若年層)が出歩いている状態で子どもだけ制限しても意味がない。
(4)会社員と一緒に満員電車で長時間通学する大都市圏の学校であれば、通学を止めさせる事は感染機会を減らすかもしれない。だが、徒歩・自転車通学のみであればむしろ学校に集めておいた方が安全。野放しになった生徒たちがクラスター発生地域の盛り場に繰り出すのを防げない。
(5)部分休校は不公平と政府は言うが、感染率の高い大都市圏とそれ以外にはもともと教育格差がある。数カ月の休校後にリカバーする能力でも大都市圏の方が優位。一律休校はむしろ教育の地域格差を広げる。

<一斉休校、政府に「お墨付き」与えず 政府側が「専門家会議の見解」、異議続出 コロナ諮問委>
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14634396.html?fbclid=IwAR0SLiMDTZZZz_jfrbXM1F8Q7isL3jc9NNU-QfK8JnwoPuPGE4NKvbDH2W0